貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9468 KADOKAWA

東証P
2,813.5円
前日比
+29.0
+1.04%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
51.1 2.02 1.07 2.69
時価総額 3,989億円
比較される銘柄
ラインヤフー, 
ディーエヌエ, 
NTT
決算発表予定日

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はてな Research Memo(3):ユーザーがコンテンツを作成し、他のユーザーが閲覧するUGCサービスをビジネス化


■事業概要

1. コンテンツプラットフォームサービス
コンテンツプラットフォームサービスでは、ユーザーがコンテンツを発信・拡散するUGCサービスとして「はてなブックマーク」、「はてなブログ」、等のサービスを展開している。任意のWebページにユーザーがコメントを簡潔に付けることができる「はてなブックマーク」があることで、「はてなブログ」の記事に他のユーザーの意見や批評が集まりやすいという特徴があり、長い文章や論考、コラムのようなものが発信される割合が高くなっている。これらのサービスを通じてコミュニティが形成され、他社には簡単にまねのできないものとなっており、はてな<3930>の優位性の源泉となっている。収益としては、有料サービスの利用料とアフィリエイト広告収入であり、アフィリエイト広告はブログの無料ユーザーに対して当社が広告を掲載することで収益を確保している。内訳は公表されていないが、多くは広告収入とのことである。

ユーザーに関する指標を見ると、登録ユーザー数、ユニークブラウザ数が成長を続けており、利用者が増加することで広告収入も増加し、収益が右肩上がりで増加している。

主要サービスは以下の3種類である。

(1) 人力検索はてな
2001年にサービス開始。質問やアンケートを通じて疑問を解決するナレッジコミュニティサービスの草分けで、はてなの最初のサービスでもあり、社名の由来となっている。検索エンジンで解決できない疑問がある時や、簡単に統計を取りたい時に有用なQ&Aサービスであり、他のユーザーに対して、簡単に質問したりアンケートを実施できる。

(2) はてなブックマーク
2005年にサービス開始した、国内最大級のソーシャルブックマークサービスで、気になったWebページを、感想やタグとともに、オンライン上で簡単に管理できる。ブックマークを共有することにより、インターネット上で盛り上がっている話題を知ることができる。

(3) はてなブログ
2013年に開始したサービスであるが、2003年3月よりサービス開始した「はてなダイアリー」の後継サービスであり、実質10年以上の歴史がある。シンプルでモダンなデザインに、執筆を助ける機能が充実したブログサービスで、長い文章をじっくり書いて発信したいハイエンドブロガー向けであり、画像・動画やTwitterなどを簡単に貼り付けることができ、様々な表現が可能。

2. コンテンツマーケティングサービス
コンテンツマーケティングサービスではUGCサービスで培ったシステム・ノウハウを生かし、オウンドメディア構築のためのCMSやオウンドメディアに集客するための広告サービス等を提供している。「はてなブログMedia」は企業向けCMSを、オウンドメディアを構築・運用したいクライアント企業に提供する際に支援するサービスである。

収益は「はてなブログMedia」のシステム利用料やコンテンツ作成支援料、ネイティブ広告・バナー広告・タイアップ広告収入であり、具体的な割合は非公表である。

「はてなブログMedia」の運用数は順調に増加しており、売上げも順調に増加傾向にある。

3. テクノロジーソリューションサービス
UGCサービスで蓄積してきた技術力やノウハウを活用し、オウンドメディアをスクラッチで構築する受託サービスや、データを分析してクライアント企業にSaaS提供するビッグデータサービス(アドテクノロジーサービス、クラウド支援サービス)を展開している。

(1) 受託サービス
オウンドメディア構築による、コンテンツマーケティングサービスとは別にユーザー企業独自のシステム開発・運用を受託するサービスである。クライアントからの受託開発料および保守・運用が収益を上げており、任天堂<7974>、(株)集英社、角川書店(カドカワ<9468>)、など大手企業のシステムを受託している。

(2) ビッグデータサービス
アドテクノロジーサービスとして「BrandSafeはてな」があり、クラウド支援サービスとして「Mackerel」がある。

a) BrandSafeはてな
「はてなブックマーク」で使用しているサイト判定アルゴリズムを元に開発したURL判定システムを用い、ブランド保護の観点から広告を配信するのに不適切なページを自動判定が可能である。DSP※などの広告配信事業者のサービスに搭載することで、リアルタイムかつ高精度に配信先を判別し、不適切なサイトに広告が配信されないようにすることが可能。

※DSP=Demand-Side Platform:広告出稿の費用対効果を高めたい広告主のためのサービス。


b) Mackerel
「Mackerel」はクラウドサービスやデータセンターで稼働するサーバーやアプリケーションなどを簡単に管理することが出来るSaaS型の監視ツールであり、エンドユーザーに提供するほか、クラウド事業者向けにも提供している。使いやすいUIと効率的なAPIにより総合的な監視体験と、より自動化されたインフラ基盤の構築を可能にする。従来より監視ツールは、ユーザーが個別に構築して運用する事が多くあるが、継続的に一定の投資を行うことが難しく、監視ツールが陳腐化したことにより、急速に進化するクラウドサービスなどへの追従が難しく、先進的なテクノロジーを活用した効率的なシステムを展開することを阻害するケースが多数発生している。「Mackerel」を活用することで、監視ツールそのものを個別に管理する手間から開放され、急速に進化するクラウドサービスなどを活用した本業ビジネスへ注力することが可能となる。

類似商品がほぼ無いため、同社では国内でSaaS型サーバー監視サービス提供の先行者のポジションを確立中である。Web企業、ゲーム制作企業やアドテク企業での導入が顕著だが、エンタープライズ領域における利用も試行されている。監視には過去情報含めたデータ分析が重要なため、解約しづらく、サーバー増設に伴い顧客単価が増加する傾向もある。サイバーエージェント<4751>、任天堂(株)<7974>、GMOペパボ(株)<3633>、freee(株)、(株)バンダイナムコスタジオ、(株)メルカリ、富士通クラウドテクノロジーズ(株)、KDDI(株)<9433>、ビッグローブ(株)等多くの企業で活用されており、導入顧客数が右肩上がりで増加している。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 内山 崇行)

《TN》

 提供:フィスコ

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