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7817 パラベッド

東証P
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プラッツ Research Memo(6):2021年6月期第2四半期の営業利益は、前年同期比79.4%増


■業績動向

1. 2021年6月期第2四半期の連結業績概要
(1) 業績概況
プラッツ<7813>の2021年6月期第2四半期の売上高は前年同期比9.7%増の3,414百万円、営業利益が同79.4%増の469百万円、経常利益が同57.8%増の512百万円と大幅な増益を達成した。親会社株主に帰属する四半期純利益は、訴訟損失引当金繰入額(496百万円)を特別損失に計上したため、同91.1%減の25百万円であった。計画値との比較はない。新型コロナウイルス感染症の影響で、期初予想の発表は見送られた。

介護保険制度の状況は、2020年9月時点の要支援及び要介護認定者の総数が前年比1.1%増加し695万人、総受給者数は同2.1%増の525万人となった。福祉用具貸与制度における特殊寝台利用件数は、前年比4.4万件(4.7%)増の98.5万件であった。国土交通省の高齢者等居住安定化推進事業に基づく高齢者住宅(サービス付き高齢者住宅)は、7,697棟(前年比3.7%増)、25.9万戸(同4.7%増)となった。市場は、安定的に拡大した。

(2) 市場別売上高動向
市場別売上高動向は、コロナ禍の影響の度合いにより異なった。2020年4月に第1回目の緊急事態宣言が発出して以降、経営が悪化した医療機関とクラスターの発生が憂慮される高齢者施設向けは、同社及び代理店とも営業活動が制約された。一方、在宅用の福祉用具流通市場は、2020年7月以降に需要が持ち直した。営業活動を強化した福祉用具流通市場においては、「ミオレットIII」の好調さもあり、売上高が2,800百万円、前年同期比12.2%増となった。一方、3年前から注力している医療・高齢者福祉施設市場は467百万円、同4.8%増と伸び悩んだ。家具流通市場は、国内人口の減少を受けて年々縮小傾向にある。売上高は同1.7%減の68百万円へ縮小した。海外市場の売上高は、77百万円と同19.4%減の大幅な落込みとなった。2019年は、主力の中国市場で高齢者施設の案件が活発化したが、2020年に入りコロナ禍で下火となった。

(3) 営業利益の増減要因
営業利益の増益額207百万円の内訳は、増収による増益が121百万円、利益率向上が56百万円、販管費の削減が31百万円であった。売上総利益率は前年同期比1.6ポイント増の41.9%に上昇した。売上総利益率上昇の要因として、円高により仕入コストの低減、利益率の高い福祉用具流通市場の2ケタ増収によるプロダクトミックスの改善とベトナムの製造拠点のコストダウンが挙げられる。2021年6月期第2四半期の為替レートは、1米ドル当たり106円を社内レートとしていたが、実績は105.93円と前期の108.06円より円高に振れた。2019年10月にベトナムの製造拠点を統合した効果が、生産性向上として現われた。販管費は、コロナ禍により出張にかかる交通費や交際費が減少した。コロナ禍を機に、テレワークの推進、Webを活用した効率的な営業の展開など働き方改革を進めた。

(4) 特別損失 - 訴訟損失引当金繰入
2017年7月に、パラマウントベッド(株)(パラマウントベッドホールディングス<7817>の子会社)は、同社に対し特許侵害の訴訟を起こした。3件の特許権を侵害しているとし、損害の一部の支払と販売中のベッド「ラフィオ」シリーズの販売差止を求めた。請求金額は、当初550百万円であったが、2020年6月に1,299百万円に変更してきた。2020年9月に、東京地方裁判所はパラマウントベッドの請求を一部認容し、381百万円及びその遅延損害金を支払う旨の判決を言い渡した。ただし、「ラフィオ」の販売差止の申し立ては退けられた。この判決を受け、同社は2021年6月期第1四半期に請求額及び遅延損害金ならびに弁護士費用等の見込額を訴訟損失引当金繰入額として491百万円を特別損失に計上した。両社とも、判決を不服として、知的財産高等裁判所に控訴した。今後、同社の主張が認められれば、引当金からの繰り戻しが特別利益に、反対に支払う損害金が増えれば特別損失を新たに計上することになろう。

2. 財務状況と経営指標
2021年6月期第2四半期末の総資産は5,998百万円と前期末比865百万円増加した。増加の内訳は、流動資産が677百万円増(現金及び預金245百万円増、受取手形及び売掛金244百万円増、たな卸資産134百万円減)、固定資産が188百万円増であった。同社のバランスシートは、ファブレス体制のため有形固定資産の割合が小さく、流動資産と投資その他の資産が大きい。買掛金は96百万円にとどまり、運転資金要調達期間のCCC(キャッシュ・コンバージョン・サイクル)を見ると、売上債権回転日数が59日、たな卸資産回転日数が54日、買入債務回転日数が9日、CCCが104日となった。長短有利子負債額は、同564百万円増の2,138百万円であった。財務の安全性を見る比率では、流動比率が179.3%、自己資本比率が43.7%といずれも水準は高いが、前期末より低下した。

2021年6月期第2四半期末の現金及び現金同等物の残高は1,754百万円と前期末比245百万円増加した。営業活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の348百万円の入金に対し、79百万円の出金であった。たな卸資産の減少(136百万円)を売上債権の増加(243百万円の減少)が上回った。投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出が少額であるため、収支見合いであった。財務活動によるキャッシュ・フローは、短期借入金の純増により、337百万円の入金になった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 瀬川 健)

《ST》

 提供:フィスコ

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