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TKP Research Memo(1):貸会議室を起点に「空間再生流通事業」を展開。前期は計画を上回る増収増益を実現


■要約

1. 会社概要
ティーケーピー<3479>は、貸会議室ビジネスを起点とした「空間再生流通事業」を展開している。不動産オーナーから遊休不動産等を大口(割安)で仕入れ、会議室や宴会場などに「空間」を「再生」し、それを法人に小口で販売・シェアリングを行う独自のビジネスモデルに特徴がある。遊休不動産の有効活用を図りたい不動産オーナーと、低コストで効率的に会議室を利用したい法人のニーズを結び付けるところに新たな市場を創出し、高い成長性を実現してきた。また、ケータリングや宿泊などの周辺サービスによる差別化や高付加価値化にも取り組んでいる。

貸会議室は目的や予算に応じて5つのグレードに分かれるが、会議室数は合計1,858室(うち、海外46室)に上り、全国の主要都市に幅広く展開している(2018年2月末時点)。また、年間利用企業数は約24,000社(うち、上場企業約2,000社)を誇り、85%の高いリピート率により安定収益基盤を形成するとともに、今後の事業展開の可能性を広げる重要な資産となっている。2017年3月に東京証券取引所マザーズに上場。2017年9月には (株)メジャースの子会社化によりイベントプロデュース事業へ本格参入。2017年11月には大塚家具<8186>との業務・資本提携(店舗スペースの有効活用など)を締結した。

2. 2018年2月期決算の概要
2018年2月期の連結業績は、売上高が前期比30.5%増の28,689百万円、営業利益が同28.0%増の3,449百万円と大幅な増収増益を実現し、売上高、各利益ともに過去最高を更新した。売上高は、上位3グレードを軸とした拠点数やホテル事業の拡大に加えて、周辺サービスの取り込みによる単価の向上、利用用途の多様化に伴う稼働率の高まりなどが増収に寄与した。特に、これまで季節要因により低稼働率となっていた第4四半期の売上高が過去最高(四半期ベース)を記録したところは注目に値する。また、「会議室料」の構成比率(依存度)は51.8%(前期は57.6%)に低下しており、同社が目指す高付加価値化も順調に進展している。利益面では、今後の事業拡大に向けた先行費用(人件費や採用教育費、ホテル開業費用等)が増加したものの、増収効果や原価率の改善により営業増益を実現した。

3. 2019年2月期の業績予想
2019年2月期の連結業績予想について同社は、売上高を前期比20.4%増の34,550百万円、営業利益を同16.1%増の4,004百万円と増収増益を見込んでいる。売上高は、引き続き、上位3グレードを軸とした出店継続と顧客単価の向上、ホテル事業の拡大が増収に寄与する想定である。2019年2月末の会議室数は2,124室(前期末比+266室/同14.3%増)を計画。また、注力するホテル事業についても、新たに4拠点をオープンさせる予定である。利益面では、増収による増益を見込んでいるものの、新規出店数の拡大やホテル開業にかかる費用等により営業利益率では若干低下する想定となっている。

4. 成長戦略
同社は、2018年1月24日にこれまでの中期経営計画を増額修正し、2021年2月期を最終年度とする新たな中期経営計画を発表した。ただ、基本的な方向性に変更はない。注力分野はホテル事業であり、宿泊研修市場の確立によって成長を加速する戦略である。2021年2月期の目標として、売上高45,858百万円(3年間の平均成長率16.9%)、営業利益6,702百万円(利益率14.6%)を掲げている。また、これまで「貸会議室・宴会場事業」を中核として「空間再生事業」及び「その周辺事業(料飲や宿泊、イベントプロデュースなど)」を立体的に展開してきた同社であるが、今後はさらに新たな空間再生(店舗スペースの有効活用を商業ビルへ応用など)にも取り組むとともに、空間再生を通じた事業再生や新規事業開発により事業領域を拡充する方向性も描いているようだ。

■Key Points
・2018年2月期決算は計画を上回る増収増益
・高付加価値グレードの拠点数の拡大に加えて、単価向上や稼働率の改善が業績の底上げに寄与
・特に、季節要因により低稼働率であった第4四半期が過去最高の売上高(四半期ベース)を更新
・今後も「貸会議室・宴会場事業」や「ホテル事業」の拡大により高成長を目指すとともに、新たな空間活用の可能性にも取り組む方針

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柴田 郁夫)

《MW》

 提供:フィスコ

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