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9619 イチネンHD

東証P
1,624円
前日比
-26
-1.58%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
3.4 0.68 3.69 56.78
時価総額 394億円
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決算発表予定日

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イチネンHD Research Memo(4):2017年3月期実績は計画を若干下回るも前期比では増益を達成


■イチネンホールディングス<9619>の業績動向

1. 2017年3月期の業績概要
終了した2017年3月期は売上高が79,704百万円(前期比6.5%増)、営業利益が5,681百万円(同3.0%増)、経常利益が5,513百万円(同0.3%減)、親会社株主に帰属する当期純利益が3,800百万円(同3.2%増)となった。営業利益は燃料販売の粗利低下などにより計画(6,000百万円)を若干下回ったが、前期比では増益を達成した。経常利益は営業外費用の増加等によって若干の減益となった。

主要セグメントの状況は以下のようであった。

(1) 自動車総合サービス事業
リース事業では、リース化が遅れている地方市場及び中小口企業への拡販、既存顧客への取引深耕を積極的に進めたことなどから契約数は順調に拡大、期末の契約台数は78,989台(前期末比1,492台増)、リース契約高は30,419百万円(前期比14.8%増)、リース未経過契約残高は68,299百万円(前期末比3.1%増)となった。しかしながら、リースアップした中古車の販売において、計画したほど利益が確保できず、リース満了車売却の粗利益は前期比で低下した。

自動車メンテナンス受託では、独自の自動車整備工場ネットワークでの高い点検実施率を強みとしながら契約台数、契約残高の増加に努めた結果、メンテナンス受託契約台数は80,498台(前期末比13,671台増)となり、メンテナンス受託契約高は5,439百万円(前期比2.5%減)、メンテナンス未経過契約残高は7,674百万円(前期末比0.8%減)となった。燃料販売では、低燃費車の普及による影響はあったが、既存顧客へのサービス向上及び新規顧客の獲得に努めたことなどから販売数量は増加した。しかし、粗利益は計画を下回り、損益的には低調に推移した。鈑金修理部門は順調に伸びているが、まだ金額が小さいため全体の損益に与える影響は少ない。このような状況から、セグメント売上高は45,274百万円(前期比9.7%増)、同営業利益は3,462百万円(同3.4%増)となった。

(2) ケミカル事業
セグメント売上高は10,990百万円(前期比0.7%減)、同営業利益は1,179百万円(同7.5%増)となった。工業薬品関連の燃料添加剤の販売は堅調に推移したが、洗浄剤や消泡剤の販売は減少した。また化学品関連ではOA機器用ケミカル製品の販売は減少したが、機械工具商向けケミカル製品の販売は好調であった。この結果、セグメント売上高はほぼ横這いであったが、比較的利益率の高い製品が伸びたことに加え、原価も低下したことから営業利益は増益となった。

(3) パーキング事業
中長期的に安定した収益基盤を築くために積極的な営業活動を行った結果、2017年3月期末の駐車場管理件数は1,153件(前期末比134件増)、管理台数は27,555台(同2,627台増)となった。新規獲得駐車場数の目標が132件であったことから、結果は計画を上回ったと言える。この結果、セグメント売上高は5,112百万円(前期比6.0%増)、同営業利益は583百万円(同10.8%増)となり、ほぼ計画を達成した。

(4) 機械工具販売事業
取扱アイテムの拡充、オリジナル製品の開発を促進すると同時に、商品調達コストの削減に努めた。用途別では、空調関係向けが好調に推移し、売上高は3%増、営業利益は13%増となった。一方で卸部門は2%ほどの増収となったが、前年が低調であったことを考えると、必ずしも好調であったとは言えない。さらに製品別では、利益率の高い自社製品の売上高が低調であった。また近年注力している大手ホームセンター向け売上高は好調(7%増)であったが、まだ規模が小さくセグメント全体に与える影響は小さい。これらの結果、セグメント売上高は12,580百万円(同6.2%増)、同営業利益は300百万円(同5.7%増)となった。

(5) 合成樹脂事業
樹脂(ポリマー)販売は好調に推移し増収・増益となった。また樹脂製品の組立及び検査装置等は減収ながら増益となったが、一方で規制強化の影響から脱却して回復が見込まれていた遊技機器向けは、需要は期待されたほど回復せず引き続き減収・減益となった。この結果、セグメント売上高は5,968百万円(同0.5%減)、同営業利益は129百万円(同39.9%減)となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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