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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9749 富士ソフト

東証P
6,090円
前日比
-40
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.2 3.09 1.38 3.01
時価総額 4,105億円
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決算発表予定日

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エクストリーム Research Memo(4):技術者派遣とゲームサービスの開発・運営が2本柱


■事業内容

エクストリーム<6033>が手掛ける事業は、法人向けにゲームなどのエンターテインメントソウトウェア開発サービスを提供するソリューション事業と個人向けにPCオンライン、スマートフォンなどのゲームサービスを提供するコンテンツプロパティ事業の2つの事業からなる。それぞれの事業がシナジーを生み出し、世界に通用するクリエイティブカンパニーとして成長し続けることを事業ミッションとしている。2016年3月期の売上構成比はソリューション事業84.3%、コンテンツプロパティ事業15.7%。

(1)ソリューション事業

ソリューション事業は、スマートフォンアプリ、家庭用ゲーム、遊技機器などのエンターテインメント系企業及び、Webサービス、金融、ITサービスなどの顧客企業にプログラミング・グラフィック制作などのスキルを持った同社の技術者が常駐し、開発業務を行うサービス。契約形態によって労働者派遣契約の人材ソリューションサービスと業務委託契約の受託開発サービスに分かれる。同社は、基本的に人材ソリューションサービスに注力しており、人材ソリューション事業が売上高の大半を占める。

具体的な仕事の流れは、SNSアプリ、オンラインゲーム、家庭用ゲーム開発会社などエンターテインメント系企業を中心とする顧客企業からの要求された条件に合うクリエイター、エンジニア※を最低1名単位から派遣する。2016年3月末時点において社外常駐プロジェクトに従事したクリエイター、エンジニア数は307人。

※職種別にプログラマ、ネットワークエンジニアのコンピュータ技術者からグラフィックデザイナー、3DCGクリエイター、ゲームオペレーターなどのゲーム関係のクリエイターまでの多岐にわたる技能職員を有する。

月次の取引先は130社以上となっている。2016年3月期ユーザー別の売上構成比はエンターテインメント系70.0%(内訳はスマートフォンアプリ70.0%、遊技機器12.0%、家庭用ゲーム9.0%、オンラインゲーム6.0%、業務用ゲーム他3.0%)、非エンターテインメント系30.0%。足元、eコマース市場拡大、マイナンバー制度導入などで非エンターテインメント系の受注が拡大傾向にある。

具体的な顧客企業について見ると、エンターテインメント系企業では、ディ・エヌ・エー<2432>、グリー<3632>、ガンホー・オンライン・エンターテイメント<3765>、gumi<3903>、マーベラス<7844>、バンダイナムコホールディングス<7832>など。一方、非エンターテインメント系企業としては、サイバーエージェント<4751>、楽天<4755>、GMOリサーチ<3695>、GMOコマース(株)などのWebサービス企業に加えて、日本郵政インフォメーションテクノロジー(株)(日本郵政<6178>の子会社)、富士ソフト<9749>、(株)SRA(SRAホールディングス<3817>の事業会社)といったユーザー系ITサービス企業とも取引している。

技術者の確保が収益の源泉であるため、同社では経験者採用にとどまらず自社養成にも積極的に取り組んでいる。「プロジェクトNSCA(ナスカ)※1」と呼ぶ教育プログラムやインキュベーション施設※2を活用し、アジャイル開発※3が標準的な開発スタイルとなっているエンターテインメントソフトウェア開発に必要とされるクオリティの高いエンジニア、クリエイターを育成、提供できる仕組みを整えている。

※1 Next Stage Creators Academyの略称で、独自の研修システム。「未経験だけどやる気は誰にも負けない者」や、「スキルの幅を広げて何でもできるクリエイターを目指す者」を対象に、業務経験10年以上の同社社員が、専任講師として教育カリキュラムを作成、実施、成果確認、技術承認を行う。具体的なコースとして、「After EffectsによるCG映像制作研修(パチンコ・パチスロなどの遊技機を始め映画・CM等の映像編集やエフェクトを制作する)」「プログラマ研修(家庭用ゲームソフトやパチンコ・パチスロ液晶等のソフトウェア開発プログラムをメインとする)」「3Dグラフィッカー研修(モデリングからモーションまで一連の流れを業務に即した形で制作する)」などを取りそろえている。
※2本社に技術交流施設「Co-CORE(ここあ)」(「Co(会社)のCORE(中心)」の場所いう意味と「Co(個)がCORE(会社の中心)」であるという意味を合わせた)を設置し、人材ソリューションサービスにおいて市場ニーズの高いプログラマ、グラフィックデザイナー、3DCGクリエイター、映像オーサライザーなどの技術スキルの向上を図るために各種開発用機材を研修用機材として保有している。
※3ソフトウェア開発手法の1つで、迅速かつ適応的にソフトウェア開発を行う軽量な開発手法の総称。

(2)コンテンツプロパティ事業

コンテンツプロパティ事業は、ゲームサービス、ライセンスサービス、協業開発サービスの3つからなる。

a)ゲームサービス
同社ではソリューション事業において蓄積した技術力を活かし、他社プラットフォームによるPC向けゲームの企画・開発・運営を行うほか、家庭用ゲームの開発も手掛ける。

代表作は、「麻雀」に「萌え」という要素を加えたPCブラウザゲーム「桃色大戦ぱいろん・生」(ニコニコアプリ)が挙げられる。一般的にPCブラウザゲームの寿命は1年程度と言われているなかで、同社の「桃色大戦ぱいろん・生」はサービス開始から5年が経過しているにもかかわらず会員数(2016年3月末)は340千人を超える長寿ゲームとなっている※。

※課金サービス開始から長期間のサービス提供によるゲームシステムの陳腐化、アーキテクチャー(設計思想)のウィークポイントが散見されるようになったため、「桃色大戦ぱいろん・ぷらす」のサービスを2015年12月21日で終了し、「桃色大戦ぱいろん・生」へ統合した。

b)ライセンスサービス
同社が保有するゲームタイトルまたはキャラクターについて、第三者が制作、販売するマンガ、小説、フィギュア、カードゲーム、スマートフォンアプリ、ダウンロード形式ゲームソフト販売など様々な商材へ使用許諾を行い、ライセンス料を得るビジネス。許諾キャラクターは「桃色大戦ぱいろん」シリーズのほか、家庭用ゲームの「メサイヤ」ブランドを取り扱う。

c)協業開発サービス
ソリューション事業を通じて顧客企業から持ち込まれるスマートフォンアプリ、オンラインゲーム、家庭用ゲームなどの開発案件を協業するビジネス。同社がSNSプラットフォーマー、大手ゲームパブリッシャー、著名IP等を保有する版元企業とアライアンスを組み、同社が開発及び運営・運用を担うというもの。契約形態は初期開発フェイズと運営開発フェイズに分かれ、初期開発においては開発対価を受領、開発運営フェイズにおいてはサーバ等の変動費用及び月次売上に応じた成功報酬を得るモデルが主流となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《HN》

 提供:フィスコ

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