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東証S
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【村瀬智一が斬る!深層マーケット】 ─新型肺炎パニックに揺らぐ株式市場だが、正常化に向かう兆しも


「新型肺炎パニックに揺らぐ株式市場だが、正常化に向かう兆しも」

●新型肺炎を巡る“緊急事態宣言”で一段と強まる警戒感

 今週の日本株市場は、波乱含みの相場展開となった。 新型肺炎を巡り中国での感染者拡大や団体客の渡航中止などが伝わる中、中国経済のみならず世界経済への影響なども警戒され、週明け27日の日経平均株価はギャップスタートから一気に2万3300円台まで下落をみせた。

 その後はテクニカル的な支持線として意識されていた75日移動平均線レベルでの攻防が続く中、世界保健機関(WHO)が2回目となる緊急の委員会を30日に開催し、「国際的に懸念される公衆衛生上の緊急事態」にあたるか改めて協議を行うと報じられた。これを受けて市場の不透明感が一段と強まる中、休場明けの台湾市場の下落などもセンチメントを悪化させ、日経平均は30日に約3カ月ぶりに終値で2万3000円の大台を割り込んだ。ただ、WHOは「緊急事態」を宣言したものの、渡航や貿易を制限する勧告は見送ったこともあって、週末31日は米国市場同様に自律反発の流れが強まった。

 来週は春節を終えて再開する中国・上海市場の急落が警戒されるが、日経平均は1月高値から1200円以上下げていただけに、週末の反発はいったんショートカバーの買いが向かった面もあろう。

 また、決算発表が本格化する中、米ザイリンクスの減収減益決算が嫌気されて急落していたアンリツ <6754> がコンセンサスを上回る決算を発表し、通期計画を上方修正したことで5G半導体関連を中心に見直し機運が台頭。新型肺炎でリスクオフに覆われた市場にも、ようやく正常化に向かう兆しがみえた格好である。

 ただし、新型肺炎の早期封じ込めに成功し、リスクオフの状況が急速な変化をみせることは期待しづらいところではある。また、WHOの緊急事態宣言を受けて世界各国の検疫態勢が一層強化されることは必至である。ヒトやモノの動きが一段と停滞する恐れがあり、世界経済への影響が次第に警戒されてくる可能性は意識しておきたい。特に各国が中国湖北省武漢からの帰国者を離島などに隔離して警戒を強める中、日本では未検査のまま帰宅を許すなど対応の甘さもみられる。こうした対応の甘さが日本株市場からの資金流出につながるリスクも警戒しておきたいところ。

●決算材料を軸に日替わりの個別物色か

 市場が正常化に向かうようであれば、本格化する決算を手掛かりとした物色に向かいやすい。2月3~7日の週には約1050社、10~14日には約1180社の決算発表が予定されておりピークを迎える。新型肺炎関連の物色については短期筋の資金集中の流れは続きそうだが、パニック的な相場環境の中でイレギュラー的に売られている銘柄も少なくないだろう。

 米国ではアップルなどの主要企業で好決算がみられる一方で、半導体株の戻りはいま一つである。リスクオフムードの中でこれまで牽引してきた半導体株への利益確定ともなれば、日経平均の戻りも限られる。そのため、当面はセクターではなく、決算を手掛かりとした個別での日替わり物色が中心になりやすい。

 そのほか、新型肺炎の感染者拡大を背景に、現在のマスク関連中心の物色にも広がりがみられる可能性がある。また、個人主体の資金が新型肺炎関連に向かう過程で、これまで強い値動きをみせていた中小型株の利益確定につながった面もあるだろう。市場が正常化に向かう流れも想定し、大きく調整している中小型株についても注目銘柄として取り上げたい。

●今週の活躍期待「注目5銘柄」

◆ウェーブロックホールディングス <7940>
壁紙・防虫網でトップ。食品包材や産業・自動車関連資材など幅広い製品を展開。身近なところではアレルゲン物質を閉じ込める機能性壁紙、虫の侵入を忌避する薬剤を練り込んだ防虫網(網戸)などがある。なお、グループで建設資材や農業資材などを手掛けるイノベックスは、短納期・低価格で組み立て・解体が簡単なクリーンブースを手掛けており、広範囲でみたところの新型肺炎の一角ともいえそうだ。

◆天昇電気工業 <6776> [東証2]
金型設計から製造・販売までを手掛けるプラスチックの総合メーカー。自動車・家電メーカー向けに内外装品や機能部品の設計、成形、加飾、組み立てなどを行う。また、オリジナル製品として医療廃棄物専用容器「ミッペールシリーズ 」を手掛ける。医療廃棄物の不適切な処理は新型コロナウイルスによる新たな感染者を生むことにつながる可能性もあるため、物色に広がりがみられる局面において注目されよう。

◆Link-U <4446> [東証M]
ニーズに合わせサービスごとに自社で設計したオリジナルサーバーを開発。iOS、Android、ウェブの各プラットフォームにおいてクオリティの高いアプリケーションを提供する。主に電子書籍動画配信の分野で実績と強みを持つ。株価は強いトレンドが継続していたが、1月半ばにつけた高値2478円をピークに調整しており、押し目拾いのスタンスで。

◆HENNGE <4475> [東証M]
SaaS認証基盤である「HENNGE One」事業が主力。IP制限、二要素認証など豊富な認証機能を持つセキュリティサービスを提供する。株価は昨年11月安値1404円をボトムに、上昇する25日移動平均線に沿った強いトレンドを形成。1月高値2229円をピークに調整をみせているが、下値支持線レベルまでの調整を経て反転に期待。

◆サイバー・バズ <7069> [東証M]
インフルエンサーを主軸としたソーシャルメディアマーケティング事業を展開。インスタグラムやツイッターといった ソーシャルメディアで特に高い影響力を有するインフルエンサーに、企業の商品・サービスのPRに協力してもらう承認制の会員サービスなどを手掛ける。昨年9月の上場後、株価は強い相場展開を続け、1月9日には8760円の高値をつけている。その後、調整をみせており、直近で75日移動平均線水準まで下落。押し目拾いのスタンスで注目したい。

(2020年1月31日 記)


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