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7777 3DM

東証G
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PTS
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15:55 03/29
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3Dマトリック Research Memo(1):後出血予防材のCEマーキング取得と国内での止血材の治験終了が注目材料に


■要約

スリー・ディー・マトリックス<7777>は2004年に設立されたバイオマテリアル(医療用材料)のベンチャー企業である。米マサチューセッツ工科大学において開発された「自己組織化ペプチド技術」を使って外科医療分野の吸収性局所止血材(以下、止血材)や粘膜隆起材、再生医療分野の歯槽骨再建材のほか、医薬品分野では核酸医薬向けDDS(ドラッグ・デリバリー・システム)等の開発を国内外で進めている。

1. 2019年4月期第1四半期業績
9月13日付で発表された2019年4月期第1四半期(2018年5月-7月)の事業収益は前年同期比20.8%減の52百万円、営業損失は569百万円(前年同期は415百万円の損失)と概ね計画通りの進捗となった。止血材の販売は欧州向けが前年同期比36.0%増の37百万円、アジア・オセアニア向けが同62.6%減の14百万円、中南米向けが同6.8%減の1百万円となった。アジア・オセアニア向けは前年同期にまとめ発注で売上水準が高かったため減収となったが、主力のオーストラリアの販売代理店であるゲティンゲグループの医療施設向け販売高は、取引施設数が拡大していることもあり前年同期比2倍増ペースで拡大している。費用面では国内における止血材の治験費用増を主因として研究開発費が前年同期比83百万円増となったほか、欧州の営業体制強化に伴う人件費増を主因に販管費が同71百万円増となり、営業損失の拡大要因となった。

2. 主要パイプラインの開発スケジュール
国内で実施されている止血材の臨床試験については、当初の想定よりも組入れ完了時期がやや遅れて2018年12月~2019年1月頃となる見通しだが、着実に症例を積み上げていることから、2019年4月期中の承認申請を目指す方針に変わりない。また、英国での医師主導の臨床研究(Prospective Observational Purastat Study、以下POPS)については倫理委員会の承認が下りたことから、第2四半期以降、開始される見通しだ。欧州での後出血予防材のCEマーキング承認取得については、追加データの要請がないことから承認取得の可能性は高く、2018年秋から年末にかけて取得との見方に変わりない。承認が取得できれば、消化器内視鏡領域での止血材との併用が期待され、クロスセルによる売上拡大が見込まれている。また、米国での耳鼻咽喉科領域を対象とした癒着防止材については動物実験が終了し、現在は510(k)申請※に向けた検討を進めている段階で、早ければ2018年内での申請を実施し、2020年4月期の販売開始を目指している。その他、欧州で開発を進める次世代止血材や国内における粘膜隆起材については、開発進捗と開発資金のバランスを考慮し、臨床試験の申請を行う予定となっている。

※510(k)申請とは市販前届出制度のこと。米国内で医療機器を販売する際に、既に販売されている類似製品があれば安全性や有効性において同等以上であることのデータをFDA(米国食品医薬品局)に提出することで、販売の許認可が得られる制度。申請後、FDAが90日以内に販売承認の可否の判断を行う(質問・追加データ要請等の時間を除く)。


3. 2019年4月期の業績見通し
2019年4月期の事業収益は512~2,562百万円(前期は228百万円)、営業利益は2,217百万円の損失から203百万円の利益(同1,874百万円の損失)を計画している。事業収益の幅は契約一時金及びマイルストーン収入の有無によるもので、主に欧州市場での止血材の独占販売ライセンス契約の有無で2,000百万円を見込んでいる。また、止血材売上高については欧州、オーストラリアを中心に前期比2.2倍増の512百万円を計画している。欧州では前期から販売代理店となったPENTAX向けが当第2四半期以降、本格寄与するほか、英国でも新たに販売代理店となったAquilantの本格稼働による売上増が見込まれる。また、オーストラリアでも対象領域並びに販売先医療施設の拡大により売上増が続く見通し。なお、2018年中にカナダでCEマーキングを取得できる可能性があり、認証取得後は速やかに販売パートナーを決めて製品販売を開始する予定となっている。なお、手元キャッシュの状況について見ると、2019年4月期第1四半期末の現金及び預金は853百万円だが、2018年8月に新株予約権の行使に伴い412百万円を調達しており当面の事業活動資金は確保している。

■Key Points
・止血材「PuraStatR」は後出血予防材、癒着防止材として応用展開を進める
・2018年秋以降、後出血予防材のCEマーキング取得等、パイプラインの進捗が相次ぐ見通し
・2021年4月期に製品売上高だけで57億円を達成し、営業利益の黒字化を目指す

(執筆:フィスコ客員アナリスト 佐藤 譲)

《MH》

 提供:フィスコ

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