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【経済】東電が初の域外売電へ


東京電力<9501>は27日、子会社を通じて10月から家電量販最大手ヤマダ電機<9831>の関西24店舗と中部地方38店舗の合わせて62店舗に電力を供給することを明らかにした。東電が域外(首都圏以外)で電力を販売するのは初めて。
東電全額出資子会社のテプコカスタマーサービス(TCS)が、ヤマダ電機がこれまで主に地元の関西電力や中部電力から買っていた計1万9000キロワットの電気を供給する。
TCSは今年5月22日、経済産業省に特定規模電気事業者(新電力)としての届け出を行った。自家発電ができる地元の企業などから余った電力を調達し、関西電力や中部電力より数パーセント割安な料金で販売する。東電は他にも首都圏に本社を置き全国展開する企業の地方拠点に乗り換えを促し、域外で3年後に340億円、10年後には1700億円の売上を目指しているという。
経済産業省は7月30日、電力改革の制度設計を議論する作業部会を開き、家庭向けも含めた電力小売りの全面自由化の実施日を2016年4月1日とする方向で準備を進めることを決めている。
電力小売りの全面自由化を前に、すでに中部電力<9502>や関西電力<9503>が首都圏での電力の販売に参入するなど競争が始まっているが、この東電初の域外売電決定により業種や地域を超えた販売競争が一層激化し、家庭用の電気料金の価格競争にもつながるかが注目される。

《YU》

 提供:フィスコ

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