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シノケンG Research Memo(10):既存事業の拡大と介護事業、海外事業の体制強化を進める


■今後の見通し

2. 中期3ヶ年計画
シノケングループ<8909>では2016年11月に3ヶ年の中期計画を発表しており、最終年度となる2019年12月期の連結業績目標として、売上高1,250億円、営業利益130億円、経常利益125億円、親会社株主に帰属する当期純利益91億円を掲げた。また、財務面では2019年12月期に自己資本比率40%以上とし、ネットキャッシュ(現預金-有利子負債)をプラスに転換し実質無借金経営を目指していく。

目標を達成していくうえでの成長戦略として、「既存ビジネスの強化」「海外事業構築とM&A」に注力していく方針だ。

(1) 既存ビジネスの強化
フロービジネスであるアパート販売を拡大していくことで、不動産賃貸管理事業、金融・保証関連事業、エネルギー事業など関連するストックビジネスの積み上げを図り、収益成長と同時に収益基盤の安定化を進めていく。

また、介護事業に関しては、アップルケアの子会社化により訪問介護サービスが新たなサービスメニューとして加わったことで、ワンストップで各種サービスを提供できる体制が整い、今後、グループ会社間の連携を図りながらシナジーを高めていく戦略だ。国内では高齢者(65歳以上)人口が2016年の3,454万人から2040年に3,800万人を超える水準まで増加し、また人口比率では2050年に38.8%まで達すると予測されるなど、今後は超高齢化社会となる。介護市場においては在宅での要介護者数が増える見通しで、訪問介護サービスの重要性は一段と高まってくる。


同社ではこうした需要に対応するため、賃貸住宅でも単身者の高齢者が安心して生活できるよう、各種安心サポートサービス(見守りサービス、訪問診療・介護、食配サービス等)を付けた「寿らいふプラン」を開発し、提供を開始している。同プランはアパートの一部屋からでも高齢者向け住宅にリニューアルできるパッケージプランとなっており、オーナーにとっては既存の若年層向け賃貸アパートの空室を有効活用できるメリットがある。現在、サービス付き高齢者住宅と高齢者向け賃貸住宅で合わせて1,000戸を超える実績となってきており、今後更なる拡大が見込まれている。なお、サービス付き高齢者住宅は現在、東京と福岡で3棟運営しているが、今後、新設の予定はなく、高齢者向け賃貸住宅を伸ばしていくことになる。
(2) 海外事業構築とM&A
同社は2020年以降の持続的な成長を図るため、新たな収益柱となる事業の育成にも今後3年間で取り組んでいく方針で、介護事業に加えて海外事業もその1つとなる。具体的には、インドネシアのジャカルタで投資用物件の開発事業を展開していく計画となっている。2016年に現地子会社を設立しており、現在は事業化に向けた準備を進めている段階にある。インドネシアには子会社の小川建設も事務所を設置しており、設計・施工は小川建設が担っていくことになる。2018年以降、本格的に受注活動を行っていく予定となっており、数年後には海外事業でグループ貢献度を1割程度まで伸ばしていくことを目指している。

また、事業基盤と領域の拡大を目的としたM&Aも引き続き積極的に健闘していく方針となっている。2016年9月に資本業務提携(出資比率21.3%、持分法適用関連会社)したサムシングホールディングス<1408>は地盤改良工事の大手で、調査から工事、保証、システム事業を展開しているほか、ベトナムやタイ、カンボジアにも事業拠点を展開している。資本業務提携の目的は、1)国内における同社グループのアパート、マンション販売事業やゼネコン事業と、地盤改良・保証等事業の相互活用によるシナジー効果を獲得すること、2)同社の海外における不動産開発事業において、地盤関連サービスの活用、などが挙げられる。このうち、国内の販売用アパートの地盤調査については、現在2~3割の比率で発注しているが、いずれ100%に引き上げていく計画となっている。なお、持分法適用関連会社のプロパストと同様、サムシングホールディングスについても現段階では出資比率の引き上げは考えていない。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

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