FJネクスト Research Memo(10):長期的な視点から市場の裾野の拡大に注力
■成長戦略
FJネクスト<8935>の成長戦略は、首都圏(特に都心部)の資産運用型マンションに特化することで、経営の効率性や優位性をさらに高めるとともに、市場全体の拡大を自社の成長に結び付けるニッチトップの戦略とみられる。裏を返せば、市場の動向に左右されるところに成長のボトルネック(制約)があるという見方もできる。したがって、業界をリードする同社自らが、資産運用型マンションの健全な発展をいかに促していくのかがポイントとなろう。同社は、他社との提携等を含めて、関心のある見込客(潜在購入者)をデータベース化し、定期的にメール等で情報提供を行うCRM(ガーラ・ナビ)などを通じて、資産運用型マンションに対する認知や理解促進を図ることで、長期的な視点から市場の裾野を拡大する取り組みを行っており、その活動の成果が注目される。また、2014年10月には台湾人投資家からのニーズを迅速かつ的確に把握するという位置づけで、台湾に現地法人を設立するなど、新たなニーズへも対応を進めている。
土地仕入価格や建築費の上昇等による影響は気になるものの、首都圏の資産運用型マンションに対する居住者及び購入者からの需要は根強く、今後も十分に伸びる余地があることや、同社の比較的手堅いビジネスモデル(保守的な仕入方針や財務力、良質な賃貸住宅へのこだわり等)から判断して、持続的な成長の可能性は高いとみている。
(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)
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提供:フィスコ