貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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8015 豊田通商

東証P
10,330円
前日比
-155
-1.48%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
11.4 1.61 2.42 4.08
時価総額 36,574億円
比較される銘柄
トヨタ, 
住友商, 
三菱商
決算発表予定日

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重要性増す「組み込みソフト」、伸びる自動車向けで強み持つ企業は <株探トップ特集>


―市場規模拡大で商機、IoT社会進展も後押し―

 組み込みソフトウェア の重要性が増している。組み込みソフトとは、ファームウェアやエンベデッドソフトともいわれ、自動車や電化製品などさまざまな機器に搭載され、特定の機能を実現するための専用ソフトのこと。例えば、電波式デジタル時計の場合では、現在時刻を取得する機能と、表示装置に表示するといった機能を担うのが組み込みソフトとなる。もちろん、1台で複数の機能を持つ機器であれば、複数の組み込みソフトが必要となる。

 NEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)技術戦略研究センターが2016年に作成した資料によると、14年の組み込みソフトウェア関連製品の国内市場は796億円だった。同年の世界市場規模は1兆1352億円で、さらに30年には1兆9900億円規模に拡大すると予想している。

●高品質のソフト開発で日本企業に優位

 組み込みソフトの拡大を後押しするのが、さまざまなモノがネットに接続されるIoT社会の進展と言われている。IoT 社会における組み込みソフトは、他のさまざまなモノと情報をやり取りしながら、状況に応じて各々の機能を発現する処理能力が要求され、同時に1台当たりの搭載数も増加するとみられている。

 例えば、組み込みソフトの約3割を占めるといわれている自動車分野では近年、衝突被害軽減ブレーキや車線維持システム、車間距離制御システム、駐車支援システムなどが実用化されたが、これらの装置に搭載された組み込みソフトは単独で作動するのではない。走行状況に合わせた最適な選択をするために、他の装置と連携しながら作動するといったより複雑な処理能力が求められることになり、組み込みソフトの高度化が必要となる。高品質のソフトを開発する能力に優れている日本企業にとって、活躍の場が広がることになろう。

●自動車向けに強みを持つ企業に注目

 そこで注目したいのが、 自動車向け組み込みソフトで強みを持つ企業だ。

 システナ <2317> は、設立以来一貫して組み込みソフトを手掛けている。FAXや測定機などの組み込みソフトからスタートし、モバイル端末向けを手掛けることで業績を拡大してきた。自動車向けではパナソニック <6752> に対して車載システムを提供しているが、省燃費分野や自動運転 などでは他社にも拡大しており、今後も経営資源を集中させる重点分野として注力する方針だ。

 セック <3741> もモバイルやロボット向けなどの組み込みソフトに強みを持つが、自動運転に関する案件も豊富に手掛けている。同社では宇宙先端システム分野の一環として自動運転システムの開発に取り組んでいるが、18年3月期は大手自動車メーカーからの開発案件が堅調に推移したとしており、業績の牽引役として期待されている。

●自動運転に関する開発ニーズが増加

 富士ソフト <9749> は、約2000人の組み込み技術者を擁する大手で、なかでも自動車向けやFA 向けに強みを持っている。ブレーキ制御やステアリング制御などの組み込み開発から、ステレオカメラによるADAS(先進運転支援システム)の開発、車載ソフトの共通化を実現する「AUTOSAR(オートザー)」導入なども手掛けており、足もとの18年12月期上期業績でも、車載ソフトの開発ニーズが拡大しているという。

 また、豊田通商 <8015> は子会社ネクスティ エレクトロニクスを中心にエンジニアを増員し、自動車向け組み込みソフトの開発を強化している。特に自動運転など次世代の技術開発を加速させる方針で、これにはフィックスターズ <3687> が得意とする最適化技術などを活用してネクスティと連携している。

 さらにデンソー <6902> は、東芝 <6502> [東証2]系の組み込みソフト開発会社に出資し、車載向け組み込みソフト開発で連携を強めている。両社はこれまでにも高度運転支援や自動運転の分野で、画像認識システム向けの人工知能(AI)技術を共同で開発するなどしてきたが、この資本提携により、協力関係を強化させている。

●組み込みソフトの技術参謀にも注目

 このほか、組み込みソフト開発中堅のソーバル <2186> [JQ]や日本プロセス <9651> [JQ]なども、自動運転関連のシステム開発の受注が増加したことによる業績への寄与度が大きく注目したい。

 さらに、組み込みソフトの設計技術に特化したコンサルティング会社であるエクスモーション <4394> [東証M]は、トヨタ自動車 <7203> や日産自動車 <7201> 、ホンダ <7267> などの完成車メーカーをはじめ、部品メーカーなどを多く顧客に持ち、自動車分野の実績も豊富なことから、自動運転に関する組み込みソフト開発でもその技術参謀役として活躍しそうだ。

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