アーキテクツ・スタジオ・ジャパン <
6085> [東証M] が5月6日大引け後(16:00)に業績修正を発表。16年3月期の経常損益(非連結)を従来予想の1500万円の黒字→9000万円の赤字(前の期は9000万円の黒字)に下方修正し、一転して赤字見通しとなった。
会社側が発表した下方修正後の通期計画に基づいて、当社が試算した10-3月期(下期)の経常損益も従来予想の6100万円の黒字→4400万円の赤字(前年同期は8600万円の黒字)に減額し、一転して赤字計算になる。
株探ニュース
会社側からの【修正の理由】
当社業績の先行指標の一つであるアカデミー会員の獲得数は、2013年度4,356件(前年同期比92.6%)、2014年度6,301件(前年同期比144.6%)、2015年度7,266件(前年同期比115.3%)と順調に増加してまいりました。一方、当社ASJ建築家ネットワーク事業において、対象となる建設会社は、一般的に土木工事・住宅建設を事業内容とする総合建設
»続く
業者と住宅建設を専業とする建設業者とに大別されます。当該建設会社の事業環境が当社事業に与える影響として、前者においては公共工事やハウスメーカー等の建設受注が比較的好調であったため、建築家との家づくりを自社の事業として取り込む差し迫った理由が乏しく、当社事業への参画見送りや経営資源の配分を低下させる傾向にありました。後者においては、当社事業を自社の差別化戦略と捉えつつも、価格帯ボリュームゾーンにおいて、建設資材や人件費の高騰などにより価格調整が難航し、会員の期待に応えられないケースも生じておりました。 このような事業環境のもと、当社は新規会員獲得から工事請負契約に至るビジネスプロセスをステージごとに見直し、会員獲得数の増加、各ステージの歩留まりの改善・リードタイムの短縮に向けた以下の取り組みを定着させることで、設計契約・工事請負契約の成約率を高め、平成27年11月6日に公表いたしました平成28年3月期通期業績予想の達成に向け注力してまいりました。会員獲得・プラニングコース利用促進及び新規営業体制について WEB媒体による新規会員獲得チャネルにおいて、建築家との家づくりの訴求に、より一層努めるとともに、本部のコールセンターから会員へ直接アプローチすることで、イベント会場への来場・プラニングコースの利用促進を図ってまいりました。また、プラニングコース利用中の会員へのサポートにあたっては、従来加盟スタジオの当社事業担当マネージャーを介しての間接的なサポートにとどまっておりましたが、より手厚い会員サポートにより顧客満足を高めることで成約率の改善を行うために、直営業部門を新設しサービスの向上に努めました。 下期計画立案にあたって、当初WEB媒体で獲得した会員のプラニングコースへの移行率及びリードタイムは、イベントで対面獲得した会員に比べ下回ることを想定しており、また、工事請負契約の成約は見込んでおりませんでしたが、利用実績、移行率とも下期予想を上回り、最終的に8件の工事請負契約を成約したことで一定の成果を創出しましたが、新規会員獲得数が予想を下回ったことでプラニングコース全体の利用増には至りませんでした。設計契約・工事請負契約締結促進について プラニングコースにおける差別化戦略として、従来型の登録建築家1名の提案から2名による同時提案「プランニングコースDUAL」の定着を推し進め、会員の選択肢を増やす一方で、提案採択のスピードと質を向上させることで、設計契約に至る成約率改善・リードタイム短縮に取り組みました。また、本部による建設資材の集中購買やパッケージ化による加盟スタジオの仕入コスト削減施策により、加盟スタジオから会員へ価格競争力のある見積もりの提示促進に努めました。 これらにより、「プランニングコースDUAL」は79件のプラニングコースで利用され、従来型のプラニングコースが長期化傾向にあるなか、リードタイムの短縮に寄与し、サービス開始から1年で21件の設計契約締結にいたりました。しかし、サービス立ち上げにかかるオペレーションの整備が遅れたことや競合を回避したい一部の建築家の意向など、サービス定着への課題を短期間で解決できなかったことなどで、利用率は見込みを割り込みました。また、建設資材の集中購買やパッケージ化による加盟スタジオの仕入コスト削減施策では、およそ100件のパッケージ提案をおこない、35件の設計契約及び26件の工事請負契約につなげることができましたが、集中購買を促進するには、規模等の面で課題が残りました。 総じて、上記の諸施策により事業環境における下振れ要因を短期間で相殺することはできず、項目別売上において、加盟金売上は、新規スタジオ加盟件数が下期予想15件に対し、実績が7件にとどまり24百万円、請負契約ロイヤリティ売上は、工事請負金額が下期予想に比べ38百万円増となりましたが、高料率対象案件数が予想を下回ったことや低料率の受注案件数の増加により、下期予想比で76百万円、マーケティング売上は、イベント回数が下期351回を見込んでいたものの302回にとどまり50百万円と、それぞれ未達見込みとなり、売上高は予想を大幅に下回る見込みであります。 損益面につきましては、販売管理費の一層の見直しによる削減に努めるとともに、貸倒引当金計上済みの売掛金からの回収による戻入益を計上したことにより、販売管理費は下期予想以上に削減いたしましたが、売上高が予想を大幅に下回る見込みのため、各損益項目につきましても予想から大幅な損失の見込みであります。繰延税金資産の取崩しについて 当期の業績見通しを踏まえ、繰延税金資産の回収可能性について慎重に検討した結果、繰延税金資産の取崩しを行い、35百万円を法人税等調整額に計上する見込みであります。
