【北浜流一郎のズバリ株先見!】
「“強小銘柄”で難局を打開!」
●軽視できぬFRB議長発言
ようやく「9月は苦月」相場が終わってくれた。長い長いトンネルというより、ブラックホールに転げ落ちたような日々が続いてしまったが、残念ながら9月29日につけた日経平均の1万6901円が今回の下げの底値と決まったわけではない。
これまでも繰り返し指摘してきたように、目先新値を切って下げ、そこから反発した場合、直近の安値が果たして真の底であるかどうかを確認する下げがある。絶対あるというものではないものの、大抵はあり、目先もそれがあり得る状況だ。
それがあった場合、当然1万6901円を割り込むかどうかが問われる。では、割り込む可能性はどうか。私は低いと見ている。
米国の利上げについて相変わらず思惑が錯綜しているものの、すでに方向性は決まっている。先月24日、イエレンFRB議長は「米連邦公開市場委員会(FOMC)メンバーは年内利上げを適切と考えていて、私自身もその中に含まれる」と明言した。
市場はこの発言を一時的なものとしてすぐに忘れ去った格好になっているが、世界の金融政策を左右する米国中央銀行のトップが口にした言葉だ。間違っても軽視しないようにした方がよく、ここは彼女の発言をしっかり踏まえた投資がお勧めだ。
●「新3本の矢」でJPHDに注目
そして、もう一つ押さえておきたいのは、すでに中小型銘柄や中堅株が浮上を開始していることだ。そのため日経平均がなお不安定な動きであるのに対し、ジャスダック、東証マザーズ、J-REIT市場は堅調な推移を見せている。
本来は値動きが粗いこれら新興市場銘柄が比較的落ち着いた動きになっていることになる。売買の主体になっているのは個人投資家で、アルゴリズム取引など粗暴ともいえる取引の犠牲になるのを回避する動きといえる。
それはいまでは東証1部市場にも波及し、「強小銘柄」とも呼べる中堅や小型銘柄が水準を高めつつある。具体的には動物保険の大手アニコムHD <8715> やビルなどの監視カメラシステムサービスに強いあいHD <3076> などがある。
そこで注目したいのは、まずは保育園運営など子育て支援事業最大手のJPHD <2749> になる。安倍首相は「新3本の矢」政策の方針として「夢を紡ぐ子育て支援」の旗を掲げた。JPHDのビジネスにとってこれは明らかにプラス。株も期待が持てる。
中堅中小企業向け総合業務ソフトに強いミロク情報 <9928> もマイナンバー対応の業務ソフトが好評で株も続伸力は強いと見てよい。「グローバルワーク」のブランドで知られるカジュアル衣料店経営のアダストリア <2685> も小反落場面を見逃さないようにしたい。
新興市場銘柄ではテレビ通販システム提供のトライSTG <2178> [東証M]が魅力的だ。
2015年10月2日 記
●北浜 流一郎(株式アドバイザー)
慶応大学商学部中退後、コピーライター、週刊誌記者、作家業を経て株式アドバイザーへ。マネー誌、証券紙などの株式欄を担当し、ラジオ番組でも活躍。
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