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8940 インテリックス

東証S
579円
前日比
-2
-0.34%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.8 0.40 3.11 11.12
時価総額 51.7億円
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インテリックス Research Memo(7):地方都市で拡大継続、アセットシェアリング事業は売上倍増と高成長続く


■インテリックス<8940>の今後の見通し

2. 事業別見通し
(1) リノヴェックスマンション事業
主力のリノヴェックスマンション事業の売上高は前期比7.4%増の36,977百万円となる見通し。販売件数は前期比6.1%増の1,529件、平均販売価格は同1.2%増の24.2百万円を見込んでいる。首都圏エリアに関しては厳しい競争環境が続くなかで販売件数は前期比7.6%減の769件と減少するものの、採算を重視した仕入活動を行うことで収益率を高めていく方針となっている。一方、地方拠点では各拠点で営業体制強化を進めながら販売件数で前期比24.8%増の760件を目指していく。施工体制の整備が遅れていた仙台や福岡でも、施工協力会社のネットワークを整備したことで2017年春には施工期間が全社平均水準まで改善しており、2018年5月期は積極的な仕入活動による販売増と収益性の向上が期待される。こうした取り組みにより、同事業の売上総利益率は前期の11.5%から12.2%に回復する見込みとなっている。

(2) その他不動産販売事業
その他不動産販売事業の売上高は前期比52.5%増の7,675百万円となる見通し。このうち、アセットシェアリング事業の売上高は前期比2倍増の28億円を見込んでいる。2018年5月期第2四半期に「アセットシェアリング渋谷青山(第2期)」(800口、8億円)の販売を開始するほか、2018年5月期第4四半期に博多でワンルームマンションからホテル転換したリノベーション物件(2017年秋オープン予定)及び東京(北千住)で建設中の新築ビジネスホテル(2018年春オープン予定)の物件についての商品化を予定している。

博多の物件に関しては、博多駅から徒歩6分程度と交通の利便性も良く、インバウンド旅行客に対応したホテルに一部フロアを改装中となっている。秋口にホテルはオープンするが、一定期間、ホテルの稼働率を確認した上で利回りや募集額を設定するため、販売の開始は2018年5月期下期となる予定だ。一方、北千住のビジネスホテル(6階建て、収容能力は100室程度)についても駅から徒歩3?4分と近く、好立地の場所となる。運営を委託するホテル事業者とサブリース契約を締結し、賃料収入を開業当初から固定化できるため、2018年5月期下期に第1期分の販売を行う予定だ。その他にも複数の物件や用地を取得済みで、最適な不動産形態をプランニングしながら今後、商品化していく計画となっている。

その他不動産物件の販売は前期比34%増の48億円となる見通し。オフィスビルや賃貸マンション、戸建住宅など複数物件の売却を予定している。売上計上時期に関しては、既に契約を締結している物件以外はすべて下期の計画に織込んでいる。

なお、その他不動産販売の物件販売の売上総利益率は2017年5月期の24.7%から2018年5月期は18.6%と保守的に見込んでいる。不動産市況の先行きに関して不透明感があるためだ。ただ、アセットシェアリング事業の収益性は比較的高いと見られ、市況が急速に冷え込まない限りは利益面で上振れする可能性があると弊社では見ている。

(3)賃貸収入及びその他収入
賃貸収入については、手持物件の積み上がりにより前期比6.5%増の827百万円と増収が続く見通し。また、その他収入については前期比19.1%増の1,395百万円と増収に転じる計画となっている。リノベーション内装事業が同業である法人からの受注増により、前期比18%増の11億円と拡大することが主因だ。

リノベーションマンションを手掛ける不動産会社は増えているが、マンションの戸別内装工事に関してノウハウを持つ施工業者は少なく、高品質かつアフター保証サービス付きで行っている同社に依頼するケースが首都圏だけでなく、他のエリアでも大手不動産会社を中心に増えてきている。このため、同社はリノベーションの内装設計・施工を行う子会社のインテリックス空間設計についても地方主要都市に支店を開設することを検討している。首都圏では競争激化でリノヴェックスマンションの販売件数は減少しているものの、リノベーション内装施工の受注を同業他社から獲得することで、マイナスの影響をある程度カバーできるとみている。

また、2017年5月期第4四半期から開始したリースバック事業も注目される。リースバック事業とは、ユーザーから所有不動産を同社が買い取ると同時に、定期建物賃貸借契約(3年間)を新たに結び、そのまま賃貸(リース)するサービスのことを指す。ユーザーにとっては、相続税資金や老後の資金、ローン返済資金などまとまった資金が必要な際に、所有不動産を売却しても住み続けることが可能なサービスとなり、潜在的なニーズは大きいと見ている。ユーザーは3年後に、再契約し居住を延長するか退出、もしくは所有不動産を買い戻す選択ができる契約となっている。

収入は賃貸料と物件の販売収入となるが、契約から3年間は賃貸借契約が締結されるため賃貸料のみが収入となる。買い取った不動産は固定資産に計上し減価償却費もかかるため事業開始から3年間は収益貢献が期待できないが、4年目以降は徐々に収益貢献してくるものと予想される。賃貸料が定期的に入ってくるため買取件数が拡大していけば、収益の安定性向上に貢献する事業に成長することが予想される。リースバック事業ではハウスドゥ<3457>が先行し事業を拡大しているが、同社でも販売チャネルとして士業や金融機関との連携を図ることで顧客開拓を進めていく戦略となっている。なお、2018年5月期の買取件数は150件を目標としている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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