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2016年09月02日16時20分

ビジョン Research Memo(5):グローバルWiFi事業は日本市場での成長をベースに海外間への展開を図る


■中期的な成長戦略と2016年に入ってからの具体的な取り組み状況

(1)中期的な成長戦略

ビジョン<9416>は、中期経営計画・目標は公表していないが、「世の中の情報通信産業革命に貢献する」という経営理念に沿って、主要2事業の成長戦略を着実に実行することにより、永続的な成長を目指している。その具体的な成長戦略の概要は以下のとおり。

○グローバルWiFi事業
グローバルWiFi事業においては、市場を第1ステージ:アウトバウンド(日本から海外へ渡航する人)の展開、第2ステージ:インバウンド(訪日客。海外から日本へ渡航する人)の展開、第3ステージ:海外から海外へ渡航する人の展開、の3つのステージに区分し、各ステージに応じたグローバル展開を目指している。

それぞれ市場について見ると、足元の主力となっている第1ステージのアウトバウンド市場は日本人の海外旅行者数は年間1,700万人前後で安定的に推移している。一方、第2ステージのインバウンド市場である訪日外国人旅行者数は足元では年間2,000万人規模まで成長してきたが、2020年に4,000万人を目指す政府目標が打ち出されており、更なる成長が見込まれる市場となっている。最後に、第3ステージである世界の海外渡航者数の市場規模は年間12億人規模の巨大市場。同社のユーザーの利用額をもとに算出した潜在市場規模(第1ステージ約1,190億円、第2ステージ約1,400億円、第3ステージ約8兆4,000億円)と同社のそれぞれの実績を比較すると、現在主力のアウトバウンド市場でも拡大余地は大きい。

具体的な戦略として、第1ステージ向けには法人営業を強化することに加えて、第1・第2ステージ向けでは利便性の向上とタッチポイントの増設による顧客獲得を目指す。具体的には受取り待ちの時間ゼロ化を図るスマートピックアップの面展開を進めるほか、観光案内所、空港カウンターの増設、宿泊施設のレンタル拠点化を拡大する。これにより、一段のシェアアップを図るとともに、メディアサービスやデータ提供サービスによりユーザー1人当たりのARPU(顧客当たり単価)のかさ上げを図る戦略。

第3ステージに関しては、既存進出先である韓国、中国、台湾、シンガポールを始めアジア地域の深耕を進める。その他の地域に関しては闇雲に進出するのではなく、米国のような巨大市場に的を絞った展開をイメージしている。この戦略の一環として、今年7月に米国子会社をロサンゼルスに設立(年内に営業を開始する予定)。今後については、ニューヨーク、シカゴなどの大都市地域への展開を図る予定。

○情報通信サービス事業
情報通信サービス事業では、顧客企業の成長ステージに合わせ最適なサービスを最適なタイミングで提供するために、販売チャネルの更なる強化を図る。

(2) 2016年に入ってからの具体的な取り組み状況

今年に入ってからの成長戦略における事業別の具体的な取り組みは以下のとおり。

○グローバルWiFi事業
a)ユーザーの利便性、快適性向上
まず、高速通信規格4G-LTEの提供エリア拡大※のほか、スマートピックアップの開始やタッチポイントの増設等によりユーザーの利便性・快適性の向上を図るさまざまな取り組みを行っている。

※高速通信規格4G-LTEの提供エリア拡大に関しては、アラブ首長国連邦(1月~)、ニュージーランド(2月~)、中国(3月~)、ブラジル(4月~)、ロシア(モスクワ)、スロバキア、スロベニア、カンボジア(6月~)、ラトビア、リトアニア(7月~)で提供を開始し、エリア数は7月15日現在で業界最多クラスの53の国と地域へ拡大した。さらに、6月8日からアメリカ向けに1日のデータ通信利用量を1GBまで保証する新プラン「アメリカ4G-LTE超大容量」の提供を開始したほか、心に留まった風景・シーンを簡単操作により全天球で丸ごと撮影できる360°カメラ「RICOH THETA S」のレンタルをグローバルWiFiのオプションサービスとして7月20日から開始している。

