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9702 アイ・エス・ビー

東証P
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アイエスビー Research Memo(5):主力の「組込み」が大幅増収。「公共」、「新事業」も着実に伸長


■業績動向

2. 分野別動向
アイ・エス・ビー<9702>は情報サービスの単一事業セグメントの企業であるが、投資家・株主の理解の一助のために、ユーザーや用途、事業タイプによって売上高の分野別内訳を公表している。その分野別分類に関し、「事業の概要」の項で述べたように、同社は2017年12月期から新たな分類へと移行することを公表している。

変更のポイントは、「検証」を戦略分野から外して「携帯端末」と「モバイルインフラ」に分割して吸収する一方、「情報サービス」の中から地方自治体等向けの事業を分離し、「公共」として表示することとした。さらに、新事業7事業について、従来は既存事業の各分野に含めていたものを分離し、「新事業」として独立表示することとした。

2016年12月期実績の分析についても新しい分野別分類に基づいて情報開示がされており、以下ではそれに沿って詳述する。

(1) 携帯端末
携帯端末の2016年12月期の売上高は前期比22.2%減の2,284百万円となった。同社の主力顧客のスマートフォンメーカーにおいて、スマートフォン開発費が大きく削減されたことの影響をほかでは吸収できず、前期比大幅減収となった。

2017年12月期は、前期比10.7%増の2,529百万円を計画している。主力顧客におけるスマートフォン新機種の開発は引き続き低調になると想定している。しかしアプリ開発業務について、子会社の立地を生かしたニアショア戦略でコスト競争力を武器に受注拡大を狙うことが、この増収予想の背景にある。

(2) モバイルインフラ
モバイルインフラの2016年12月期の売上高は前期比7.2%減の1,143百万円となった。新規基地局用装置の案件は好調だったが、国の研究機関等から受託する研究開発案件の不振が響き、前期比減収での着地となった。

2017年12月期については前期比5.0%増の1,200百万円を計画している。研究開発案件は前期に続いて低迷すると想定する一方、基地局関連では5G活用の基地局開発案件が増加すると見込み、前期比5%の増収を計画している。

(3) 組込み
組込みの2016年12月期の売上高は前期比30.8%増の3,602百万円となった。医療機器向けは若干減少したが、家電・AV家電向けや車載用機器向けの売上高が伸長した。また同社が注力するQt(キュート)関連業務も大幅増収に貢献した(詳細は後述)。

2017年12月期については前期比4.3%増の3,758百万円を計画している。Qt関連業務を核に新規顧客獲得と収益性向上を狙っている。需要先別動向としては、引き続き医療機器、自動車・車載機器での拡大を期待しているが、前期に大幅増収となったこともあり、増収率は1ケタ台に抑えた計画としている。

(4) 金融
金融の2016年12月期の売上高は前期比3.2%減の1,362百万円となった。インフィックスの子会社化もあり、銀行分野中心に増収が期待されたが、IT技術者の不足が業界全体をおおうなか、外注先の確保にも苦戦して需要の取り込みが十分にできず、減収となった。

2017年12月期は前期比5.5%減収の1,287百万円を計画している。需要自体は前期に引き続いて強いと見ているものの、IT技術者不足もやはり前年同様続くと想定されることから、保守的観点から前期比減収の業績計画としている。

(5) 公共
公共の2016年12月期の売上高は前期比10.5%増の1,707百万円となった。インフィックス子会社化による売上高の上積みや、マイナンバー関連業務の受注があり、前期比2ケタ増収となった。

2017年12月期は前期比9.9%減の1,538百万円を計画している。マイナンバー関連業務の需要が終息することを織り込み、前期比10%近い減収を計画している。

(6) 情報サービス
情報サービスの2016年12月期の売上高は前期比2.0%減の1,210百万円となった。民需関連でシステム刷新案件の受注が好調で、ほぼ前期比横ばい圏での推移となった。

2017年12月期は前期比7.2%増の1,297百万円を計画している。新規顧客からの請負業務獲得や、ベトナム子会社でのオフショア開発を活用しての受注増を織り込み、増収計画としている。

(7) フィールドサービス
フィールドサービスの2016年12月期の売上高は前期比12.9%増の1,754百万円となった。運用支援系業務からサーバ構築業務へと注力分野を移行したことが奏功して2ケタ増収につながった。

2017年12月期は前期比3.3%増収の1,812百万円を計画している。引き続きサーバ構築業務に注力して増収を確保する方針だ。

(8) 新事業
新事業の2016年12月期の売上高は前期比102.5%増の330百万円となった。売上高構成比が高いMDMは堅調に推移したほか、Wi-SUN、公共ブロードバンド無線の開発案件の売上増などが寄与して前期比大幅増収となった。

2017年12月期は前期比983.0%増の3,574百万円を計画している。新規連結のアート(及びその子会社)の収益がすべて新事業に計上されるため、大幅増収計画となっている。アートの影響を除いたベースでは、売上高の規模は600百万円~700百万円規模と、前期比倍増が見込まれている模様だ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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