貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
株価20分ディレイ → リアルタイムに変更

7915 NISSHA

東証P
1,566円
前日比
-30
-1.88%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
20.4 0.68 3.19 9.38
時価総額 796億円
比較される銘柄
TOPPAN, 
大日印, 
フルヤ金属
決算発表予定日

銘柄ニュース

戻る
 

UTグループ Research Memo(1):日本の製造派遣分野におけるリーディングカンパニーを目指す


■要約

1. 事業領域
UTグループ<2146>は、2018年3月期からは従来の製造派遣事業を一般的な製造業向け人材派遣・請負を行うマニュファクチャリング事業と、構造改革支援に特化したソリューション事業に分割。従来からのエンジニア派遣事業をエンジニアリング事業と改称し、3事業によるセグメントで情報開示を行うこととした。マニュファクチャリング事業の主要顧客業種は、半導体・電子部品、自動車関連分野の2業種で、売上の約8割を占め、NISSHA<7915>、パナソニック<6752>、ソニー<6758>、ローム<6963>グループなどを主要顧客とする半導体関連産業への製造派遣・請負社員数は業界トップを誇る。派遣社員の無期雇用や職能給制度などを業界でいち早く導入し業界No.1の定着率を実現、「工程一括請負」という独自のビジネスモデルで他社と差別化を図り、事業を拡大してきた。

2. 2018年3月期連結決算
2018年3月期業績は、売上高が81,751百万円(前期比42.0%増)、営業利益が5,197百万円(同52.2%増)、経常利益が5,222百万円(同56.3%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が3,534百万円(同73.9%増)であった。2ケタ増収・増益となり、8期連続して増収・増益を確保、売上高・営業利益とも前期に続き過去最高値を更新した。計画値を大きく上振れして好業績を収めた要因は、1)前期に続き、2015年9月に施行された改正労働者派遣法が同社にとってプラス要因として働いている、2)新型車、次世代スマートフォンなどの同社の主力顧客業種における需要が旺盛である、3)高単価、大ロット、高採算案件を選別受注している、ことなどである。期末の技術職社員数は過去最高の18,569人(前期比3,081人増。内訳はマニュファクチャリング14,781人、ソリューション2,008人、エンジニアリング1,780人)。全国的に月間1,000人の採用基盤を確立したことに加えて、配属時期と人数を確約するコミット受注で好条件の案件を選別・獲得し、好調に推移した。

2019年3月期は、売上高が100,000百万円(前期比22.3%増)、営業利益が7,000百万円(同34.7%増)、経常利益が6,900百万円(同32.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益が4,480百万円(同26.7%増)と、2ケタの増収・増益を見込む会社計画となっている。2019年3月期についても、継続的な人手不足から多くの分野で人材需要が大きい。また改正労働者派遣法や改正労働契約法など、法改正等の影響が同社にとって有利に働く状況が今後も継続する、としている。中期経営計画における進捗状況を見ると、2018年3月期で売上高を除く各経営指標は既に中期経営計画を超過達成するペースで伸長しており、2019年3月期もこの傾向は変わらない。さらに、M&Aや予算値に織り込まれていないソリューション事業が順調に拡大すれば、売上高についても年度の中期計画目標値をも超過達成する可能性もあるとみる。

3. 中期経営計画
2015年7月に発表された新しい中期経営計画(2017年3月期~2021年3月期)の概要は、「はたらく力で、イキイキをつくる。」というグループミッションのもと、第2の創業期として「日本全土に仕事をつくる」を新しいビジョンに掲げ、2021年3月期に在籍社員数29,000人、売上高1,450億円、EBITDA100億円、営業利益82億円、当期純利益55億円を目標に、雇用サービス業界において日本を代表するリーダー企業へ成長することを目指すというものだ。目標とする経営指標については、積極的なM&Aを行うことを前提に、成長と財務の安全性の両立を目指し、2017年3月期から一部が修正され、「EBITDA成長率30%以上(5ヶ年計画の平均成長率)」、「総還元性向30%以上」、「グロスDEレシオ※1.0以下(2021年3月期に実現)」、をコミットメントとすることに変更された。

※企業の資金源泉のうち、有利子負債が株主資本の何倍に当たるかを示す指標で、一般にこの数値が1以下だと財務内容が健全とされる。


4. 株主還元
株主還元については、総還元性向30%以上をコミットメントとし、PEGレシオ(予想PER÷年間EPS成長率)の値により決定することを基本方針としている。2019年3月期は、415千株を上限 とする総額1,061百万円の自社株買いの実施(取得期間2018年5月11日~2018年8月10日)を決定した。新中期経営計画でのコミットメント変更により、業績及び株式市場の動向を考慮した上で、配当及び自己株式の取得の組み合わせにより、総還元性向30%以上となる利益配分を予定している。

■Key Points
・2018年3月期は8期連続の増収増益、売上高・営業利益とも過去最高値を更新
・企業(モノづくり関連の顧客大企業)と個人(求職者・従業員)のツインカスタマー戦略
・改正労働者派遣法などが追い風で、2019年3月期も好業績期待

(執筆:フィスコ客員アナリスト 山田 秀樹)

《MH》

 提供:フィスコ

株探からのお知らせ

    日経平均