スマートピックアップはWi-Fiルーター受渡し時のオペレーション軽減及び空港カウンター混雑緩和を狙ったサービスで、2016年4月の「グロバールWiFi」羽田空港カウンター全面リニューアルオープンに併せてスマートフォンを利用した受取専用ロッカー「スマートピックアップ」を設置した。加えて、タッチポイント増設に関しては、インバウンド(訪日外国人旅行者)の取り込み強化を狙い、富士山静岡空港(4月~)、関西国際空港追加出店(4月~)など、地方空港を中心に増設を進めており、空港・港カウンターは7月現在で合計13ヶ所となった。加えて、地方自治体との取り組みも強化しており、観光案内所を含めた展開先は、静岡市、三重県内4ヶ所(4月~)、高知県内4ヶ所(7月~)など合計16ヶ所(7月現在)へ拡大している。

b)情報メディア
インバウンドを含む海外渡航者に有益で使い勝手の良い情報を提供するメディアサービス・プラットフォームを構築し、新たなサービスの柱をアドオンする取り組みも行っている。今年2月からWiFiルーターポーチに「おもてなしクーポン」を同梱し始めたほか、デジタルメディア化を推進し情報解析・提供サービスを展開する予定であるほか、ガイドブック(フリーペーパー)である「NINJA WiFi Travel Guide “SHINOBI”」を9月から発刊する予定になっている。「SHINOBI」のビジネスモデルは掲載希望者(企業・店舗・地方観光地・施設関係者)への広告モデルで、「NINJA WiFi」の利用者へ直接配布されるため、掲載者には、1)FIT(個人旅行客)にリーチできる稀少手段である、2)「NINJA WiFi」によるモバイル環境があるため、アクション(来店、予約、申込等)率が高い、3)直接手渡し(初回10万部)、4)配布場所(同社の空港カウンター、観光案内所、施設、韓国・台湾の同社営業拠点等)が多い、などのメリットがある。

c)海外展開
海外拠点の整備、拡大にも注力している。同社は韓国、台湾、香港に拠点を設立、保有しているほか、タイや台湾では海外フランチャイジーとの展開を行っている。これらを中心に海外のボリュームは拡大が進展しており、日本の成長ペースを大きく上回っている。さらに、7月には米国カリフォルニア(ロサンゼルス)に子会社VISION MOBILE USA CORP.を設立済で、年内のサービス開始を目指しているほか、ニューカレドニアにも子会社を設立している(8月登記完了)。

d)戦略的アライアンス
事業シナジーが見込める事業領域において、関連各社への出資、業務提携を積極的に行っている。出資に関してみると、2月にグローバルパートナーズ(株)(中東地域におけるパートナー)、5月に(株)BUZZPORT(旅行付加価値提案・顧客創出)、(株)インヴァランス(民泊への取り組み)と、合計3社に対して出資を行った。

一方、オンライン旅行事業、訪日旅行事業とITオフショア開発事業を手掛けるエボラブルアジア<6191>と6月に情報通信サービス事業を含めた同社顧客へのサービス拡充、及び相互送客を図るという戦略的業務提携を締結した。具体的な内容は、1)同社の法人ユーザーにエボラブルアジアのBTM(ビジネストラベルマネジメント)※1サービスとITオフショア開発を紹介、2)同社の法人及び個人ユーザーに対してオンライン予約サイト「TRITRA (TRIP & TRAVEL TICKET)」※2で出張・旅行手配の手配を行う。

※1 Business Travel Managementとは、企業の出張に関わる手配のすべてを旅行会社が一元管理し、企業の出張状況を正確に分析することで、質の高い出張手配、経費削減、業務効率向上を生み出すシステム。
※2同社が運営する割安な料金で国内・海外旅行を提供するオンライン予約サイトで8月2日にオープン。

○情報通信サービス事業

同社のユーザー企業の事業活動支援力の向上を図るため、6月には(株)ハルエネと協業による新電力サービス「ハルエネでんき」の販売を開始した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正 )

《HN》

 提供:フィスコ

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