8133 伊藤忠エネクス 東証1 15:00
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2015年09月09日17時21分

伊藤忠エネクス Research Memo(2):第1四半期としては売上総利益、営業利益は過去最高を更新


■2016年3月期第1四半期決算の詳細

(1)決算概況

伊藤忠エネクス<8133>の2016年3月期第1四半期決算は、売上高284,999百万円(前年同期比15.2%減)、売上収益191,056百万円(同15.8%減)、売上総利益20,537百万円(同19.7%増)、営業活動に係る利益(以下、「営業利益」)2,758百万円(同69.0%増)、税引前利益2,620百万円(同55.6%増)、親会社株主に帰属する純利益(以下、「純利益」)1,339百万円(同75.6%増)となった。減収ながら大幅増益であり、第1四半期としては売上総利益、営業利益は過去最高益を更新した。

第1四半期の業績は一見すれば素晴らしいものであるが、先行きについての楽観は控えるべきであるというのが弊社の見解だ。同社の取扱商品には下期に需要期を迎えるものが多く、第1四半期の業績が通年の業績に占める割合は小さいことがその直接的な理由だ。また、同社の業績は天候によって大きく影響されるが、これは誰にも予想ができない要素だ。さらに、足元では原油価格が軟調で推移しており、この点も今後の同社の業績について楽観を許さない要素となっている。総括すれば、今第1四半期決算は同社の言う「無難なスタートを切った」という評価が妥当なところであり、今後の推移を注意深く見守りたいというのが弊社の評価だ。

(2)ホームライフ事業の動向

ホームライフ事業の業績は売上高23,651百万円(前年同期比13.6%減)、営業利益584百万円(同52.5%増)となった。

ホームライフ事業の中核事業はLPガス(プロパンガス)の販売で、子会社を通じて約34万世帯に直接販売するほか、約1,900の販売代理店を通じて計全国約108万世帯に販売している。これだけの顧客規模を有する同社は、LPガス在庫を保有することになるが、その在庫分について、原油価格の変動の影響を月次ベースで受ける構造となっている。すなわち、同社は毎月CP(コントラクトプライス)と呼ばれる価格がベースとなる輸入価格リンクで元売からLPガスを仕入れ、その結果、繰越在庫分と合わせて移動平均在庫価格(売上原価)が決まる。他方、同社は元売からの仕入れ価格にマージンを乗せて販売する。CPは原油価格に連動して動く仕組みであるため、原油価格下落局面では、相対的に高い売上原価となり本来得られるべき利益が圧縮され、場合によっては損失となる。

今第1四半期は、3月末に相対的に高い在庫を持っていたため、今第1四半期においてもマイナスの在庫影響額が発生した。ただし、その額は前年同期に比較して軽微であり、その差額が営業利益の増益額となって表れた形となった。LPガスの販売数量は前年同期比横ばいで推移した。

(3)カーライフ事業の動向

カーライフ事業の業績は、売上高135,952百万円(前年同期比7.5%減)、営業利益245百万円(前年同期は433百万円の営業損失)となった。

カーライフ事業では原油価格の下落がポジティブに作用した。すなわち、ガソリン価格が下落したことで、販売数量が伸長した。ただし、ハイブリッド車など低ガソリン消費型自動車の普及拡大や、少子高齢化によるドライブキロ数低下などの構造的問題が依然として継続している点には留意しておく必要があろう。販売数量の増加はガソリン価格下落という要因だけでなく、前年同期に消費増税後の反動減で販売数量が落ち込んだことによる、自律反発の要素も大きかったと弊社ではみている。

営業損益が黒字転換した要因としては、前述の販売数量増加に加えてコスト削減が挙げられる。

(4)電力・ユーティリティ事業の動向

電力・ユーティリティ事業の業績は、売上高10,179百万円(前年同期比10.4%増)、営業利益1,150百万円(同6.3%減)となった。

売上高が増収となったのは、発電量が増加したことによる。同社は2014年10月に新潟県胎内市の風力発電設備を、また、2015年3月には山口県防府市の石炭火力発電設備を、それぞれ新規稼働させた。目下のところ、これら新規設備も、既存設備と合わせて、順調な発電が続いている。

利益において減益となったのは、特殊要因によるものだ。前年同期においては発電設備故障に伴う保険金収入が2億円ほど営業利益を押し上げていた。これを除いた実質ベースでは、今第1四半期も10%程度の増益だったと試算される。また、大規模ビル・再開発地区に対する熱供給事業においても、今第1四半期は好天に恵まれた結果、冷房用熱需要が好調で、前年同期比増収増益となったもようだ。

(5)エネルギートレード事業の動向

エネルギートレード事業の業績は、売上高115,217百万円(前年同期比24.4%減)、営業利益470百万円(同2.4倍)となった。

売上高が減収となった背景は、原油価格に連動して石油製品の販売価格が対前年比大幅に下落したためだ。ただし同社が国内トップクラスのシェアを有するアスファルトについては、今期は需要反転を期待したため、今第1四半期の需要低迷は、期待外れだったと言えよう。

利益面では流通体制高度化や非効率取引の見直しなどもあって、前年同期比で大きく改善した。前述のようにアスファルトは原油価格下落の影響と数量減で苦戦したが、それ以外の主要製品グループは軒並み、前年同期比で1~2億円の利益改善となり、アスファルトの減益を吸収してセグメント利益を押し上げた。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《YF》

 提供:フィスコ

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