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明日の株式相場戦略=「ウィズコロナの勝ち組銘柄」を探せ

 全体相場の風向きに変化が出ている。東証1部の騰落レシオは今週2日の150%を超えたところが目先の天井になった形。騰落レシオはあくまで値上がり銘柄数と値下がり銘柄数の偏りの度合いを示すもので、その推移は日経平均のトレンドと必ずしも連動しないが、マーケットのセンチメントを推し量るうえでは有効だ。孔子の説く「宥座の器」ではないが、満つれば覆るというのは相場も同じであり、株価は上がり続けることも下がり続けることもない。新型コロナウイルスがもたらした空売りの山が、今回の日経平均2万円ライン越えからの上昇波形成の原動力となったが、その買い戻し圧力はいまだ解消されてはいない。とはいえ、目先一巡感が出てきたようにもみえる。

 25日移動平均線とのプラスカイ離率もきょうの寄り付き直後の高値2万2907円で10.3%まで広がったが、10%を超える水準というのは2013年5月に記録して以来約7年ぶりと報じられている。民主党政権から自民党・安倍政権に移行したのが12年の年末で、そこから円安と同時進行する形で鮮烈なアベノミクス相場が始まった。日経平均は1万円を割り込んだ水準から半年弱で1万5600円まで駆け上がったが、この時の高値形成時に25日移動平均線との上方カイ離10%超えとなった。その直後、テーパリングを示唆したバーナンキ発言(バーナンキ・ショック)が相場の流れを変え、6月中旬には1万2000円台まで叩き込まれたのだが、そこから7年を経た今回も25日線カイ離10%超えをトリガーに同様の波乱があり得るというのが、売り方の主張であろう。実際は、その時と違って今回は投資家心理がそれほど強気に傾いていないなかでの過熱領域なので、我先にと利食いを急ぐだけの売りニーズがないとも考えられる。ただ、やはりここは用心が必要な局面には違いない。

 一方、買い方の拠りどころとして、下がりそうで下がらない相場を肯定化する材料は外国人投資家の潜在的な買い戻しニーズだ。5月第3週に現先合計で実に15週ぶりの買い越しに転じたが、依然として年初からの累計売り越し額は8兆5000億円に達する。このうち空売りの買い戻し分が今後の相場にどれだけ反映されるかは定かではないが、かなりのインパクトがあることは確かだ。グローバル市場に流れ込むじゃぶじゃぶの資金は、いわばデフレ圧力に晒される実勢経済とは対極といってもいいバブル的な地合いを醸成し、踏み上げ相場の下地を作り上げている。もう一つ、裁定売り残の動向も注目され、外国人が買い越した5月第3週時点で過去最高水準の約2兆5700億円に膨れ上がっている。これは割安な先物を買って現物を売るという作業であり、この結果、現物の売り残が高水準に積み上がった。来週12日のメジャーSQを控え、反転売買による買い戻しに思惑が募るが、「ロールオーバーが効くので額面通りのインパクトはなく、また一方で買い建てていた先物も売るわけだから、株価に物理的な浮揚力は生じない」(ネット証券マーケットアナリスト)という指摘はある。しかし、あくまで現象面からこれだけ裁定売り残が溜まっているという事実は、相場の好需給を示唆するものであることは間違いがない。

 結論として目先注意は必要だが、過度な悲観も当たらない。上値が重くなっても日柄的な調整で、当面は急勾配の下り坂を転げ落ちるような調整は見込みにくいということではないか。米中摩擦の激化や米国の抗議デモ、香港問題と懸念材料は山積しているが、個別株の短期スタンスであれば対応は十分可能とみられる。

 個別では、ウィズコロナで強さを発揮できる銘柄に勝機がある。流通業向けに販促支援を手掛け、市場分析からプロモーション提案までワンストップの支援サービスを手掛けるアイドママーケティングコミュニケーション<9466>は、グループ会社で非接触式AIカメラ検温システムを展開しており注目される。また、新型コロナの影響から多方面でニーズが高まっているコールセンター向けに人材派遣を手掛けるCRGホールディングス<7041>も面白い存在だ。このほか、米HP系のシステムインテグレーターで自治体向けに実績が高いジャパンシステム<9758>、金融機関向けネットワークの構築や債権管理システムに強みを持つアイティフォー<4743>、同じく金融機関を主要顧客とするソフト開発会社でRPAAI技術を融合させたソリューションを得意とするニーズウェル<3992>にも注目。

 日程面では、あすは4月の家計調査が朝方取引開始前に財務省から開示、後場取引時間中に4月の景気動向指数(速報値)が発表される。海外では、5月の米雇用統計が焦点となる。このほか、4月の米消費者信用残高も発表される。(中村潤一)

出所:MINKABU PRESS

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