澁澤倉庫 Research Memo(14):ドライバー不足と在庫変動への対応が気にかかる
■中期経営計画
3. リスクと課題
一般的なリスクとして1)景気変動など事業環境の変化、2)特有の法的規制など、3)地震など自然災害、4)車両燃料油価格の変動、5)金利の変動、6)ウイルスなどによるシステムトラブル、7)個人情報漏洩など、8)保有資産の時価変動、9)法改正・為替変動・テロなど海外発の波乱、10)退職給付債務??を挙げている。
しかし、気になるのはドライバー不足と消費財拡大による在庫の変動。ドライバー不足について、澁澤倉庫<9304>はBtoBがメインのため、値上げや減量で話題のヤマトホールディングス<9064>ほど人手を抱えなくて済むことから、傭車先を含めて当面影響は大きくなさそうだ。しかし、中期的には懸念材料であることに違いなく、拠点統廃合やドミナント、モーダルシフト、ITの活用などでカバーする考えである。
在庫変動は、特に同社で取扱の多い飲料やエアコンについて、夏と冬の在庫量や回転の違い、同じ夏でも冷夏になった時の在庫回転のスロー化の2点がリスクとなる。夏場の急激な在庫増や回転増には十分な集車力により対応可能だが、冬場の保管スペースの活用など繁閑差をなくす商品構成の最適化を模索する必要があると考える。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)
《HN》
提供:フィスコ