貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

9824 泉州電業

東証P
5,650円
前日比
-130
-2.25%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
15.0 1.93 2.12 1.52
時価総額 1,102億円
比較される銘柄
第一実, 
ダイトロン, 
白銅

銘柄ニュース

戻る
 

泉州電業 Research Memo(6):海外売上比率を中期的に30%まで引き上げる


■中長期戦略

泉州電業<9824>では、創立70周年(2019年10月期)に向けて、連結売上高で100,000百万円、経常利益で5,000百万円、ROEで6%の目標を掲げている。この目標を達成するために、主に以下の施策を実行していく方針である。

(1)機器用・通信用のシェア拡大

この分野は商品の半分近くが同社のオリジナル商品であり、直需比率も高く同社の強みの分野である。さらに市場自体も伸びると予想されることから、更なるシェア拡大を目指す。これによって同社全体の粗利益率を改善していく方針である。

この一環として、2013年5月に(株)エヌビーエスの全株式を取得して完全子会社化した。エヌビーエスは、大電流・高電圧用のコネクタメーカーとして、高付加価値の特注品製造を得意としており、特に半導体業界及び自動車業界のユーザーから高い評価を得ている。このエヌビーエスの子会社化により、同社のオリジナル商品比率はさらに高まっていくと予想される。また下記に述べるようにアシ電機(株)、太洋通信工業(株)の子会社化も機器用・通信用電線の比率アップに寄与すると思われる。

(2)関東地区の営業強化

同社では従来、関東地区の売上構成比が2割弱と業界平均(3割強)と比較して低く、やや弱い地域であったとの認識を持っている。国内では最大の需要地域であるだけに、今後の開拓余地も大きいと言える。このため、関東地区の営業基盤強化も重要な戦略と位置付けている。

具体的な施策としては、2012年11月に東京東営業所(千葉県柏市)を開設し、営業体制の強化を図っている。さらに今期(2016年10月期)に全体で約1,500百万円の設備投資を計画しているが、主に埼玉営業所(埼玉県さいたま市)の拡大、東京西営業所(東京都八王子市)の自社物件化などを予定している。

また、新規顧客の開拓については、従来の自動車、エレクトロニクス業界に加えて、食品及び医療機器、ロボット業界などでも進めていく方針である。特に食品業界及び医療機器業界ではここ数年で生産ラインのハイテク化が進んでおり、ノイズ対策用ケーブルなどでオリジナル開発商品を持つ同社にとっても開拓余地が大きいと言える。

(3)グローバル展開の強化

グローバル展開の強化においては、現在4%程度の海外売上比率を、中期的に30%まで引き上げていく考えである。既にタイ及び中国に子会社があるが、グローバル化をさらに進めるため2014年10月に新たにフィリピンに現地法人を設立した。このフィリピン現地法人では、2015年3月に工場が稼動開始、既に日本向けワイヤーハーネス製品の出荷を開始しているが、今後は製品のレベルアップを図ると同時に、近い将来には成長が見込まれるASEANの需要を取り込む計画である。また2016年1月には台湾に販売子会社を設立、2月中旬より営業を開始しており、ローカルの顧客取り込みを狙う。このように同社のグローバル戦略はスローではあるが、着実に歩を進めていると言える。

(4)M&A戦略

M&Aに関して、同社では同業の独立系電線商社で投資に見合う案件があれば前向きに検討するとしているが、むしろ、2013年5月に子会社化したエヌビーエスのように、周辺技術で同社のオリジナル商品開発及び新規顧客の開拓にシナジーが発揮できるような中小メーカーなどが対象になってくるものと思われる。

その一環として、2015年3月には自動車向け制御盤の設計、組立、加工などを行うアシ電機を完全子会社化し、さらに同年6月にはNTT向けの通信用部材を製造する太洋通信工業を完全子会社化した。どちらの子会社も連結収益に与える影響は少ないが、新商材の獲得、技術力の蓄積と新規顧客の開拓(主に自動車関連やNTT関連)という点では大きなメリットが期待できそうである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

(Horiko Capital Management LLC)
《HN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均