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証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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9435 光通信

東証P
24,695円
前日比
-405
-1.61%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
12.8 1.60 2.36 11.34
時価総額 11,125億円
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ティーガイア, 
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決算発表予定日

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Pウォーター Research Memo(2):宅配水トップ3社の一角。強みは「非加熱天然水の製造」×「顧客獲得力」


■会社概要

1. 会社概要と沿革
プレミアムウォーターホールディングス<2588>は2006年、宅配水ビジネスの成長性に注目した(株)リヴァンプの玉塚元一(たまつかげんいち)氏(現ローソン<2651>顧問)、機関投資家の藤野英人(ふじのひでと)氏(現取締役)、(株)日本テクノロジーベンチャーパートナーズ代表の村口和孝(むらぐちかずたか)氏(現取締役)の3人が中心となって設立された(旧社名:ウォーターダイレクト)。創業当初からSPA型※の経営を志向しており、ウォーターサーバーの自社設計から、製造、販売、顧客へのアフターサービスまで自社で完結することで、顧客ニーズを迅速に把握し、商品開発や販売方法に生かす戦略を採ってきた。2007年に家電量販店の(株)ヨドバシカメラでデモンストレーション販売(以下、デモ販売)を開始したのを皮切りに、全国的に大手小売店でのデモ販売を展開し顧客件数も順調に拡大してきた。2009年9月期に黒字化を達成、以降も成長を続け2013年に東証マザーズ上場、2014年には東証2部に昇格している。2016年7月に同じ光通信<9435>のグループであるエフエルシーと経営統合し、プレミアムウォーターホールディングスとして再スタートを切った。新会社を率いるのは、エフエルシーを起業しプロモーション営業力で国内トップクラスに引き上げた実績を持つ萩尾陽平代表取締役社長だ。天然水の製造力No.1の旧ウォーターダイレクトと営業力No.1のエフエルシーが統合することで、宅配水業界トップ3の中でも圧倒的な成長力を持つ企業が誕生した。

※SPA型:商品企画から製造、販売までを垂直統合させることでSCMの無駄を省き、消費者ニーズに迅速に対応できるビジネスモデルのことで「Speciality store retailer of Private label Apparel」の頭文字を採った造語。


2. プロセスと強み
同社のビジネスプロセスは大きく分けると採水、製造、販売、製品特徴の4段階になっており、各段階で独自の強みが存在する。

(1) 採水
同社は創業から富士山の天然水を看板商品としてきており、これがブランド力の源泉になっている。その後、徐々に水源を多様化し、現在では九州・南阿蘇と島根・金城を合わせて3ヶ所となっている。同社独自の高い品質基準をクリアしなければ採水地として合格しないため、候補地は増えてこなかった。特に硝酸・亜硝酸値の基準、水質、ミネラルバランス、水量などにはこだわりを持つ。

(2) 製造
製造及び品質管理における能力の高さを物語るのは、「2006年の創業以来10年品質問題ゼロ」という実績である。また、OEMも含めて、宅配水業界で最大の出荷量を誇り、PET容器をはじめ内製化が完了しているため、製造コストが低減できている。

(3) 販売
同社は大手家電量販店や大手ショッピングセンターでのプロモーション販売を中心に営業を展開している。旧エフエルシーの営業ノウハウが新会社に伝播し、顧客獲得力は業界No.1である。営業人員をやる気にさせるのは、フェアな評価制度と充実した教育である。30代で陣頭指揮を執る萩尾社長が若いだけに、若くして組織を任されるためモチベーションが高い。

(4) 製品特徴
業界ではツーウェイ&自社配送を行う企業もあるなか、同社は宅配業者に委託し、ワンウェイの使い捨て容器での提供を行っている。昨今は宅配業者の単価値上げ圧力もあるが、まだコスト的にはワンウェイが優位であると推定される。

3. ビジネスモデル
ビジネスモデルは「投資回収型ストックビジネスモデル」であり、ウォーターサーバーの原価やデモンストレーション販売の費用(1顧客当たり数万円)を会社側が最初に負担し、天然水の売上で徐々に回収していく。新規顧客を一気に増やす時期は損失になるが、その後回収が進んでくると大きく黒字に転換するという事業特性である。契約期間は最低3年プランが中心となり、契約期間中に習慣化されて3年以降も利用する顧客が主流である。

4. KPI(重要管理指標)の推移
同社はKPI(重要管理指標)として、新規獲得件数、解約率、保有契約件数を設定し、進捗を確認している。新規獲得件数に関しては、2016年7月の経営統合を契機に毎月約1万件上乗せし、1万6000件を超えて順調に推移している。統合の狙いでもあった営業力強化の効果が統合直後から出た形であり、10ヶ月以上持続している。解約率は2016年3月期に2.0%前後だったが、2017年3月には1.2%に低下してきている。これは3年パックプランの推進を強化したことが主な要因である。結果として、保有契約件数は2017年4月末には484千件に達している(通期目標は440千件)。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《TN》

 提供:フィスコ

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