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9702 アイ・エス・ビー

東証P
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時価総額 149億円
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アイエスビー Research Memo(4):セキュリティシステム事業の加入で一気に進展


■中期経営計画と進捗状況

2. ITサービス事業へのシフト
アイ・エス・ビー<9702>が第1の経営施策として掲げる「ITサービス事業へのシフト」は、具体的には、同社が注力する新事業の展開を加速し、収益化することだ。会社概要の項で述べたように、同社の新事業とは、ソフトウェアを活用して何らかのサービス提供する事業群であり、中長期的の成長エンジンと期待されている。

同社の新事業は、アートの手掛けるセキュリティシステムを含めて7つの事業で構成されている。このうち、セキュリティシステム、モバイルデバイスマネジメント(MDM)、訪問看護モバイルサービスは外部から導入したものであり、収益的にはいずれも黒字化しているもようだ。残りの4事業は同社が独自に商品化したサービスで、いずれも黒字化に向けて売上拡大に取り組んでいる状況だ。

新事業全体の売上高が全社売上高に占める割合について、同社は2017年12月期の期初において21.0%とする計画を掲げた。前期の2.5%からジャンプアップとなるが、セキュリティシステム事業が加わったことが背景にある。今第2四半期に実績はその計画を上回り、23.4%に達した。セキュリティシステム事業のみならず、MDMや訪問看護モバイルサービスなどが順調に売上を伸ばした結果とみられ、新事業全体としては順調な進捗がうかがえる。

主な新事業のアップデートは以下のとおり。

(1) セキュリティシステム事業
2017年12月期から新たに加わった。事業主体のアート(詳細は2017年4月17日付レポート参照)はハードウェアに強いが、ソフトウェアは外部に委託していた。グループ入りをきっかけにソフトウェア開発を同社が担うことでシナジー効果が期待されている。同社はセキュリティシステムのソフトウェア開発で終わらせるのではなく、他の事業同様、セキュリティシステム技術を用いた新たなサービスの提供を視野に、製品開発を行っているもようだ。今期中のローンチを目指しているとみられる。本格収益貢献は2018年12月期以降になる見通しだが、アートが業界のリーディングカンパニーの一角を占める存在だけに、期待が高まるところだ。

(2) MDM
MDMとはサービスの一般名称であり、同社は「ベクタントSDM」のブランドでサービスを提供している。このサービスは性質上、大手通信キャリア系のサービスが高シェアを握っており、独立系である同社のシェアはごくわずかとみられるが、高機能をセールスポイントとして法人向けなどに販売を伸ばしている(販売活動は同サービスの元々の開発主体のアルテリア・ネットワークス(株)が担当し、同社は保守・運用を手掛けている)。2017年12月期第2四半期のID数は74,000件に達した。同社は2019年末時点で12万件のIDを獲得することを目標としている。

(3) Wi-SUN/公共BB/L-Share
同社が自社で開発したサービであるこれらのサービスは、既に商品化されているが、事業として独り立ちするまでにあと1歩という状況が続いている。

これらの事業化が進まなかった反省点の1つとして同社は、“機器へのこだわり”を挙げている。こだわりの中身は事業によって様々だが、ポイントは、同社はソフトウェアの会社であって機器(ハードウェア)については専門外ということだ。同社はその点を反省し、得意領域であるソフトウェア、及びそれらを活用したサービスモデルの開発に特化する方針を打ち出している。

公共BB(ブロードバンド)無線はその典型で、過去には機器の自社開発を目指していた時期もあったが、収益モデルを機器販売からメンテナンスとライセンス収入へと切り替えた。

Wi-SUNも通信モジュール(通信デバイスとWi-SUNを一体化したもの)での販売を目指していたが、今回の鉄道設備状態監視システムのように、Wi-SUNを活用したサービスの販売に注力する方針だ。

L-Shareは医療機器用画像データの伝送・共有システムで、従来からシステムの普及・販売に努めてきたが、機能性の評価は高くとも採用が進んでいない。同社は医療活動支援装置及び医療活動支援システムとしてビジネスモデル特許を取得した。この特許をテコに販売を加速させる方針だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《TN》

 提供:フィスコ

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