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【特集】フジコー<2405>スムーズな受入による数量確保なら業績上振れの可能性も


ラジオNIKKEI マーケットプレスの『フィスコ presents 注目企業分析』2月9日放送において、フジコー<2405>を取り上げている。主な内容は以下の通り。

■事業概要
建設工事現場で発生する木屑(木くず)やがれき等の産業廃棄物を中心とした各種廃棄物の中間処理(破砕(はさい)、焼却等) を主力に、白蟻防除及び老朽家屋等の解体工事も手掛ける。また、建設系廃棄物を原料としたバイオマス発電にも注力している。
許可品目の多さや多様な廃棄物の取扱い、最新鋭の処理施設と技術の導入などに強みを有する。「住まいと環境を守る」を経営理念に掲げ、害虫駆除から各種廃棄物のリサイクル事業、さらには自然エネルギーへの展開など、創業以来、社会的貢献度の高い事業を手掛けてきた。また、これまでの技術やノウハウを活かして、森林資源を活用したバイオマス発電事業にも参入し、電力小売事業とともに成長を加速させる計画である。

■事業セグメント
建設系リサイクル事業
首都圏近郊の廃棄物処理会社、ハウスメーカー、工場、倉庫、ショッピングセンター等からの委託を受け、木屑、紙屑、廃プラスチック類、がれき類等の産業廃棄物及び一般廃棄物を受入れ、同社が保有する施設において、焼却、破砕、リサイクル処理を行っている。また、発電施設では、受入れた木屑等のバイオマス(生物資源) を原料とした発電により、CO2削減を推進し、自然エネルギーとして付加価値の高い電力販売を行っている。

食品系リサイクル事業
スーパーマーケットやレストラン、食品加工工場等から委託を受け、食品廃棄物のうち、リサイクルが可能な食品循環資源である産業廃棄物及び一般廃棄物を受入れ、同社が保有する施設において、発酵分解による堆肥化、メタン発電による発電、乾燥及び発酵による飼料化へのリサイクルを行っている。

白蟻解体工事
ハウスメーカー、工務店などの建築関連事業者からの依頼により、住宅及びアパート等の解体工事、白蟻予防工事の見積もり調査及び施工を主として行っている。あわせて、リフォーム会社からの依頼により、既存住宅の白蟻防除工事、家屋害虫の駆除工事等も行っている。

森林発電事業
森林資源である未利用木材、製材所から発生する製材屑等を購入し、同社が保有する燃
料化工場(一戸森林資源) で破砕、粒度及び水分調整を行うとともに、製品化された燃料チップを原料として、同社が保有する発電施設(一戸フォレストパワー) において自然エネルギー電力の発電を行う事業である。発生した電力は同社のPPS ※(御所野縄文パワー)を通じて、地元の小中学校、役場等の公共施設、事業会社へ電力供給を行う予定である。

■企業特徴
・許可品目が多いこと
廃棄物処理の許可は品目ごとに必要となるが、同社は産業廃棄物21 品目中13 品目の許可を得ている。廃棄物処理を委託する側は、許可品目の多い同社にまとめて依頼できる点で利便性が高く、同社の強みとなっている。

・多様な取扱廃棄物
同社は建設系廃棄物からスタートしたが、建設業界の景気変動を受けやすいことから、食品工場、製造業、飲食業など多様な廃棄物の受入拡大を進めるとともに、取引先の分散化も進めることで業績の安定を図っている。

・創業時から社会的に意義のある事業活動
「住まいと環境を守る」を経営理念として、害虫駆除からリサイクル事業、自然エネルギーへの展開など、創業時から社会的貢献度の高い事業を展開してきた。

・最新鋭の処理施設と技術を導入
破砕、焼却、熱分解、乾式メタン発電、バイオマス発電など、最新鋭の処理施設と技術の導入により、他社との差別化を図るとともに、その技術やハウハウを活かすことにより、新たな事業機会創出を可能としている。

・食品リサイクル事業のパイオニア
同社は、首都圏の事業者の中で、最初に食品リサイクル事業へ参入したパイオニアである。市町村のゴミ処理施設という強力なライバルに比べて、料金がやや高いうえに、ゴミの分別をしなければならないことから、当初数年間は廃棄物が集まらずに苦戦したものの、次第に環境意識の高まり等から取引先が増え始め、先行者メリットを享受する状況になってきた。また、食品リサイクル事業における堆肥化、飼料化、養豚事業は、今後ますます重要性が高まっていく農業との連携を深め、農業ビジネスへの参入等、事業拡大の機会も秘めている。

・廃棄物処分業としてのバイオマス発電
廃棄物処分業者の中でバイオマス発電を手掛けている業者は少ない。発電施設を併設すると建設コストが倍以上かかるため、それが参入障壁となっている。同社の思い切った決断と着実に業績を伸ばしてきた遂行能力の高さが、今や重要な収益源となる事業にまで育ってきた要因と言えよう。また、そこで培ってきたノウハウは、今後、バイオマス発電を軸とした成長戦略の中で存分に活かされることになる。

■業績推移
9日午前中に2015年6月期第2四半期(14年7-12月)決算を発表。売上高が1,283百万円、営業利益が170百万円だった。あわせて、1株当たりの第2四半期末配当金について、4円を予定していたが、1円増配し、5円に増額修正。期末4円予想で年9円(前期は普通配当7円、記念配当2円)
2015 年6 月期の業績予想として同社は、売上高を前期比4.4% 減の2,422 百万円、営業
利益を同1.4% 増の360 百万円と減収ながら増益を見込んでいる。減収予想となったのは、各施設がフル稼働に近い状況にあることに加え、外部委託費も高騰していることから、受入数量制限の可能性とその影響を保守的に見ていることによる。したがって、スムーズな受入による数量確保が可能となれば、業績の上振れ要因となる可能性はあろう。

■足元の業績
12月度月次売上高は計画比5.4%増、累計売上高は計画比6.2%増。7-12月では11月のみ計画を下回っており、順調に推移している。

■株価動向
株価は昨年1月高値をピークに弱いトレンドが継続している。ただし、昨年1月の急伸前の水準まで調整している。また、昨年10月安値水準とのボトム形成が意識されるほか、25日線を挟んでの底堅さが意識されている。
今週は大手ゼネコンの決算が控えている。建設セクターは足元で物色の圏外に置かれていることもあり、見直しの流れに向かうかが注目される。建設株が見直されてくるようだと、社会インフラ関連などテーマ物色へ波及してくることも考えられ、見直しの流れに期待。

ラジオNIKKEI マーケットプレス
『フィスコ presents 注目企業分析』毎週月・木曜14:30~14:45放送

《TM》

 提供:フィスコ

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