貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9468 KADOKAWA

東証P
2,740.5円
前日比
-71.5
-2.54%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
49.7 1.97 1.09 3.03
時価総額 3,886億円
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決算発表予定日

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カドカワ Research Memo(1):主力の出版事業の大幅増益で通期業績予想を上方修正


カドカワ<9468>は、大手出版社の(株)KADOKAWAと日本最大級の動画サービス「niconico」を運営する(株)ドワンゴが経営統合し2014年10月に誕生したメガコンテンツ・パブリシャーであると同時にデジタルコンテンツ・プラットフォーマーでもある総合メディア提供会社。書籍・電子書籍、雑誌・広告、映像の企画・製作・配信、動画サービス、モバイルコンテンツ配信、ゲームソフトウェアの企画・開発・販売、ネット上の学習サービスや専門学校の運営など幅広い事業を展開する。

2017年3月期第2四半期累計(4月?9月)の連結業績は、売上高が前年同期比6.2%増の99,795百万円、営業利益は同26.1%増の4,419百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益は同57.8%増の3,020百万円と増収、2ケタ増益となった。電子書籍・雑誌が好調に推移したほか、ライトノベルの復調、メディアミックス作品の好調持続、映画「君の名は。」関連書籍の販売好調などから、紙書籍が想定を上回り、出版事業が大幅増益となったことが要因。

同社では第2四半期累計期間の業績が紙書籍を中心に想定を上回ったことを手掛かりに、2017年3月期の期初会社計画(売上高200,000百万円、営業利益3,100百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,750百万円)を売上高202,000百万円(前期比0.5%増)、営業利益6,000百万円(同34.2%減)、親会社株主に帰属する当期純利益4,000百万円(同41.6%減)へ、売上高、利益ともに上方修正した。

弊社では、1) Webサービス事業ではスマートフォン向けの新サービスが2018年3月期にずれ込んだマイナス要因があるものの、順調に拡大しているニコニコチャンネルの月額有料会員の成長ペースが加速する、niconicoのリニューアル(高画質化対応など)の効果が顕在化する、2)出版事業では、KADOKAWAのワンカンパニー制による収益力の高位安定が継続する、3)映像・ゲーム事業では、映画「君の名は。」のロングラン化による配給収入の上乗せに加えて、第3四半期(10月?12月)の「劇場版 艦これ」や、TV放映アニメ「文豪ストレイドッグス」などのメディアミックス作品による収益貢献が期待できる??などを考慮すると、会社計画は保守的であると見る。

同社は、中期ビジョンで2019年3月期の営業利益18,000~20,000百万円を達成するという目標を打ち出している。弊社は、今回の決算内容について、出版事業のワンカンパニー制による収益力の高位安定が鮮明になってきたことや、小説投稿サイト「カクヨム」が成長して作品が出版されること、「闘会議2016」の会場来場者、ネット来場者とも前年を上回り日本のゲーム市場の更なる拡大に貢献していることに見られるように、経営統合のシナジーが着実に進展していることを裏付けるものと評価する。これらに新規事業の開始や既存事業の業態転換のための積極的な投資による効果が相まって、同社の成長ペースが加速することになると弊社では見ている。このため、引き続き積極的な投資の進捗について注目する。

■Check Point
・2017年3月期第2四半期累計決算は、主力の出版事業が映画「君の名は。」関連書籍の貢献もあり大幅増益を記録
・小説投稿サイト「カクヨム」や「闘会議」に見られるような統合シナジーが顕在化
・スマートフォン向けの新サービスの開始は後ずれしたものの、新規事業開始や既存事業の業態変更のための積極投資はおおむね順調に進捗

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

《HN》

 提供:フィスコ

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