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9783 ベネッセHD

東証P
2,590.0円
前日比
+0.5
+0.02%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
33.3 1.54 1.16 16.00
時価総額 2,659億円
比較される銘柄
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決算発表予定日

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EG Research Memo(1):ゲームサポート事業がけん引し大幅増収増益。9月に東証1部指定


イー・ガーディアン<6050>は、SNSやソーシャルゲームの運営者向けに監視や顧客サポートなどのサービスを提供するITベンチャーである。1998年にコンテンツプロバイダとして誕生し、インターネット業界の創成期に様々な新事業を手掛ける中で2005年に掲示板投稿監視事業に一本化し、イー・ガーディアン株式会社に商号変更した。2010年に東証マザーズに上場してからは、ネット監視事業のイーオペ(株)、人材派遣業の(株)パワーブレイン※1、デバッグ事業※2のトラネル(株)、HASHコンサルティング(株)などをグループ化し、事業領域を拡大してきた。現在は関連会社6社を含め全国に5都市9拠点、820名の従業員を抱える企業グループである。2016年9月に東証1部に昇格した。

※1パワーブレインは現在のリンクスタイル(株)。
※2デバッグ(debug)とは、コンピュータプログラムに潜む欠陥を探し出して取り除くこと。

主力事業は、ソーシャルサポート事業とゲームサポート事業である。ソーシャルサポート事業は、投稿掲示板やブログ・SNSなどのコミュニティサイトなどを対象に監視・カスタマーサポート、運用、分析といった多種多様な業務を代行する。厳選された人材による監視サービス(有人監視)が基本であるが、その効率を上げるために専門特化した監視ツール(システム監視)も併用される。独自開発されたAI(人工知能)システムにより低コストかつ高品質なサービス提供をする上で武器になっている。

ゲームサポート事業は、オンラインゲームを運営するクライアントに対し、問い合わせ対応を始めとする運営をサポートするとともに、デバッグ等の周辺業務も請け負う。ゲームをリリースする前に行うデバッグ作業からリリース後の問い合わせ対応までをワンストップで提供できる体制を整え、他社との差別化を狙う。2016年9月期に初めてソーシャルサポート事業の売上を抜き、同社最大のセグメントとなった(売上高1,659百万円)。

2016年9月期通期の業績は、売上高が前年同期比26.3%増の3,813百万円、営業利益が同71.2%増の562百万円、経常利益が同58.4%増の554百万円、親会社株主に帰属する当期純利益が同82.4%増の350百万円になり、過去最高の売上高と各利益を達成した。2年連続で20%超増収、50%超増益となり成長軌道は確かなものとなっている。売上増の主な要因は、ゲームサポート事業が好調だったことである。ソーシャルサポート、アドプロセス、その他分野も増収だった。利益増に関しても、売上増加効果が大きく、各地のセンターの稼働率が高まり原価率が下がったこと主要因だ。

成長戦略は「総合ネットセキュリティ企業」へのステップアップである。新しいトピックとしては海外展開とデバッグ強化が挙げられる。海外展開は2016年9月期に大きく前進した。ベネッセホールディングス<9783>グループの(株)TMJとの協業によりフィリピンと中国に提携センターを設立し、稼働が開始された。事業内容は主にゲームサポート業務であり、最初のステップとしては、日本のゲーム会社の多言語対応を支援し、現地センターの稼働は順調に滑り出した。デバッグ強化に関しては、電子デバイスのデバッグを行う(株)アイティエスを買収することを発表した。同社グループではトラネルがゲームなどのアプリのデバッグ事業を行っているが、アイティエスが保有する電子デバイス(ハード)に対するデバッグのノウハウや顧客層を取り込むことで、デバッグ事業をさらに強化したい考えだ。

好調な利益成長を背景に、4年連続の増配を行っており、2016年9月期には配当金が年4円、配当性向11.7%となった。2017年9月期の配当予想は公表していないが、利益予想どおりの着地となれば増配となる。また、2016年9月期に行われた2回の株式分割(2015年10月1日付で普通株式1株につき3株の株式分割、2016年7月1日付で普通株式1株につき2株の株式分割)により買いやすくなった。

■Check Point
・2016年9月に東証1部に昇格
・16/9期は2年連続20%超増収、50%超増益、ゲームサポート事業が貢献
・フィリピン・中国の海外拠点が順調に稼働開始
・電子デバイス(ハード)のデバッグ事業をM&Aで獲得

(執筆:フィスコ客員アナリスト 角田 秀夫)

《TN》

 提供:フィスコ

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