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9746 TKC

東証P
3,790円
前日比
+40
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PTS
3,789円
11:22 04/18
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.2 2.08 2.37 0.40
時価総額 2,015億円
比較される銘柄
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決算発表予定日

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“大廃業時代”を回避せよ―深刻「後継者難」解決の関連株 <株探トップ特集>


―好景気なのに廃業休業“過去最多”、問題解消をビジネスチャンスに変える―

 近年、さまざまな業界で人手不足の深刻化が叫ばれているが、同じように深刻さの度合いが増しているのが中小企業を中心とした「後継者不足 」だろう。経営者が高齢化する一方、後継者不足から事業の継続が困難となっているのだ。

 中小企業の事業承継は、事業の継続や発展を通じた地域経済の活力の維持や雇用の確保などにつながっているだけに、この問題解消は喫緊の課題となっている。関連銘柄にとってはビジネスチャンス拡大につながり注目が必要だ。

●進まない事業承継

 経済産業省が全国の商工会議所などと連携して各地に設置している「事業引継ぎ支援センター」では、中小企業の事業承継に関する相談が増加している。相談者数は、事業開始の2011年度から16年度までの累計で1万6988社に及んだが、特に16年度は6292社が相談に訪れている。

 それに伴い、M&Aなどによる事業承継の仲介成約件数も増加しており、16年度は430件が成約した。累計でも791件に及んだが、17年度は4~9月だけで成約件数が前年同期に比べて1.5倍を超える305件と急増している。それでも、成約実績を5年後に年2000件とする経産省の目標にはほど遠く、想定していたよりも事業承継が進んでいないのが実態だ。

●中小企業の半数は後継者未定

 事業引継ぎ支援センターで相談や仲介成約が増えている背景には、中小企業経営者の高齢化がある。

 中小企業庁の「事業承継を中心とする事業活性化に関する検討会」(14年7月)の中間報告資料によると、中小企業経営者の平均引退年齢は中規模企業で67.7歳、小規模事業者で70.5歳となっている。経産省によると、25年時点でこのリタイア適齢期を迎える中小経営者は約245万人と全中小企業の6割以上に上るとしており、しかも、うち約半数の127万人が後継者未定だという。

●倒産減少でも増え続ける企業の休廃業

 経営者の高齢化と後継者難による企業の存続危機を表した数字も出始めている。東京商工リサーチ(東京都千代田区)によると、16年に休廃業・解散した企業数は2万9583件(前年比8.2%増)で、それまで最多だった13年の2万9047件を上回り、過去最多を更新した。一方で、企業倒産は8446件(前年比4.1%減)と8年連続で減少している。

 倒産が沈静化する中で、倒産の3.5倍の企業が休廃業・解散に追い込まれていることになるが、同社では休廃業・解散した企業の代表者の年齢が60代以上が8割を占めることから、経営者の高齢化と事業承継の難しさが休廃業・解散の背景にあると指摘している。

 経産省の試算では、黒字廃業を放置すれば25年までに約650万人の雇用と約22兆円に上る国内総生産(GDP)が失われる恐れがあるとしており、対策が急がれている。

●政策後押しによるM&A増加に期待

 事業の承継を円滑に進めるためには、税制や金融、予算の後押しが必要だ。政府では、中小企業がM&Aをする際の税負担軽減などを検討するとしており、今後はM&Aの増加が見込まれている。

 日本M&Aセンター <2127> は、こうした中小企業のM&A仲介で業界トップの実績を誇り、関連銘柄の代表格といえる。同社のM&A仲介の成約件数は17年3月期で524件に及ぶが、直近5年間で2.7倍に増加。また、18年3月期も上期だけで380件を成約させており、これを背景に業績拡大が続く。

 M&Aキャピタルパートナーズ <6080> も「事業承継M&Aの提案・助言」に注力することで、成約件数を伸ばしており、17年9月期までに337件の成約実績がある。16年10月にM&A仲介・アドバイザリーサービスのレコフを子会社化したことで、前期は111件を成約させたが、20年9月期にはグループ全体で187件の成約を目標としており、中期的な成長を狙う。

 フォーバル <8275> も中小・零細企業を対象に事業承継計画書の作成からM&Aの実行支援までを手掛けており、実績は少ないながら注目される。

●コンサルティング会社にも商機

 M&A仲介だけではなく、それに伴うコンサルティングなども事業承継に関連して商機が拡大している。

 山田コンサルティンググループ <4792> [JQ]は足もとでM&A・事業承継コンサルティングが増加しており、17年3月期のM&A関連売上高は18億9000万円(46件)と16年3月期の13億800万円(32件)から4割以上も伸長した。18年3月期も引き合いが順調で、売上高をさらに伸ばしそうだ。

 また、青山財産ネットワークス <8929> [東証2]では、前述の日本M&Aセンターと合弁会社事業承継ナビゲーターを設立し、連携してコンサルティングから実行支援までを手掛けている。

 このほか、企業法務ポータルサイト「BUSINESS LAWYERS」を運営する弁護士ドットコム <6027> [東証M]や、中小企業向けに経営計画作成の支援を行い将来の円滑な事業承継にも役立ててもらおうとするTKC <9746> 、中堅・中小企業の事業承継のためのコンサルティングを行う日本経営承継支援(東京都新宿区)との資本・業務提携を発表したパルマ <3461> [東証M]なども関連銘柄として挙げられよう。

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