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7889桑山

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桑山 Research Memo(6):メーカーに徹し停滞する市場でシェアアップ


■会社概要

5. 業界と桑山<7889>のポジション
日本のジュエリー市場は90年のバブル崩壊をきっかけに3兆円から1兆円へと縮小した。そのうえ少子高齢化や未婚率の上昇で市場が伸びず、小売市場ではパイの奪い合いが激しくなっている。小売市場で戦っているのは百貨店の1階に出店しているような小売専門店であり、多くが同社の取引先である。ということは、同社製品が各店に並んでいることになるのだが、OEM/ODM製品なので同じものが売られているわけではない。同社の製品力の凄さに驚くばかりだが、小売り段階でのシェア取り合戦に違いはない。

同社は直販をするつもりがない。取引先と直接競合してしまうし、作るノウハウと売るノウハウは異なるという認識を持っているからである。ジュエリーは多品種少量で嗜好品かつ買い回り品である。このため所有欲求以上にシーンとかストーリーが購買動機となる。そうなると店頭での接客や内外装、商品の打ち出し方など販売の技術が必要となるが、同社はこの分野には入らず、メーカーに徹する方針である。中国でもOEM/ODM製品を香港や中国本土の大手ジュエリーチェーンに販売しているが、同様の考え方である。

ジュエリーの製造小売(メーカーであり専門店チェーンである)は、国内ではツツミ<7937>とAs-meエステール<7872>くらいであろう。彼らとは取引先を競い合う間柄ではなく、むしろ小売業としての取引先となる。一方、ジュエリー市場の川上における競合メーカーは、比較的大手では光彩工芸<7878>やナガホリ<8139>と言えようが、前者は製造品目の範囲が異なり競合性は低い。後者は卸であり直販であり一部製造もやっているので、これもやや業態として異質である。両社とも規模感で同社に劣る。

むしろ、日々、品目別に競合しているのが、宝飾品の集積地甲府にあるような小規模のファッションジュエリー専業メーカーやフットワークのいい企画会社である。これらは品目においてピンポイントで競合することがある。特にOEM/ODMで競争が激しくなることがあるが、小規模ゆえ企画力や製造力が安定しないという欠点がある。国内にジュエリーメーカーは400社弱あるといわれるが、その8割が10人以下の小規模企業である。100人以上の企業は10社もなく、その10社とも業態が違うと言える。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 宮田仁光)

《TN》

 提供:フィスコ

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