8133 伊藤忠エネクス 東証1 12:44
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2016年06月17日17時39分

エネクス Research Memo(2):16/3期は原油価格の下落があったが、各利益は過去最高を更新


■2016年3月期決算

(1)決算の概要

伊藤忠エネクス<8133>の2016年3月期決算は、売上高1,071,629百万円(前期比22.0%減)、売上収益723,645百万円(同22.8%減)、営業利益16,384百万円(同25.1%増)、税引前利益15,004百万円(同23.4%増)、当社株主に帰属する純利益(以下、「当期純利益」)7,469百万円(同35.7%増)と、減収ではあったが、売上総利益、営業利益、税引前利益、当期純利益の各利益段階において、過去最高を更新した。

前期から売上高が大幅減となったのは、原油価格下落の影響が大きかった。原油価格は同社の4事業部門すべてに影響を与え、主要製品の販売価格を押し下げるためだ。販売価格低下が需要を喚起し、販売数量増に結び付くケースもある(例:ガソリン)が、現状では効果は限定的だ。また、エネルギーイノベーション部門(旧エネルギートレード部門)において非効率的な取引を見直したことも減収要因として働いた。

事前予想との比較では、原油価格低迷の影響で売上高と当期純利益は計画を下回ったものの、営業利益と税引前利益はほぼ予想の線での着地となり、中期経営計画『Moving2016「動く!」』の順調な進捗を示した。

同社の業績は2016年3月期第3四半期まで極めて順調に推移していたが、第4四半期は原油価格及びLPガスのCP(コントラクト・プライス)が一段と値下がりした時期と重なることもあって、業績予想の達成には楽観はできないと弊社では考えていた。結果的には、年度末にかけてはわずかながらも反発がみられ、第4四半期に一段の利益縮小は避けられ、営業利益は計画に対して2.5%のショートで踏みとどまることができた。各事業セグメントの詳細は後述するが、電力・ユーティリティ部門の営業利益が計画比38.7%増、エネルギーイノベーション部門が同4.8%増となって、ホームライフ部門とカーライフ部門における営業利益の未達分をほぼ相殺した。

上述のような入り繰りの結果、2016年3月期は4つの事業部門の営業利益構成比が拮抗し、バランスが取れた形となった。当期純利益ベースで、ホームライフ部門の構成比が小さくなっているのは、持分法損失のためだ。対象となる関連会社はLPガス供給元であり、原油価格に連動したLPガス価格の下落の影響で在庫評価損が出たため、ホームライフ事業の当期純利益を減少させる結果となった。

(2)各事業セグメントの概況
a)ホームライフ部門
ホームライフ部門セグメントは、売上高は前期比14.8%減の95,126百万円、営業利益は同16.8%増の3,367百万円で着地した。主力のLPガス事業において、販売数量は暖冬の影響で前期比微減となったが、利幅が前期よりも拡大したため、営業利益は前期比増となった。LPガス事業では原料費調整制度によって一定の利幅が確保されるのが基本となっている。他方、CPの変動によってLPガス在庫が影響を受け、それが利幅を拡大もしくは縮小させることになる。2016年3月期はCP価格が前期末に対して下落したため、在庫影響額は利幅を圧縮する方向に働いたものの、CPの下落幅が2015年3月期に比較して小さかったため、在庫影響額も小さくなり、それが営業増益に結び付いた。

b)カーライフ部門
カーライフ部門は、売上高534,156百万円(前期比16.4%減)、営業利益4,194百万円(同7.0%減)となった。減収の要因はガソリン、灯油等の製品価格下落によるものが大きい。CS(カーライフ・ステーション。ガソリンスタンドの社内呼称)が前期比66ヶ所減少(ネット値)した影響もあったとみられる。利益面では、市況下落に加え競争激化でガソリン等のマージンが圧縮されたことが主因で、前期比減益となった。

c)電力・ユーティリティ部門
電力・ユーティリティ部門は、売上高43,495百万円(前期比12.3%増)、営業利益4,439百万円(同47.5%増)となった。自家発電設備が順調な稼働を続けたことに加えて、王子・伊藤忠エネクス電力販売(株)も加わり、電力販売量は前期比52.5%増の1,616GWhとなった。利益面では、増収効果に加え、電力卸売市場からの調達コスト低下と、東京都市サービス(株)における原油価格下落に伴う原材料費の減少、電力小売販売量の増加(前年の409GWhから871GWhへと倍増)による営業利益率改善が寄与し、前期比大幅営業増益となった。

d)エネルギーイノベーション部門
エネルギーイノベーション部門は売上高398,852百万円(前期比31.7%減)、営業利益3,774百万円(同41.7増)と大幅減収・大幅増益で着地した。減収の原因は、原油価格下落を受けた石油系製品の価格下落、アスファルトの需要低迷(販売数量10.3%減)に加え、非効率取引の見直しなどだ。営業利益が大幅増となった要因は、アスファルトを除いては産業用燃料、船舶燃料、フリート事業などが順調に推移したことや、コスト削減努力が奏功したことなどだ。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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