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8940 インテリックス

東証S
577円
前日比
-7
-1.20%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.7 0.40 3.12 10.92
時価総額 51.5億円
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インテリックス Research Memo(8):地方主要都市の開拓を急ぐ


■市場動向と成長戦略

(2)成長戦略

こうした市場環境下において、インテリックス<8940>では今後の成長戦略として以下の3点を掲げている。

○事業エリアの拡大
リノヴェックスマンション事業では、従来の主力エリアであった首都圏が参入事業者の増加により成長が見込みにくくなるなかで、地方主要都市に事業エリアを拡大していくことで成長を進めていく。既に支店については2013年以降、札幌、大阪、福岡、名古屋、仙台に展開しており、当面はこれら拠点での人員体制の強化と取扱件数の拡充に注力していく方針だ。

地方拠点の人員に関しては2015年11月末で54名と前期末比9名増となっている。業界全体で人材不足の傾向が続くなか、増員ペースは当初の計画よりも若干遅れ気味ではあるものの、取扱件数に関しては順調に拡大している。同社では月間の仕入体制として2016年5月期末に首都圏100件、地方店50件体制とし、中期的には首都圏100件、地方店100件体制を目指している(今上期の月平均では首都圏80件、地方43件)。平均販売価格を前期実績(首都圏21百万円、地方店17百万円)と同水準だと仮定すると、リノヴェックスマンション販売事業だけで年間450億円と今期見込みの1.4倍の規模が見込めることになる。

現在の市場環境からすると首都圏の100件はややハードルが高くなっているものの、足りない部分は地方拠点での上積みでカバーできるとみられる。首都圏では競争が激化しているが地方主要都市ではまだ競合も少ないためで、早期に市場を開拓していくことで、トップ企業としての事業基盤を固めていく方針だ。

(3)アセットシェアリング事業の強化

第2の成長戦略として、アセットシェアリング事業の強化が挙げられる。前述したとおり、第1号案件となる「アセットシェアリング原宿」については、応募者多数となるなかで完売しており、当第1四半期に771百万円の売上げを計上した。第2弾は「リーシャル横濱元町」のテナント部分の販売となり、2017年5月期の販売を予定している。

また、中古不動産物件による商品開発も検討しており、今後積極的に進めていく考えで、5年後には同事業で100億円程度まで拡大する可能性がある。

(4)リノベーション内装事業の拡大

成長戦略の第3のポイントとして、リノベーション内装事業の強化が挙げられる。前述したようにリノベーションマンションに対する認知度向上に伴い、同業他社や個人でのリノベーション需要が増加しており、こうした需要を取り込んでいく。特に、同業他社では社内に内装ノウハウが不足しているところが多く、現在は大手不動産会社向けを中心に設計施工やアフターサービス保証などのサービスを提供している。

今後もリノベーションマンションの需要が拡大していくなかで、仕入面での競争は激化するものの、設計施工やアフターサービスなどを同業他社に提供し、パートナー関係を構築していくことが、市場全体の活性化につながり、同社にとっても事業基盤がより一層強固なものになるとみている。

このため、同社では2014年秋より自社施工チームを立ち上げ、施工能力の拡大を進めていく方針を打ち出している。前期末で同チームは7人体制であったが、2015年11月時点では10名程度となっており、中期的には5倍の人員体制まで拡充したい考えだ。施工件数としては月間100件程度、売上高に換算すると年間で約6,000百万円規模を目指している。自社施工では複数の専門技術(大工、水道、電気等)をこなす「多能工(マルチリノベーター)」の育成を進めているほか、ユニットバスの施工スタッフを育成するため、3名を住設機器メーカーに教育研修に出している。リノベーションでは最初にユニットバスを取り付けるところから始める必要があるが、住設機器はメーカーがすべて自社施工しており、メーカー側の施工能力に依存する構造になっていた。2014年に施工期間が長期化した要因もユニットバスの施工能力が不足していたことが一因だが、こうしたリスクの低減も同時に進めていく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《YF》

 提供:フィスコ

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