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エスプール Research Memo(2):ビジネスソリューション事業と人材ソリューション事業の2事業を展開


■事業概要

エスプール<2471>の事業セグメントは、ビジネスソリューション事業と人材ソリューション事業の2つに区分されている。2017年11月期の事業セグメント別構成比で見ると、売上高では人材ソリューション事業が65.9%と過半を占めているが、セグメント利益はビジネスソリューション事業が51.7%と過半を占めている。付加価値の高い事業が同事業セグメントに含まれていることが要因だ。セグメント別の事業内容は以下のとおり。

1. ビジネスソリューション事業
ビジネスソリューション事業には、障がい者雇用支援サービス、ロジスティクスアウトソーシング、フィールドマーケティングサービス、セールスサポートサービスのほか、新規事業となるプロフェショナル人材バンク(顧問派遣サービス)やアルバイトの採用支援サービスなどが含まれる。2017年11月期の売上構成比で見ると、障がい者雇用支援サービスが約33%、ロジスティクスアウトソーシングサービスが約30%、フィールドマーケティングサービスが約15%、セールスサポートサービスが約14%となっており、残りを新規事業で占めている。また、利益構成で見ると、障がい者雇用支援サービスが同事業セグメントの約85%を占める主力事業となっている。

子会社の(株)エスプールプラスで展開する障がい者雇用支援サービスは、企業の障がい者雇用をサポートするビジネスとなる。同社が賃借した土地で養液栽培施設を構築し、「わーくはぴねす農園」として企業に貸出すことに加えて、当該農園に従事する障がい者やその管理者を紹介することで収入を得るビジネスモデルとなっている。2010年の事業開始以降、2017年11月までに千葉県内に7ヶ所(市原第1・2ファーム、茂原第1・2ファーム、千葉わかばファーム、船橋ファーム、柏第1ファーム)、愛知県に1ヶ所(あいち豊明ファーム)の農園を開設し、契約企業数は136社、障がい者雇用人員は668名に達している。

同サービスの売上高は、契約時に得られる農園の設備販売収入(養液栽培設備の販売)のほか、農園管理収入や就業する障がい者、管理者の人材紹介料で構成されている。基本的なモデルとしては、約3千坪の農園で養液栽培設備を同社が構築し、120区画に分割して契約企業に設備機器を販売するとともに、農園に勤務する就業者を教育訓練を行った上で紹介し、月々の運営管理料を得るビジネスモデルとなっている。1社当たり平均の契約区画数は約10区画で、障がい者1人当たり2区画を担当するため、障がい者雇用数で見れば1社当たり平均で5人の障がい者と1人の管理者を採用することになる。就業者の定着率は95%以上と極めて高く、契約企業からの評価も高い。また、地域における障がい者雇用の創出や土地の有効活用といった面から、最近では地方自治体からの問い合わせも増えてきている。

子会社の(株)エスプールロジスティクスで展開するロジスティクスアウトソーシングは、主にEC事業者向けの商品発送代行業務と、卸売業者や物流業者などの物流センターにおいて業務の全部または一部分を請け負う運営代行業務の2つの事業を行っている。2015年11月期までは運営代行業務の売上高が大きかったが、採算性が低いことから、2016年11月期以降はEC事業者向けの商品発送代行業務に注力していく方針を打ち出し、事業構造の転換に取り組んでいる。商品発送代行業務では、平和島センター(東京都大田区、2009年11月開設、800坪)、つくばセンター(茨城県つくば市、2013年9月開設、1,000坪)、葛西センター(東京都江戸川区、2017年1月開設、1,100坪)の3拠点で運営していたが、事業拡大を図るため2017年12月に品川新センター(東京都港区、2,300坪)を開設、手狭になった平和島センターの業務を2018年2月頃までにすべて新センターに移管する予定となっている。なお、平和島センターについては他企業に賃貸する予定となっている。

子会社の(株)エスプールエンジニアリングで展開するフィールドマーケティングサービスでは、電気通信工事業務のほか、フィールドワーク業務(電波調査、走行・歩行調査)を行っている。2015年11月期より東京電力ホールディングス<9501>管内で開始したスマートメーター設置業務(電波調査や機器の設置・交換等)については2017年11月末で業務を終了しており、現在はガス関連の類似業務を若干程度行っている程度となっている。

子会社の(株)エスプールセールスサポートで展開するセールスサポートサービスは、クレジットカードや宅配水、タバコ等の販売支援を商業施設で行う対面型販売促進支援業務や、メーカー担当者に代わって小売店を巡回するマーチャンダイジング業務、各種キャンペーンやプロモーションの運営サポート業務等を行っている。

その他の新規事業として位置付けている事業についてはエスプール本体で行っている。主に上場企業等の役員クラス経験者や専門知識を有する有資格者等の人材を、中小企業やベンチャー企業向けに派遣または紹介するプロフェショナル人材バンクサービス、及び2016年11月期より開始したアルバイト・パート等の採用支援サービス「Omusubi(オムスビ)」等がある。なお、採用支援サービスについてはツナグ・ソリューションズ<6551>と2017年10月に業務提携を発表し、今後は共同で営業展開していく計画で、アルバイト・パート等の採用代行領域では業界トップシェアを握ることになる。主に求人募集代行業務をツナグ・ソリューションズが担当し、同社がコールセンターによる応募受付代行を担当する格好となる。

2. 人材ソリューション事業
人材ソリューション事業は、人材アウトソーシングサービスを主力とする子会社の(株)エスプールヒューマンソリューションズで展開する事業で、主にコールセンター業務や携帯電話、家電製品等の店頭販売支援業務への人材派遣サービスを行っている。2017年11月期の売上構成比では、コールセンター業務が約73%、店頭販売支援業務が約23%となり、残りがその他の派遣サービスとなっている。

北海道から沖縄まで主要都市に事業所を14拠点開設している。コールセンター業務への人材サービスの主力顧客としては、りらいあコミュニケーションズ<4708>やベルシステム24ホールディングス<6183>が挙げられる。また、店頭販売支援業務ではコネクシオ<9422>やソフトバンクモバイル(ソフトバンクグループ<9984>)のほか、家電量販店が主力顧客となっている。

なお、同社グループは2017年11月時点で、連結子会社5社で構成されており、エスプール本体は持ち株会社及び新規事業開発の機能を担っている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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