貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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9001 東武鉄道

東証P
3,776円
前日比
-165
-4.19%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
17.3 1.51 1.19 0.54
時価総額 7,923億円
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モバファク Research Memo(7):「駅メモ!」好調により、3Q(7月?9月)営業利益率が20%を超える


■業績動向

●2015年12月期業績

(1) 2015年の取り組み状況

モバイルファクトリー<3912>は、ソーシャルアプリサービス及びコンテンツサービスにおいてユーザー数の拡大、収益力向上に取り組んでいる。

このうち注目されるのがソーシャルアプリサービスの位置ゲームにおける取り組みだ。「駅奪取」のiOS版/Android版をリリース(Android版を9月、iOS版を10月にそれぞれリリース)した。加えて、「駅メモ!」では新規ユーザー獲得のために広告出稿等のプロモーションを継続的に行っているほか、ゴールデンウィークなど利用者が増加する期間に合わせたセールや全国の花火大会開催最寄り駅を収集する企画などを実施している。この効果により、「駅メモ!」は順調に新規ユーザーを獲得しており、9月まで連続してDAU(Daily Active User)数が増加(9月のDAUは1月比6倍増)している。

加えて、「駅奪取PLUS」内でコロプラが提携するO2O※1サービスの「乗り物コロカ」※2と連携を開始した。さらに、東武鉄道<9001>を始めとする鉄道会社、エイチ・アイ・エス<9603>、地方自治体などと協業したO2Oを相次いで実施。10月には岩手県と県の地域活性化に協力することを決定しており2015年12月頃から2016年3月頃までの期間にIGRいわて銀河鉄道(株)と三陸鉄道(株)を始めとする岩手県の鉄道駅のいくつかを対象としたキャンペーンを行う予定。これらのO2Oの取り組みは、同社にとって新規ユーザー獲得のプロモーション効果がある。
※1O2O(Online to Offline:オンライン to オフライン)は、インターネット上で利用するサービス(オンライン)を通して、ユーザーに実店舗(オフライン)へと足を運んでもらえるように行う取り組み。
※2コロカはコロプラが発行・運用しているオリジナルカードで、位置情報ゲームプラットフォーム「コロプラ」のゲームと連携しているO2Oサービス。

(2) 2015年12月期第3四半期累計(2015年1月?9月)連結業績の概要

2015年12月期第3四半期累計連結業績は、売上高が1,243百万円(前年同期単独比8.9%増)、営業利益は232百万円(同50.2%増)となり、過去最高を更新。第3四半期累計業績の期初会社予想に対する進捗率は、売上高で76.1%、営業利益で96.2%となった。

増収となったのは、コンテンツサービスが同6.1%減の630百万円へ減少するマイナス要因があったものの、位置ゲームが同88.6%増の385百万円へ急拡大したためにソーシャルアプリサービスが同30.4%増の612百万円へ増加したことでカバーしたことが主要因。位置ゲームが好調に推移したのは、前年にリリースした「駅メモ!」が想定を上回る売上となり本格的に収益寄与したことが主要因。

大幅営業増益を確保したのは、売上原価が「駅メモ!」の売上増に伴うコスト増、位置ゲームの償却費増、人員増加に伴う労務費の増加などにより、579百万円(同9.2%増加)へ増加したマイナス要因があったことによる。しかし、1)売上高増加により売上総利益が663百万円(同8.7%増)へ増加、2)販管費がコンテンツサービス減少に伴い広告回収期間等を厳密に管理し広告費が減少したことなどにより430百万円(同5.5%減)へ減少??などがプラス要因として働いたためだ。

なお、会社予想に対する営業利益の進捗率が売上高に比べて高いのは、他社名義で配信している「駅メモ!」が想定以上に好調であったことに起因している。自社名義で配信しているアプリについては売上高の総額表示(ユーザーの利用代金を売上高として計上し、プラットフォーム等の手数料を売上原価または販管費に計上するグロス売上)であるのに対して、他社名義で配信しているアプリは純額表示(ユーザーの利用代金からプラットフォーム等の手数料を控除した金額を売上高として計上するネット売上)を採用しており、他社名義である「駅メモ!」iOS/Androidのウエイトが高まったことによる。

(3) 2015年12月期第3四半期(7月?9月)業績

第3四半期(7月?9月)の連結業績は売上高が前年同期単独業績比14.5%増の442百万円、営業利益は同116.7%増の96百万円となり、売上高、営業利益ともに過去最高を記録した。第2四半期(4月?7月)の単独業績比較でも、8.4%増収、44.3%営業増益となった。

売上高をサービス別に見ると、コンテンツサービスが前年同期比5.4%減の204百万円にとどまった。一方、スマートノベルの新作のリリースがないというマイナス要因があったものの、「俺の彼女が2人とも可愛すぎる!」のネイティブアプリへの移植作が想定を上回る売上となり同8.8%減の74百万円にとどまったことや、「駅メモ!」のネイティブアプリが好調に推移した※ことにより位置ゲームが同91.6%増の160百万円へ拡大した??などから、ソーシャルアプリサービスは同39.7%増の238百万円へ拡大した。なお、ソーシャルアプリサービスの売上高が四半期でコンテンツサービスの売上高を上回ったのは初めて。
※「駅メモ!」のiOS版/Android版の売上は前四半期比112.5%増加したほか、DAU(Daily Active User)は6月比で倍増した。また、9月末時点のApp Storeの売上ランキングは83位となっている。

営業利益は、位置ゲーム「駅メモ!」のプロモーション強化により広告宣伝費が増加するなど販管費の増加がマイナス要因(前年同期比16百万円増)として働いたものの、売上増加と大型の新作リリースがなかったことにより減価償却費の減少(同16百万円減)などによる売上総利益の増加(同68百万円増、売上総利益率は前年同期の47.8%から57.0%へ上昇)により大幅増益となった。結果として、営業利益率は前年同期の11.5%から21.7%へ大幅に上昇した。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 森本 展正)

《RT》

 提供:フィスコ

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