貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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9433 KDDI

東証P
4,355円
前日比
-30
-0.68%
PTS
4,343円
23:07 04/24
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.3 1.75 3.21 17.86
時価総額 10283億円
比較される銘柄
NTT, 
SBG, 
SB
決算発表予定日

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KDDI Research Memo(6):3期連続して2ケタ営業増益を達成


■業績動向

(2) 2016年3月期業績

KDDI<9433>の3ヶ年の中期目標の最終年度である2016年3月期連結業績(国際会計基準)は、売上高が前期比4.6%増の4兆4,661億円、営業利益は同25.1%増の8,325億円、親会社の所有者に帰属する当期利益は同25.0%増の4,948億円と、増収、2ケタ営業増益となり、営業利益は3期連続して2ケタ成長を達成した。

増収となったのは、3M(マルチユース、マルチデバイス、マルチネットワーク)戦略の推進に伴い、主力のパーソナルセグメントが、au契約数の増加(前期比175万契約増)とau通信ARPAの増加(同160円増)等による通信料収入の増加や端末販売収入の増加などにより、堅調に推移したことが主要因。また、バリューセグメントがauスマートパスなどの利用の増加や、子会社の寄与などにより拡大したこともプラス寄与した。

売上高の増加に伴い売上総利益は同9.5%増の1兆9,258億円となったほか、売上総利益率はau通信ARPAが増加したことにより前期の41.2%から43.1%へ上昇した。一方、販管費は経費抑制により前期並みの水準にとどまったために、営業利益は前期比25.1%増の大幅増益となり、営業利益率は18.6%と前期に比べ3.0ポイント上昇した。

会社計画(売上高4兆4,000億円、営業利益8,200億円、親会社の所有者に帰属する当期利益4,900億円)対比では、売上高、利益ともに会社計画を上回った。付加価値ARPAが予想を下回ったためにバリューセグメントが売上高、営業利益ともに計画を下回ったものの、パーソナルセグメントが契約数や端末販売が好調に推移したことで計画を上回ったことに加えて、ビジネスセグメントが想定したほど落ち込まなかったことが、バリューセグメントの下振れをカバーしたことによる。

a)パーソナルセグメント
売上高は同5.2%増の3兆5,033億円、営業利益は同20.1%増の6,566億円と増収・2ケタ営業増益を確保した。これは、3M戦略の推進に伴うモバイル通信料収入の増加と端末販売収入の増加が増収・増益の原動力となった。

モバイル通信事業の状況について見ると、au純増数(新規契約数から解約数を差し引いた契約数)は1,754千台となった。auスマートバリューを契機とするスマートフォンの新規契約増加に加えて、マルチデバイス化の推進に伴うタブレットやルーターなどの新規契約増加が主要因。2016年3月末におけるauスマートバリューの累計契約数は11,550千契約(前期末は9,330千契約)、世帯数は5,720千世帯(同4,590千世帯)へ増加した。なお、auスマートバリューの対象となる提携事業者数はFTTHが7社(同社を含む)、CATVが143社238局(前期末は138社232局)となった。

au通信ARPAは前期比160円増加し5,690円となった。マルチデバイス化の推進により1人当たりのモバイルデバイス数は0.04台増の1.41台へ増加した。au端末販売台数は前期比470千台減の9,380千台へ減少した。

固定通信事業について見ると、FTTH契約数は前期末から264千契約増加し、累計3,699千契約となった。主な増加要因は、auスマートバリューへの契約を契機とする新規契約増加と解約抑止効果によるものだ。

b)バリューセグメント
売上高は同14.3%増の2,718億円、営業利益は同40.1%増の738億円と、2ケタ増収・営業増益を確保した。auスマートパスなどの利用の増加に加えて、KDDIフィナンシャルサービスの収入増加、ジュピターショップチャンネルの新規連結化(2016年3月)の影響などにより、増収・増益を記録した。

付加価値ARPAは、前期比20円増加し440円となった。これは、auスマートパスの会員数が前期末比1,580千人増加の14,470千人と順調に増加したことに加えて、auかんたん決済やau WALLETの手数料収入、au WALLET Marketの物販収入が増加したことによる。

c)ビジネスセグメント
売上高は同4.1%減の6,320億円、営業利益は同19.0%減の614億円と減収、2ケタ減益となった。減収となったのは、音声定額プランの浸透などによる音声ARPU減少トレンドや、固定通信のレガシー系音声収入の減少などもあり、モバイル及び固定通信料収入の減少がマイナス要因として働いたことによる。もっとも、法人「3M戦略」を積極的に推進、大企業から中小企業まで幅広い法人ユーザー基盤の強化、拡大に注力しており、ITアウトソーシングなどのソリューションの売上高は拡大傾向にある。

営業減益となったのは、費用面で販売手数料や通信設備使用料等が減少するプラス材料があったものの、売上高の減少をカバーできなかったためだ。

d)グローバルセグメント
売上高は同5.5%増の2,944億円、営業利益は321億円へ黒字転換(前期は153億円の損失)した。増収となったのは、ミャンマー通信事業やデータセンター事業等の収入の増加が主要因。一方、黒字転換したのは、前期に海外子会社DMX Technologies Group Limitedの事業損失338億円を計上した反動増に加えて、売上高増加による利益増がプラス寄与した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

《HN》

 提供:フィスコ

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