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宇徳 Research Memo(6):2018年3月期第2四半期は、貸倒引当金の設定がなければ大幅な経常増益


■業績動向

1. 2018年3月期第2四半期の連結業績
(1) 業績概要
宇徳<9358>の2018年3月期第2四半期の連結業績は、営業収入が前年同期比20.2%増の27,733百万円、営業利益が同23.7%増の1,414百万円、経常利益が同19.5%増の1,485百万円、親会社株主に帰属する四半期純利益が同16.7%減の900百万円となった。計画比では、営業収入が1.7%減、営業利益が1.0%増、経常利益は1.0%減とほぼ予想並みとなった。四半期純利益は、計画を10.0%下回った。

(2) 事業別動向
a) 港湾事業
当第2四半期における港湾事業の営業収入は前年同期比8.1%増の11,648百万円、経常利益は同29.5%増の1,168百万円となった。営業収入経常利益率は、前年同期の8.4%から10.0%へ向上した。コンテナ貨物の取扱量は、アジア航路コンテナ貨物が堅調に推移した。修理・モニタリングなどのコンテナ関連業務の好調が続き、稼働率が上昇し、収益率の改善に寄与した。また、建設機械の取扱いが予想以上に増加した。同第2四半期における建機メーカーのコマツ<6301>の海外売上高は前年同期比61.4%増、日立建機<6305>が同48.5%増と大きな伸長を見せた。

b) プラント・物流事業
プラント・物流事業は、収益面で港湾事業と明暗を分けた。営業収入は前年同期比31.3%増の15,845百万円と大幅に伸びたものの、経常利益は同8.5%減の274百万円であった。プラントは、国内では火力発電の増設工事、一般橋梁工事など細かな案件を積み上げた。海外では、シンガポールの大規模な石油化学プラント工事が完工し、追加工事の契約額が確定した。マレーシアにおけるエチレン分解炉組立工事が本格的に始まり、8億円強の収入が立った。物流事業におけるJEXの一部事業の譲受による寄与は、前下期から始まったため、今上期の前年同期比増加額が約25億円に相当した。また、重量物輸送工事、橋梁・その他の工事についても、堅調に推移した。

プラント・物流事業は、大幅な増収にもかかわらず、減益となった。減益の主因は、貸倒引当金の設定になる。海外顧客を相手に提供している国内における物流サービス(輸入通関手続きを含む)において、業務委託先から受託料を回収する見込みが不確定となった。そのため、当第2四半期に当該案件に関して貸倒引当金309百万円を設定した。この件に関する引当金繰入は一過性であるが、営業債権に対する貸倒引当金の全体の比率を押し上げたため、追加的に1億円の引当金を設定した。

2. 財務状況
2018年3月期第2四半期末の総資産は、38,996百万円と前期末比45百万円増加した。流動資産は、受取手形及び営業未収入金、関連会社短期貸付金、その他流動資産が増え、640百万円増加した。有形固定資産の減価償却及び無形固定資産ののれんの償却が進み、固定資産は16,025百万円と前期末比595百万円減少した。負債合計は前期末比507百万円減の10,403百万円となり有利子負債も同29百万円減の1,140百万円とさらに縮小した。流動比率が330.7%、自己資本比率73.2%と財務の安全性は極めて高い。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《MH》

 提供:フィスコ

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