桑山 Research Memo（4）：ハイレベルの製造能力、標準化されたクオリティ、卓越した企画力

　

■会社概要

3. 強みは桑山品質を支える製品力
桑山<7889>は豊富な経験とノウハウを生かし、「クオリティ・ファースト」を掲げて顧客の立場に立った視点で商品開発からアフターケアまでの充実したサービスをトータルで提供している。

生産については、世界トップレベルの技術と設備によって、インゴットから製品までを一貫生産している。このため、多品種少量生産からOEM/ODMまでに対応、安定した品質の製品を安定して供給できる。主力のジュエリーやチェーンのほか、ルースやジュエリー用パーツなど品ぞろえの幅が広い。調達も、ダイヤモンドやパール（アコヤ真珠、南洋真珠）は国内外の大手業者とのパートナーシップにより、安定した供給ルートを確保している。また、創業当時からジュエリー用チェーンやカットボール、留め具類といったパーツの開発にも取り組んでいる。同社の強みはハイレベルの製造能力、標準化されたクオリティ、卓越した企画力に裏付けられた「製品力」にある。

総合ジュエリーメーカーとして、全方位に亘る商売ができるからこそのシナジーがある。同社の営業部隊は、通常の営業と工場出身の技術営業がペアを組むため、商談の段階で生産基地を決定できるなど、商品開発からアフターサービスまで一貫して寄り添った営業が可能になっている。また、サンプル作製時は3D図面で事前確認を行うなど顧客と緊密なコミュニケーションをとっており、実際のサンプル作成の段階で顧客の意向を高精度に反映することができる。

企画・デザインではデザイナーが3D図面でイメージを作り、職人の手や3D-CAD・3Dプリンターを用いてプロトタイプ化される。こうした職人技や最先端の技術によって企画・デザインされた製品は、各製造工程でロットでの品位検査やチェーンの引張強度検査など多角的に検査・分析され、製品出荷時には製造部門から独立した品質保証部門によって出荷検査される。このように、厳しい基準に基づく品質検査を義務付けることで、安定した品質を確保している。また、アフターサービスにおいては、グループの専門修理部隊が顧客の要望に速やかに対応することになっている。

このようにオリジナリティあふれるデザイン力、世界トップレベルの生産技術と品質基準、顧客に寄り添った営業体制と本社の品質保持体制など、全社的な取り組みが顧客の安心につながっており、これを「桑山品質」という。

ちなみに、同社のデザイナーには高いファッション性と絵を描く能力が求められるのはもちろん、3Dプリンターまで含む3D技術に対する工学的論理性も必要とされる。また、ジュエリーに新しい輝きを与える新素材開発や生産性を高める新技術開発も、自社ではもちろん、大学や公共機関との共同研究や異業種との技術交流によって積極的に推進している。

（執筆：フィスコ客員アナリスト　宮田仁光）

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