貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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9202 ANAホールディングス

東証P
3,075.0円
前日比
+6.0
+0.20%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.1 1.43 0.98 26.63
時価総額 14,892億円
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商業施設&ホテルの開業ラッシュ、「リベンジ旅行関連株」赤丸急上昇 <株探トップ特集>


―2023年はトラベル需要再生元年となるか、4年ぶりに春旅行の復活期待高まる―

 2023年は旅行需要の再生元年となることが期待されており、 旅行 レジャー関連株への注目が高まっている。世界各地でコロナ禍の影響が一巡するなか、新型コロナウイルスワクチン接種の有無にかかわらず入国時の隔離措置などを不要とした国が増えていることもあって、海外旅行などにも行きやすい環境となってきた。旅行会社大手JTB(東京都品川区)による23年の旅行動向見通しでは、国内旅行者数はコロナ禍前である19年の9割の水準まで回復するという。また、海外旅行者数も同4割、訪日外客数は同6割強まで回復すると推計されている。大型イベントの開催や商業施設、高級ホテルなどの新規開業予定が相次いでいることや、リモートワークの浸透により旅行先に滞在しながら仕事をするワーケーションなど旅のスタイルが多様化していることも追い風になると見られている。

 また、インバウンド需要の主役を担っていた中国人観光客の動向からも目が離せない。中国政府は今月6日、3年ぶりとなる海外団体旅行を解禁した。対象国はタイなど20ヵ国で日本は含まれなかったが、今後渡航制限の緩和が進み、早ければ花見シーズンに中国人観光客が回復するとみられている。これらに合わせて鉄道や航空会社、ホテル、旅行予約などの観光・レジャー需要が活発化しそうだ。

●売られた銘柄は再び「仕込み場」へ

 昨年10月から始まった政府の観光促進策「全国旅行支援」や水際対策の緩和が奏功し、観光需要が回復するとともに、関連株には大きく動意する銘柄が相次いだ。また、為替の円安も追い風となり訪日外客数は急激な回復を示した。ただ、その後は急速に円高に振れたこともあって、業績の上方修正を発表した銘柄が相次いだにもかかわらず、いったん材料出尽くしで株価は軟調な推移を強いられるケースも多くみられた。中期的な視野に立てば、現在の株価水準は絶好の仕込み好機となる銘柄も少なくないはずだ。

 国際通貨基金(IMF)は1月に改定した世界経済の見通しで、23年の実質成長率の予測を2.9%に上方修正した。これまで出遅れていた日本については同1.8%に修正しており、先進国のなかで最も高い成長率が見込まれている。岸田文雄首相が春闘での「インフレ率を超える賃上げ」を要請したことに対して、経団連では「ベースアップ(ベア)を前向きに検討することが望まれる」とした。今後、実質賃金の上昇により可処分所得増加への機運が高まれば、旅行など個人消費には強い追い風となる。

●旅行事業回復で注目のHIS

 そのなか、格安航空券などを取り扱う旅行大手のエイチ・アイ・エス <9603> [東証P]に注目したい。同社の強みは、海外向け航空券が高かった時期にリーズナブルな価格で提供することにより低価格ブランドを確立し、幅広い層の顧客の囲い込みに成功したことだ。その後もアジア旅行を中心としたフリープラン商品に注力することなどで、高い成長を遂げてきた。同社が発表した22年12月の旅行総取扱高速報では、全体の取扱高は19年同月比61.8%減だったが、国内旅行取扱高は「全国旅行支援」による国内旅行マインドの高まりを受け、3ヵ月連続で19年同月を上回り、沖縄、北海道、九州方面などパッケージツアーを中心に大きな伸びを示した。23年10月期の連結業績見通しは未定としているが、旅行事業については売上高2900億円(前期実績716億円)と大幅な回復を見込んでいる。

 このほか、オンライントラベルエージェント業界で最大規模を誇るエアトリ <6191> [東証P]や、格安航空券の予約サイト「スカイチケット」を運営するアドベンチャー <6030> [東証G]、旅行比較サイト「トラベルコ」を手掛けるオープンドア <3926> [東証P]などもマークしたい。

●上方修正で株価下げたKNTCT、タカチホは狙い目

 KNT-CTホールディングス <9726> [東証S]も注目だ。近畿日本ツーリストなどを傘下に置くが、9日には23年3月期の連結利益予想の上方修正を発表。営業利益予想を従来の40億円から80億円(前期は76億8600万円の赤字)へ引き上げた。観光施設の運営業務、観光振興業務などBPO(ビジネス・プロセス・アウトソーシング)事業に注力したことが奏功し、8期ぶりに最高益更新を見込むとしている。

 みやげ品の卸売業大手タカチホ <8225> [東証S]は、長野県を中心に観光みやげ品、アウトドア用品、飲食店、温浴施設などを多角的に展開。同社は10日、23年3月期の連結営業利益予想を6000万円から2億6000万円(前期は2億1600万円の赤字)へ上方修正した。主力事業の観光みやげ品に関わるみやげ卸売事業、みやげ小売事業において売り上げが増加したことに加え、各種経費の見直しによる販売管理費の減少が寄与したもようだ。

 上記2銘柄ともに上方修正した翌日に株価は大幅に下落。材料出尽くし感から売られたが、改めて買い直される可能性がある。このほか、ANAホールディングス <9202> [東証P]や三越伊勢丹ホールディングス <3099> [東証P]、京浜急行電鉄 <9006> [東証P]、阪急阪神ホールディングス <9042> [東証P]なども株価の調整が進んでおり、押し目買い対象として目を配っておきたい。

●乗り換え案内の駅探やジョルダンにも期待

 日本が観光地として世界的に人気となっている理由には、交通インフラが整備されていることも挙げられる。ただ、JRや私鉄、地下鉄、バスなどさまざまな路線が入り組む日本の公共交通機関は外国人観光客には分かりにくい面もある。これを解決する乗り換え案内サービスを提供する駅探 <3646> [東証G]やジョルダン <3710> [東証S]なども注目されやすい。

 このほか、観光みやげ菓子を手掛ける寿スピリッツ <2222> [東証P]や、アミューズメント施設を運営するラウンドワン <4680> [東証P]、ゲームや遊技機を手掛けるセガサミーホールディングス <6460> [東証P]にも目を配っておきたい。

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