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8889 APAMAN

東証S
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アパマンショップ Research Memo(7):「民泊・短期・中期」賃貸サービスを一般個人向けにも開始


■今後の見通し

(3)注目される新サービス

また、アパマンショップホールディングス<8889>では2015年12月より新たなサービスとして「民泊・短期・中期」賃貸サービス、「ITを活用した接客等のサービス」を開始したほか、管理物件の登録作業を自動化するシステムを導入した。いずれも、収益の拡大要因になるものとして注目されるが、今回の中期経営計画では、その効果を織り込んでいない。

○「民泊・短期・中期」賃貸サービス
訪日外国人客の急増によって俄かに注目が高まっている「民泊」市場への参入及び、「短期・中期」の賃貸サービスを2015年12月より開始した。「民泊」については現状も個々のオーナーで無規制のなか行っているが、トラブルが発生するケースもあることから、政府や各自治体が法制度の体制作りを急いでいる。自治体では大阪府で2015年10月に条例案が可決されたほか、東京都大田区でも2016年1月から条例が施行されるなど、全国で解禁する方向で進んでいる。こうした市場環境の変化をビジネスチャンスとして捉え、同社でも同市所に本格的に参入することとなった。具体的には、現在のアパマンショップのポータルサイトを2015年12月よりリニューアルし、民泊向け専用サイト並びに「短期・中期」向け専用サイトを新設し、物件の紹介を行っていく。

対象物件についてはオーナーと協議のうえ、承諾を得られたものから掲載していく予定となっている。通常(2年契約)の家賃と比較すると、民泊で約3倍、短期(1週間~1ヶ月未満)で約2.2倍、中期(1ヶ月~1年程度)で約1.3倍程度の相場となっており、これら契約数が伸びれば、従来よりも収益アップが見込めることになる。

現状、民泊ブームが続くなかで都内では賃貸物件の需給がひっ迫し始めており、同社でも管理物件の積み上げを急いでいる。民泊サービスについては訪日外国人向けだけでなく、今後は日本人向けにも開放される可能性が高く、賃貸登録物件や店舗数で国内トップシェアを持つ同社にとっては収益拡大の好機となるだろう。

○ITを活用した接客等のサービス
2015年12月よりインターネットを活用した接客サービスをアパマンショップの全店舗で開始する。パソコンやタブレット端末、スマートフォンのカメラ機能を使って、Web上で顧客と対面しながら、物件の紹介サービスを行うものだ。利用客にとっては、場所を選ばずに、アパマンショップの担当者から物件情報の説明を聞くことができるほか、希望すれば直接物件内部について映像を通じて確認できる「IT内覧」のサービスも利用できるなど、顧客の利便性が格段に向上することになる。同サービスについては業界で同社が初めて開始する。

また、政府の規制緩和策の1つとしてインターネットを活用した不動産取引の導入があるが、その第1弾としてインターネットを活用した重要事項説明にかかる社会実験についても開始する。将来的には、契約書のサインについてもWeb上でできるようになるとみている。

こうしたITを活用したシステムについては、同社が13年ほど前から指向してきた取り組みであり、システムについても既に対応済であるため、サービス開始に当たっての追加投資はかからない。ITの活用に関しては同業他社よりも先行していると言え、店舗における生産性向上が期待できるほか、競争力も一段と増していくことが予想される。

○管理物件の登録作業自動化
賃貸物件の登録作業は、管理物件のほか非管理物件(ハウスメーカー、デベロッパー、個人オーナー)も含めて日々、情報を更新する必要があるが、従来は手作業で入力を行っていた。今回、新たに取引先企業と物件データの自動連携を行えるようなシステムを導入し、契約先企業からの物件情報に関しては毎日、自動更新されるようにした。既に主要な取引先とは既に自動連携が進んでおり、データ入力コストが従来よりも半分以上に低減できる見通しとなっている。

賃貸不動産業界の中でIT化が進み、今後はIT技術をどのように経営に活用していくかが企業の競争力を左右する時代となってきた。こうした市場環境下において、創業当時から積極的にIT技術を活用してきた同社は、そのシェアをさらに拡大していくことが予想される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《HN》

 提供:フィスコ

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