貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
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8914 エリアリンク

東証S
2,776円
前日比
-52
-1.84%
PTS
2,776.5円
14:58 04/16
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.4 1.41 2.77 45.85
時価総額 359億円
比較される銘柄
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アズーム, 
日本駐車場
決算発表予定日

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エリアリンク Research Memo(2):コンテナ収納とトランクルームのストレージ事業で成長


■会社概要

1. 沿革
エリアリンク<8914>は1995年、異業種交流ステーション「ウェルズ21」の受注事業を目的に、現代表取締役社長の林尚道(はやしなおみち)氏により、株式会社ウェルズ技研として千葉県船橋市に設立された。

設立の翌年(1996年)には、貸地ビジネス(現在の「ミスター貸地」)や時間貸しコインパーキング事業の「ハローパーキング」事業を開始し、不動産事業へ進出した。その後、「ハローパーキング」に続き、収納スペースの「ハローコンテナ」や「ハロートランク」(両者を“ハローストレージ”と総称することもある)や、マンスリーマンションの「ハローマンスリー」、レンタルオフィスの「ハローオフィス」等を次々とリリースし、業容を拡大した。

幅広い「ハローシリーズ」を展開する同社であったが、次第に、ニッチ市場という立ち位置で競合が少なく、非居住系でランニングコストが低いといった利点があるストレージ事業(コンテナ収納とトランクルーム)を事業の中核に据え、「シェア・質の“圧倒的No.1”」をスローガンに、事業の拡大・強化を図ってきた。その結果、コンテナとトランクルーム合わせて85,005室(2018年6月末現在)を擁し、市場シェア15.1%(2017年度、売上高ベース)を握る国内トップ企業となっている。

証券市場には2003年8月に東京証券取引所マザーズ市場に上場し、現在に至っている。


ストレージ事業を中核とする“不動産運用サービス”と、底地事業を手掛ける“不動産再生・流動化サービス”の2セグメント体制

2. 事業の概要
(1) 事業セグメントの概要
エリアリンク<8914>の事業は、1)不動産運用サービス事業と、2)不動産再生・流動化サービス事業の2つの事業セグメントから成っている。2018年12月期第2四半期のセグメント別内訳を見ると、売上高では、不動産運用サービス事業が88.6%、不動産再生・流動化サービス事業が11.4%となっている。一方、営業利益では、不動産運用サービス事業が86.1%、不動産再生・流動化サービス事業が13.9%となっており、不動産再生・流動化サービス事業の利益率が高いことがわかる。

(2) 不動産運用サービス事業の概要
不動産運用サービス事業の本質は、未活性の不動産(土地、建物等)を不動産商品に仕立て直し(“商品化”)して収益を上げることだ。商品という観点では、前述のように、ストレージや駐車場、レンタルオフィスなど様々なサービス業態を、「ハロー」ブランドで展開している。

前述のように、同社はストレージ事業を中核に据えて成長を遂げてきており、収益面でもストレージ事業が圧倒的に大きくなっている。また、ストレージの中にも構造や事業モデルの違いによって、いくつかのタイプに分かれており、収益の性格もそれぞれ異なっている。そうした現状を反映して、不動産運用サービス事業は、ストレージ運用、ストレージ流動化、及びその他不動産運用サービスの3つのサブセグメントに分けて情報開示されている(ハローコンテナや土地付きストレージなど、ストレージのタイプ別の事業モデルの詳細については後述する)。

ストレージ運用とストレージ流動化は、いずれもハローストレージにかかる収益であり、収入の性質に応じて分類したものだ。このうち、ストレージ運用は、ハローストレージの募集・運営・管理にかかる収入だ。すなわち、ストレージという不動産商品の管理会社としての収入ということだ。ストレージには屋外型コンテナタイプ、屋内型トランクタイプ、及び土地付きストレージのすべてが含まれる。収入のタイプとしてはストック型収入と言える。

ストレージ流動化は、土地付きストレージの販売収入と、ハローコンテナの受注・出店にかかる収入から成っている。収入のタイプとしてはフロー型収入と言える。

その他不動産運用サービスの内容は、ストレージ以外の事業にかかる収入となっている。具体的には、ハローパーキング、ハローオフィス、アセットマネジメント(自社保有物件の募集・運営・管理)などからの収入で構成されている。収入タイプとしてはストック型収入と言える。

(3) 不動産再生・流動化サービス事業の概要
不動産再生・流動化サービス事業は、当初は不動産オーナーや投資家から中古不動産を購入し、改修等を行って付加価値を加えて運用効率を上げた後に投資家等に販売する、いわゆる不動産売買事業がその内容であった。しかしながら、リーマン・ショックを契機とする事業環境急変のなかで、不動産売買事業からは2015年12月期までで撤退し、2016年12月期以降は土地権利整備事業(社内的には“底地事業”と呼称)に特化して展開している。

底地事業の事業モデルは以下のようなものだ。

土地を借りてその上に建物を建てることは一般的に行われている。この場合、建物の所有者(Aとする)は土地を利用する権利(借地権)を有している(言うまでもなく、土地利用の対価、すなわち地代を支払う義務もある)。一方、土地の所有者(地主、Bとする)は、借地権の制限があるため、その土地を自由に利用することができない。このように、借地権が付いた土地を底地と言う。Bは土地の利用が制限されるものの、Aからの地代収入を得る権利を有することから、この土地を貸している権利を「底地権」と称することが住宅・不動産業界では一般的に行われている。

土地と建物の所有者が異なる状況は権利関係のねじれを生じされて複雑化するだけでなく、土地の価格にも影響を与える(借地権+底地権=所有権と図式化でき、借地権の分だけディスカウントされる)。そこで同社は、地主のBから底地(権)を取得し、それをAに販売して収益を上げるとともに、AB間の権利関係を整備する事業を行っている。これが底地事業の基本的事業モデルとなっている。

なお、Aから建物を、Bから底地(権)をそれぞれ取得し、更地にして第三者に売却することもあるが、これはチャンスに恵まれた場合の結果であって、同社が底地事業として積極的に追求しているものではない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川裕之)

《NB》

 提供:フィスコ

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