貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

8174 日本瓦斯

東証P
2,489.0円
前日比
-51.5
-2.03%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
25.2 3.95 3.01 5.23
時価総額 2,870億円
比較される銘柄
サーラ, 
モノタロウ, 
マツキヨココ
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

TOKAI Research Memo(2):LPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」が主力


■事業概要

TOKAIホールディングス<3167>は静岡を地盤にLPガスを中心とした「エネルギー・住生活関連事業」と「情報通信事業」を主軸に事業を展開しており、経営ビジョンとして「Total Life Concierge(TLC)」構想を掲げている。暮らしに関わるあらゆるサービスをワンストップで提供し、顧客やその先の地域・社会・地球環境とのつながりを深めながら、人々の豊かな生活、地域社会の発展、地球環境保全に貢献し、日本を代表する生活総合サービス企業として成長していくことを目指している。

現在の事業セグメントは、「ガス及び石油事業」「情報及び通信サービス事業」「CATV事業」「建築及び不動産事業」「アクア事業」「その他」の6つに分けて開示している。事業セグメント別の構成比(2016年3月期)で見ると、祖業である「ガス及び石油事業」が売上高で44.6%、営業利益で84.5%を占める主力事業となっており、「情報及び通信サービス事業」「CATV事業」を合わせた3つの事業で大半を占める格好となっている。なお、「アクア事業」に関しては営業損失となっているが、2017年3月期は利益体質に転換している。事業セグメント別の内容は以下のとおり。

1. ガス及び石油事業
ガス及び石油事業では、売上高の約90%をLPガス事業、約10%を都市ガス事業で占めている。主力のLPガス事業は(株)TOKAIで家庭業務用を主に展開している。サービスエリアは静岡や関東圏を中心に、2015年以降は南東北エリア、中部・東海エリアにも相次いで進出しており、顧客件数の拡大に注力している。契約件数は2016年12月末時点で582千件となっており、直販では岩谷産業<8088>、日本瓦斯<8174>に続く3番手となる。市場シェアは、地盤である静岡で約22%とトップ。競争の激しい関東圏では約6%となっている。LPガス利用世帯数は全国で約2,000万世帯あるため、全国シェアでみると3%弱の水準であり、今後、営業エリアの拡大やM&Aなどによってシェアを伸ばしていく余地は大きい。

一方、都市ガス事業は東海ガス(株)で静岡県の焼津市、藤枝市、島田市で都市ガスの供給を行っている。サービスエリアが限定されるため契約件数もほぼ一定で、2016年12月末時点で54千件となっている。

2. 情報及び通信サービス事業
(株)TOKAIコミュニケーションズで展開する情報及び通信サービス事業には、ISP(インターネットサービスプロバイダ)事業のほかモバイル事業(携帯電話販売事業)、企業向け通信サービス、システム開発事業などが含まれている。2016年3月期の売上構成比で見ると、ISP事業と企業向け通信サービス、システム開発事業でそれぞれ4割強を占め、残りがモバイル事業となっている。

ISP事業は、全国をエリアとする「@T COM(アットティーコム)」、静岡県をエリアとする「TOKAIネットワーククラブ(TNC)」のサービスを展開しており、静岡県内でのシェアは約24%とトップを占める。また、2015年からNTT<9432>から光回線の卸提供を受け、自社の光インターネット接続サービスとして提供する「@T COMヒカリ」「TNCヒカリ」のサービスも開始している。ADSLサービスも含めたブロードバンドサービス全体の顧客件数は、2016年12月末時点で808千件と前期末比で減少に転じているが、これはNTTの光回線卸の開始によって競争が激化していることが要因だ。

モバイル事業は、ソフトバンクモバイルの代理店として静岡県内を中心にモバイルショップを展開しており、2016年12月末時点の顧客件数は234千件となっている。また、2014年よりMVNO(仮想移動体通信事業者)として低価格SIMカードの販売を開始したほか、2017年より格安スマホの販売も開始している。

3. CATV事業
CATV事業は、静岡県、神奈川県、千葉県、長野県、岡山県の5県で、グループ会社7社が放送及び通信サービス(インターネット接続サービス)を提供している。光ファイバーの普及により、大手通信キャリアが光通信回線を使った放送サービスを提供するなど、競争環境は激しいものの、同社では地域密着型の放送プログラムの充実や、4K放送への対応を進めるなどサービス品質の向上で差別化を図り、また、グループ内外の他のサービスとのセット割引での提供を行うことで顧客の獲得を進めている。2016年12月末時点の顧客件数は、放送サービスで506千件、通信サービスで222千件となっている。

4. 建築及び不動産事業
建築及び不動産事業では、(株)TOKAIが、戸建や集合住宅、店舗やオフィスビル等の設計・建築、建物管理サービス、住宅設備機器の販売、セキュリティサービス(ガス及び石油事業に区分)、保険代理店(その他事業に区分)、不動産の開発・売買等を行っている。また、(株)TOKAIと東海ガス(株)がリフォーム事業を展開している。

5. アクア事業
2007年に静岡県でサービスを開始した宅配水事業である。静岡県ではリターナブルボトル(ボトル回収型)サービスを行っているが、2011年から静岡県以外のエリアでもワンウェイボトル(ボトル使い切り型)サービスを開始し、顧客件数を伸ばしてきた。富士山の天然水を自社工場にて製品化している。工場は静岡県内に2つあり、合計で約17万件相当の生産能力を有する。宅配水市場全体が成熟してきたこともあり、ここ1?2年は顧客件数の増加ペースも緩やかとなり、2016年12月末時点の顧客件数は135千件となっている。

6. その他
その他には、TOKAIライフプラス(株)の介護事業、トーカイシティサービス(株)の婚礼催事事業、東海造船運輸(株)の船舶修繕事業などが含まれる。

介護事業は2011年より開始しており、2016年12月末時点で静岡県内にデイサービス施設、ショートステイ施設、介護付き有料ホームを合計7ヶ所運営している。また、婚礼催事事業は2施設で運営を行っているが、2017年3月に1施設を閉館する予定となっている。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《TN》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均