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高木証券 Research Memo(1):「投信の窓口」など投資信託コンサルティングで独自戦略を展開


高木証券<8625>は、大阪市北区に本店を置く中堅証券会社であり、近畿及び関東を中心に13店舗を構える。1873(明治6)年創業の老舗であり、個人取引を主体とした対面営業に定評がある。同社は証券業界を取り巻く環境変化に対応し、更なる発展を遂げるため、新たな「高木ブランド」の確立に取り組んでいる。対面営業の強みが生かせる投資信託を第一の戦略商品として位置付けるとともに、相続税対策などを含めたコンサルティング営業を強化することで、顧客との長期的な取引を前提とした「家計資産のベストパートナー」を目指している。

同社戦略の柱は、投資信託のコンサルティング営業の強化である。前期(2015年3月期)からは、投資信託の品揃えを充実させるとともに、同社が独自に開発した「ファンド・ラボ」シリーズ(ファンド分析ツール)により、客観的な分析に基づいた顧客目線のコンサルティング営業を開始。加えて、各店舗へ「投信の窓口」やセミナー会場の設置を進めるなど営業体制の強化に取り組んできた。11月2日には業界初となる投資信託専門店である「投信の窓口」を東京・日本橋と三軒茶屋に同時オープン。積極的な広告宣伝活動により認知度を高めて集客を図っていく方針であり、いよいよ本格的な稼働に向けて体制が整ってきたと言える。

2016年3月期上期の業績は、営業収益(売上高)が前年同期比19.7%減の2,962百万円、営業損失が620百万円(前年同期は135百万円の利益)と減収並びに営業損失となった。第1四半期では好調なスタートを切ったものの、第2四半期(特に8月中旬以降)に入ってからの世界的な連鎖株安の影響が業績の足を大きく引っ張った。特にトレーディング損益が33百万円の損失(前年同期は493百万円の利益)となったことが利益を圧迫した。ただ、最終的な純利益については、投資有価証券の売却益により前年同期比39.0%増の670百万円と増益を確保している。

2016年3月期下期の業績予想については、経済情勢や市場動向の影響を受けやすい事業の特殊性から、他の証券会社同様に開示はない。下期についても、株式市況の動向に左右される展開が予想されるものの、投資信託のコンサルティング営業の強化を図ることで、中長期的には安定収益源である信託報酬の比率を高めていく方針である。

足元では外部要因(株式市況の影響等)により、他の証券会社と同様に業績は苦戦しているが、だからこそ、独自路線の展開により安定収益源を確保する同社の方向性には合理性があると評価できる。下期にも広告宣伝費の積極投入に加えて、来期からの「投信の窓口」オンラインサービスの開始に向けた準備のための先行費用が発生する見通しであり、本格的な業績貢献は来期以降になると考えられるが、中長期的な視点からその動向を見守る必要がある。

■Check Point
・上期業績は株安の影響で減収、純利益は投資有価証券売却益で増益
・顧客基盤と預かり資産の拡大により、安定した収益力の確立を目指す
・配当性向30%を重要指標の1つとする方針、利益成長による増配余地も

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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