貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9468 KADOKAWA

東証P
2,740.5円
前日比
-71.5
-2.54%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
49.7 1.97 1.09 3.03
時価総額 3,886億円
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決算発表予定日

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カドカワ Research Memo(6):長期借入を実施したものの自己資本比率は40%台を維持


■カドカワ<9468>の業績動向

(3)財政状態

貸借対照表を見ると、2016年9月末の総資産は前期末に比べ31,990百万円増加し、233,599百万円となった。内訳を見ると、流動資産が同29,562百万円増の161,389百万円となったほか、固定資産も同2,429百万円増の72,210百万円へ増加した。流動資産の増加は、売上債権の減少5,775百万円があったものの、長期借入れによる収入等により現金及び預金の増加35,834百万円があったことが主要因。また、固定資産の増加は主にYen Pressを連結子会社化したことによるのれんの増加647百万円などにより無形固定資産の増加1,719百万円があったためだ。

負債合計は127,218百万円となり前期末に比べ30,135百万円増加した。流動負債は前期末比9,387百万円減の52,027百万円へ減少したものの、固定負債が同39,523百万円増の75,146百万円となったことによる。なお、流動負債の減少は、買入債務の減少3,819百万円、返品引当金の減少1,315百万円などが主要因。一方、固定負債の増加は、8月に長期借入※を行ったことにより長期借入金が前期末に比べ38,960百万円増加したことによる。

※借入コミットメントラインの手数料を金利負担が下回るような低金利環境を生かし、同社が長期運転資金を確保する目的で15,000百万円(借入期間7年、利率:基準金利+スプレッド)の借入を行ったほか、KADOKAWAでも既存の借入10,000百万円及びコミットメントライン契約(極度金額15,000百万円)を見直し、金融費用を削減することを目的として期限前返済及びコミットメントライン契約の解約並びに25,000百万円(同社と同条件)の借入を行った。

純資産は前期末に比べて1,854百万円増加し106,381百万円となった。これは、配当金の支払等による資本剰余金の減少1,186百万円、円高による為替調整勘定の減少によるその他包括利益累計額の減少397百万円のマイナス要因があったものの、親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加2,795百万円があったことによる。

キャッシュ・フローの状況について見ると、2016年9月末の現金及び現金同等物は前期末比35,791百万円増加し87,966百万円となった。営業キャッシュ・フローは、仕入債務の減少3,707百万円、前受金の減少2,477百万円などのマイナス要因があったものの、売上債権の減少5,728百万円、税金等調整前四半期純利益4,002百万円の計上等により、2,081百万円の収入となった。投資キャッシュ・フローは、有形固定資産(1,965百万円)及び無形固定資産(1,091百万円)の取得による支出、連結の範囲の変更を伴う子会社持分の取得による支出1,039百万円等により、3,515百万円の支出となった。財務キャッシュ・フローは長期借入れによる収入等により、37,998百万円の収入となった。

経営指標を見ると、健全性をあらわす自己資本比率は長期借入を行ったことにより前期末の51.4%から44.9%へ低下したものの、流動比率は、長期借入による現金及び預金の増加に伴い流動資産が増加する一方で買入債務の減少等により流動負債が減少したことから、前期末の214.5%から309.9%へ上昇した。また、D/Eレシオも長期借入の影響により前期末の28.3%から65.2%へ上昇したものの、問題となる水準ではない。一方、収益性を表す営業利益率は出版事業の好調による第2四半期累計期間業績を反映し前年同期の3.7%から4.4%へ改善した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

《HN》

 提供:フィスコ

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