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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9603 エイチ・アイ・エス

東証P
1,903円
前日比
-26
-1.35%
PTS
1,910円
23:32 03/28
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
23.7 2.67 0.53 2.03
時価総額 1,520億円
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【2016年7大イベント +1】日本郵政グループ:2016年の注目ポイント


2015年のIPOにおいて最も注目された案件は、言うまでもなく日本郵政グループ3社だろう。3社合計で売出額1.4兆円という大型上場だったが、国民的な関心の高まりを背景に日本郵政<6178>とゆうちょ銀行<7182>は公開価格を1割超、かんぽ生命保険<7181>は同3割超上回る好調な初値スタートとなった。上場後も株価は堅調に推移しているが、12月29日には、大引け値でTOPIXをベンチマークとするパッシブファンドによるリバランス需給が発生する。想定される買い需要は金額ベースで495億円程度とみられているが、需給イベントが一巡する年末以降は企業としての真の実力が試される局面となる。中期経営計画で掲げた成長戦略の進捗と、同社グループに関連する企業にも注目したい。

・日本郵政<6178>

経常収益(営業収益)の12.9%を占める日本郵便の郵便・物流事業では、今後の成長戦略としてゆうメールの拡大やゆうパックの黒字化、海外展開として豪トール社の買収を軸として国際物流事業の拡大を目指す。また、東京・千代田区のJPタワー(KITTE)や札幌三井JPビル、大宮JPビル、JPタワー名古屋など駅前一等地にある郵便局施地等の優良物件を多数保有している。

市場の関心が高いのは郵便・物流事業の競合とメリットを受ける企業だが、BPO(アウトソーシング)を受託する企業や、ネットの郵便手配サービス、システム開発などを手掛ける銘柄も注目される。また、郵政グループは15年から3年間で約2兆円の投資を計画しており、基幹システムやクラウドシステム構築支援、マーケティング支援企業も恩恵を受けると考えられる。

<2321>ソフトフロント {日本郵便と提携するデジタルポスト社に出資(約26%)}
<2651>ローソン {08年から郵政との総合的提携、ゆうパックの窓口など}
<3630>電算システム {郵政関連のBPO受託、郵便局での振替MT代行サービスなど}
<3753>フライトホールディングス {デジタルポストに出資(約15%)、電子私書箱で思惑も}
<3915>テラスカイ {クラウドシステムの構築支援、日本郵便より大型案件の受注実績}
<4666>パーク24 {郵便局敷地及び遊休地の有効活用で日本郵便と提携}
<7857>セキ {郵便局の広告代理業務を展開}
<9613>NTTデータ {郵政グループからのシステム受注実績豊富}


・ゆうちょ銀行<7182>

ゆうちょ銀の預金残高は177兆円で、三菱東京UFJ銀(124兆円)を既に大きく上回っている。総資産は約208兆円で、三菱UFJFGの約286兆円に次ぐ第2位である。これに全国に約2万4000カ所の郵便局網を有する。上場を機に官営から民営に移管することから政府保有比率が低下し、新商品などの参入が可能になる。民営化はビジネスチャンスと捉える傾向があり、成長期待が高まりやすいため、外国人投資家による人気が高まる可能性がある。そのため、他の金融機関にとっては資金捻出のため需給面では売られやすくなるだろう。政府保有の放出が数年続くこと、その資金が復興財源ともなれば株価の下支え等も意識されてくるため、他の金融機関の株価は相対的に割安放置される可能性もありそうだ。

ゆうちょ銀行は成長戦略の一環として資産運用収益の向上を上げている。国債保有比率を下げる一方、株式などリスクアセットを増やす動きが強まることで、証券各社への運用資金流入が注目される。また、資産を持つ高齢者の顧客が多いことから、セキュリティ対策への関心も高まりやすい。そのほか、地銀再編加速の流れからゆうちょ銀行との提携の動きも注目されよう。

<3692>FFRI {官公庁向け調査に実績}
<3747>インタートレード {トレーディングビジネスをサポート}
<3782>ディー・ディー・エス {認証システム}
<3857>ラック {子会社で郵政省に実績}
<6703>OKI {郵政グループのATMや窓口端末機などメカトロ機器提供}
<6845>アズビル {ハイブリッド顔認証技術を開発}
<8358>スルガ銀行 {ゆうちょ銀行と住宅ローンなどで業務提携}
<8604>野村ホールディングス {ゆうちょ銀行や日本郵便と提携のほか、IPO主幹事にも}
<9735>セコム {簡易郵便局やATMの警備を受託}


・かんぽ生命<7181>

全国2万4000の郵便局ネットワークを持つ「かんぽ生命」が独立企業となることで、第一生命<8750>や東京海上ホールディングス<8766>、T&Dホールディングス<8795>など大手保険会社は戦々恐々となる。需給要因としては、機関投資家はファンドに組み入れることが確実であるため、まずは現在保有している同業の株式の保有数を調整し、かんぽ生命の取得資金を捻出する。これは機械的に行われるため、同業他社の株価に影響を与えることになろう。とはいえ、組入れ後は各企業の成長性や株価等を考慮して比率が変更されることになるため、組入れ終了後には割安感が意識されやすい第一生命等への見直しに向かう可能性があると考える。

一方でメリットが期待される企業もある。競争激化により様々な保険商品が出てくる可能性があるため、保険比較サイトへのニーズの高まりや、全国50箇所で運営する「かんぽの宿」関連、利益追求の流れからTVCM・広告や地域でのキャンペーン展開への思惑にもつながりそうだ。

<2193>クックパッド {期間限定のメニュー展開でコラボレーション}
<4324>電通 {日本郵便と共同出資しJPメディアダイレクトを設立}
<4755>楽天 {楽天トラベル、日本郵便と連携}
<6098>リクルートホールディングス {日本最大級の宿・ホテル予約サイト「じゃらん」}
<8686>アフラック・インコーポレーテッド(東証外国部) {かんぽ生命が「がん保険」の受託販売}
<8798>アドバンスクリエイト {日本最大級の保険比較サイト「保険市場」}
<9020>JR東日本 {「JRで行くかんぽの宿」}
<9603>エイチ・アイ・エス {格安旅行大手}

《SY》

 提供:フィスコ

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