貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8591 オリックス

東証P
3,298.0円
前日比
-75.0
-2.22%
PTS
3,299円
18:28 03/28
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.5 1.02 2.85 0.78
時価総額 469億円

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中電工 Research Memo(7):持続的な収益体質への変革から、軸足を成長戦略に移す


■中電工<1941>の中長期の成長戦略

1. 中期経営計画(2015?2017年度)
前中期経営計画(2012?2014年度)では、業績低迷からの脱却を目指したテーマ「持続的に利益が創出できる企業体質への変革」に取り組み、企業体質の変革を図るとともに、省エネ・環境関連のリニューアルや太陽光発電設備を捉えた提案営業により受注高は拡大して業績は改善した。

現中期経営計画(2015~2017年度)では、「経営基盤の強化と更なる成長」をテーマとし、「これまでの主要施策の継続による地域に密着したコア事業の強化」と「将来を見据えた成長戦略による事業の拡大」を目指すこととしている。

主要施策として、1)受注の確保・拡大、2)利益の確保・拡大、3)活力を生む“人づくり”、4)品質の向上を掲げた。当初の数値目標は、最終年度の2017年度の連結売上高を1,500億円(2014年度:1,455億円)、営業利益を70億円、売上高営業利益率4.7%(同94億円、6.5%)としていた。これは、太陽光発電設備工事の減少などにより一旦落ち込むものの、主要施策の実施により最終年度には盛り返す計画とした。営業利益率の低下を想定したのは、積極的な成長戦略の投資による費用増を織り込んだことと、太陽光発電設備工事の減少に伴う受注競争の激化による利益率の低下を想定したためである。今回発表された今期予想は、それぞれ1,550億円、98億円(6.3%)に上方修正されており、計画以上の展開を見せている。

2017年度は、「働き方改革」を主要施策に加え、業務改革の推進で生産性向上を目指す。2017年7月から順次事業場体制の見直しをする。中山間部の小規模事業場の統廃合を進め、中国地域の戦略拠点の9支社及び都市部の営業所に要員を集約する。一般工事部門では需要が多い中型・大型工事に対応できる施工体制を構築する。配電線工事部門は作業班の集約による効率的な施工体制を構築する。

成長戦略の具体的な項目として、M&A・アライアンス、技術研究開発、人材育成、子会社・協力会社の体制整備を挙げている。M&A・アライアンスは、都市圏の設備工事会社を想定している。技術研究開発は、企業・大学などの研究機関と提携する。人材育成では、高度な資格の取得を支援する。また、施工能力の確保・向上のため、協力会加入各社への安定的な発注、作業員の採用・処遇改善、人材育成などを後押しするための各種支援体制を検討する。成長戦略の投資枠として300億円を用意しており、うち280億円をM&A・アライアンスに振り向け、20億円を技術研究開発・人材育成・協力会社等の体制整備に費やす計画でいる。これまで太陽光発電事業、農業関連事業、M&A等に約70億円を投資した。M&Aは、引き続き最重点課題として取り組む。

太陽光発電事業として、オリックス<8591>と共同事業会社を設立し、中国地方を中心にメガソーラーを設置している。既に岡山県、香川県、山口県での5プロジェクトの工事が終了し、全てで運転を開始している。また、GEエナジー・フィナンシャル・サービス、東洋エンジニアリング<6330>、くにうみアセットマネジメント(株)と共同で立ち上げた「瀬戸内kirei太陽光発電所建設プロジェクト」の10%を出資した。2019年4月の運転開始を予定している。操業後は、20年間にわたって同発電所の運用・保守業務を担う。

2015年11月に、中国地方で大規模露地栽培手法による野菜等を生産する合弁会社(株)中電工ワールドファームを設立した。同社の出資比率は90%、残りが(有)ワールドファームになる。合弁会社は、現在、広島に拠点を設け、作付面積を拡大している。

2. 中電工グループ中長期ビジョン
創立80周年となる2024年度での目指す姿・目標を設定した中電工グループ中長期ビジョンを発表した。都市圏の事業拡大やM&A等を進めて、中電工グループの姿が変わりつつある中、中長期的な視点での「今までとは変わるグループの姿」を明確に示す時機にきていると考え策定したものである。目指すグループ像は、「従業員一人ひとりが働きがいを持って活躍するグループ」、「中国地域だけでなく都市圏・海外でも存在感を発揮できるグループ」であり、数値目標が「2024年度の連結売上高 2,000億円以上、営業利益 130億円(売上高営業利益率6.5%)以上」である。都市圏の売上高は、2017年度予想の160億円から2024年度に650億円まで拡大する計画でいる。

この中長期ビジョンの実現に向け、現行の中期経営計画の諸施策を踏まえた下記に記載の5項目に取り組むが、特に「人材の確保・育成」と「成長投資の継続」がポイントになる。まずは、グループ一体となって継続して人材を確保し、技術・技能を高める教育の更なる充実を図りながら、業務改革を進め、働き方改革を推進することとしている。また、協力会を設立し、協力会社の人材の確保・育成などの支援拡充にも取り組むこととしている。成長投資は、人材の確保・育成や事業の拡大、M&Aへの投資など、現在の取り組みを今後も継続していく。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《TN》

 提供:フィスコ

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