業績予想の修正
決算期 |
売上高 |
営業益 |
経常益 |
最終益 |
修正 1株益 |
修正 1株配 |
発表日 |
旧 15.10-03 |
818 |
61 |
61 |
40 |
25.28 |
0 |
15/11/06 |
新 15.10-03 |
647 |
-44 |
-44 |
-76 |
-48.09 |
0 |
16/05/06 |
修正率 |
-20.9 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
|
(%) |
決算期 |
売上高 |
営業益 |
経常益 |
最終益 |
修正 1株益 |
修正 1株配 |
発表日 |
旧 2016.03 |
1,450 |
15 |
15 |
-5 |
-3.16 |
0 |
15/11/06 |
新 2016.03 |
1,279 |
-90 |
-90 |
-121 |
-76.56 |
0 |
16/05/06 |
修正率 |
-11.8 |
赤転 |
赤転 |
赤拡 |
赤拡 |
|
(%) |
※単位:売上高、営業益、経常益、最終益…「百万円」。修正1株益、修正1株配は「円」。率は「%」
※最新予想と従来予想との比較
今期の業績予想
決算期 |
売上高 |
営業益 |
経常益 |
最終益 |
修正 1株益 |
修正 1株配 |
発表日 |
14.10-03 |
786 |
82 |
86 |
33 |
21.8 |
0 |
15/05/14 |
予 15.10-03 |
647 |
-44 |
-44 |
-76 |
-48.1 |
0 |
16/05/06 |
前年同期比 |
-17.7 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
|
(%) |
決算期 |
売上高 |
営業益 |
経常益 |
最終益 |
修正 1株益 |
修正 1株配 |
発表日 |
2014.03 |
1,582 |
272 |
254 |
141 |
109.7 |
0 |
14/05/14 |
2015.03 |
1,451 |
74 |
90 |
28 |
18.5 |
0 |
15/05/14 |
予 2016.03 |
1,279 |
-90 |
-90 |
-121 |
-76.6 |
0 |
16/05/06 |
前期比 |
-11.9 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
赤転 |
|
(%) |
※最新予想と前期実績との比較。予想欄「-」は会社側が未発表。
※上記の業績表について
- ・「連」:日本会計基準[連結決算]、「単」:日本会計基準[非連結決算(単独決算)]、「U」:米国会計基準、「I」:国際会計基準(IFRS)、「予」:予想業績、「旧」:修正前の予想業績、「新」:修正後の予想業績、「実」:実績業績、「変」:決算期変更
- ・[連結/非連結]決算区分の変更があった場合は、連続的に業績推移を追えるように、連結と非連結を混在して表示しています。連結と非連結が混在しない場合は、「連」「単」表記は省略します。
- ・決算期表記後の「*」は上場前の決算を示し、2018年以前に新規上場した銘柄では1株あたりの項目は株式分割などによる換算修正は行っていません。
- ・前期比および前年同期比は、会計基準や決算期間が異なる場合は比較できないため、「-」で表記しています。
- ・米国会計基準と国際会計基準では、「経常益」欄の数値は「税引き前利益」を表記しています。
- ・業績予想がレンジで開示された場合は中央値を表記しています。
【注意】「決算速報」「個別銘柄の決算ページ」で配信する最新の業績情報は、東京証券取引所が提供する適時開示情報伝達システム(TDnet)において、上場企業が公表する決算短信と同時に配信されたその企業自身の作成によるXBRL(企業の財務情報を電子開示するための世界標準言語)に基づいたデータをそのまま使用しています。同一の会計基準内で規則変更が行われた場合については、変更は考慮せずに比較を行っています。また、業績予想がレンジで開示された場合はレンジの中央値を予想値として採用しています。なお、この配信されたデータには、新興企業を中心に誤ったデータが配信される場合が希にあります。投資判断の参考にされる場合は、より正確な決算短信のPDFファイルを併せてご確認くださいますようお願いします。