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8439 東京センチュリー

東証P
1,554.0円
前日比
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PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.9 0.83 3.22 5.13
時価総額 7,647億円
決算発表予定日

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東京センチュ Research Memo(3):スペシャルティ・国内オート・国際の3 事業分野の伸びが著しい


■会社概要

3. 事業内容
(1) 会計セグメント
「賃貸・割賦事業」、「ファイナンス事業」、「その他事業」の3つに区分され、2017年3月期は主力の「賃貸(リース)事業」が売上高の87.1%、年間契約実行高の53.1%、営業資産残高の69.6%を占めている。

(2) 事業分野別セグメント
東京センチュリー<8439>の事業構成の実態や戦略的な動きを理解するためには、経営管理上の事業分野別で見るのが適している。事業分野別では、「国内リース事業分野」、「スペシャルティ事業分野」、「国内オート事業分野」、「国際事業分野」の4つに区分される。従来からの基幹事業である「国内リース事業分野」が営業資産残高の45.1%を占めているが、収益性の高いそれ以外の3事業分野の伸びが著しいことから、構成比は年々低下傾向にある。

各事業分野の概要は以下のとおりである。

a) 国内リース事業分野
2017年3月期末の営業資産残高は1兆4,506億円。従来からの基幹事業であり、グループの総合力(ネットワーク)と強固な顧客基盤を生かし、情報通信機器や工場内の設備などあらゆる設備・機器のリースに対応している。

広範な顧客基盤と情報通信機器の取扱いに強みを有し、国内のリースシェアは約13%と業界第2位に位置している。

国内リース事業分野は、国内低金利の環境下、リース・金融などの既存事業に加え、先進的ビジネスに果敢に挑戦することで、採算性の維持向上を実現していると考えている。

具体的には、優良パートナーと手掛けるロボットレンタル・IoT・再生可能エネルギー事業の展開・着手などであり、金利環境に左右されにくい高収益ビジネスを着実に創出している点は、優良パートナーとの強固な関係と同社の人材力の高さに基づくものと見ている。今後も高収益事業を新たに創出することで、更に採算性が向上することを期待している。

b) スペシャルティ事業分野
2017年3月期末の営業資産残高は8,841億円。高い専門性が要求される一方で収益性も高いことから、同社は、成長期待分野と位置付け飛躍的にスペシャルティ事業を拡大させてきた。プロダクツは「船舶・航空機」、「環境・エネルギー」、「不動産」、「その他」の4つに分類される。

同業も同じようなプロダクツを展開しているものの、特色は、世界のプロフェッショナルと伍していける専門性の高い人材を有し、優良パートナーと一緒にダイナミックに事業に取り組んでいる点と見ている。スペシャルティ事業分野は、国内外優良パートナーとの更なる協働により、引き続き同社の成長期待分野として業績伸長に貢献するものと考えている。

「船舶・航空機」の2017年3月期末の営業資産残高は4,537億円。そのうち、世界的に市場が拡大している航空機分野の営業資産残高は約2,800億円(保有機体数49機)を占めている。2014年に航空機リース世界第4 位のCIT Group Inc.(以下、CIT)との合弁事業を開始してから残高を拡大させてきた※。今後もアライアンス・パートナーなどを戦略的に活用しながら、営業資産残高4,000億円程度を目標に成長スピードを加速する方針である。

※CITとの合弁会社については、2017年3月に完全子会社化(CITの出資持分30%を同社が買取り)した。今般、CITが中国・海航集団傘下の航空機リース会社に航空機リース事業を売却するにあたり、同社の航空機リース事業の更なる成長戦略を展望し、CITとの合弁事業を解消の上、完全子会社化に至ったものである。


「環境・エネルギー」の2017年3月期末の営業資産残高は537億円。京セラとの合弁事業を中心に、国内で多数の太陽光発電事業を手掛けており、将来的には国内トップクラスの規模が稼働の見込である。京セラとの合弁事業営業資産残高は241億円で52ヶ所(出力規模101.1MW)が稼働済みであるが、今後も大型発電所が順次稼働していく予定であり、同社決算への貢献度が一層高まるものと考えている。

「不動産」の2017年3月期末の営業資産残高は3,096億円。有力企業とのパートナーシップのもと商業施設や物流施設向けを中心に土地・建物のリース・ファイナンスを行っている。

また、同社は日土地アセットマネジメント(株)への出資を通じて、アセットマネジメント・ビジネスの展開も視野に入れており、案件出口(投資回収)における安定収益基盤の構築を目指している。

c) 国内オート事業分野
2017年3月期末の営業資産残高は4,583億円。法人・個人向けオートリース及びレンタカー事業をバランスよく展開している。日本カーソリューションズ(株)(法人向けでは業界3位)と(株)オリコオートリース(個人向け専業として業界トップ)、ニッポンレンタカーサービス(株)(レンタカー業界3位)の連結子会社3社による車両管理台数(総数)は、約60万台に上る業界トップクラスの体制を構築している。

「所有から使用へ」と自動車に対するニーズが変化をみせるなか、オートリースの市場規模は拡大している。米国と比べてオートリースの利用比率は小さく、特に個人向けオートリースの拡大余地は大きいと考えている。

レンタカー市場もインバウンドやビジネス需要の増加を背景に平均7%の成長率で推移しているなど、業績拡大余地は大きいと見ている。

なお、既存ビジネスの一層の拡大とともに、オート関連業界に大きな変化を起こしている、自動運転、IoT、シェアリングエコノミーなどについても、同社はこれら新領域に挑戦するための準備も進めている。同社が標榜する「オート事業総合No.1」に向けて着実に進展することも感じられるなど、成長への勢いは、一層増していると見ている。

d) 国際事業分野
2017年3月期末の営業資産残高は4,230億円。合併以降、東アジア・アセアンを中心にネットワークを拡大するなど大きな成果を上げてきたが、2016年6月に、米国の大手独立系リース会社のCSIリーシングを連結化したことで大きく伸張。海外ネットワークも世界37カ国に拡大している。

同社が進める地場優良企業等とのアライアンス戦略の核心は、同社の強みとパートナー企業の持つシナジーにある。パートナー企業の顧客基盤と情報収集力を活用し、そこに同社のファイナンスノウハウを融合する相乗効果により、ビジネスが飛躍的に成長していると見ている。また、後述するように、ライドシェアビジネスや FinTech事業など、新領域のビジネス分野にも積極的に取り組んでおり、今後も経済成長が期待される東アジア・アセアンを中心に、グローバルベースにて同社ビジネスは大きく成長するものと考えている。

国際事業分野における2016年度の主な実績は以下のとおりである。

・米国の大手独立系リース会社であるCSIリーシングを完全子会社化
・インドネシアの大手財閥であるLippoグループとFinTech事業等における戦略的パートナーシップ協定を締結
・ 東南アジア地域における配車サービス業界最大手であるGrab と、自動車リース・レンタル事業を共同で取り組むことに向けた戦略的パートナーシップ協定を締結
・ 銀聯商務加盟店舗向けにインターネットを活用した設備リース・オートリースなどの展開を目的に、中国・カード決済サービス最大手、銀聯商務有限公司と戦略的な業務協定を締結

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《HN》

 提供:フィスコ

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