貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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7751 キヤノン

東証P
4,501円
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業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.6 1.33 3.33 8.49
時価総額 633億円
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明日の株式相場戦略=引き続きカギ握る半導体、材料株物色は決算期にヒント

 いよいよ国内企業の19年4~6月期決算発表が本格化する。きょう(24日)は日本電産<6594>、信越化学工業<4063>、キヤノン<7751>、アドバンテスト<6857>などが引け後に発表しており、これらを横睨みにあすの株式市場がどういった動きを示すかで、全体相場の方向性が見えてくる。

 前日の米国株市場では、USTRのライトハイザー代表と米政府高官が今月29日に中国を訪問すると伝わり、米中貿易交渉の進展期待が株高を後押しした。これを受け、きょうの東京市場はリスクを取る動きが優勢となり日経平均は続伸、2万1700円台を回復し約3週間ぶりの高値圏で着地した。“リスクを取る動き”というと、そこには人間の意思が感じられるが、実際は市場参加者不足のなか、2万1700円を軸に狭いレンジを横に這い続ける典型的なアルゴリズム売買主導の展開だった。ひとことで言えば前日の米国株高に追随したリスクオンで、スタートから自動運転的な要素の強い相場ではあった。

 しかし、中身を見ると潮の流れが発生しているように見える。半導体関連セクターが引き続き買われている。東京エレクトロン<8035>は後半伸び悩んだとはいえ、一時1万8195円まで買われ、4月19日につけた年初来高値1万8215円を指呼の間に捉えた。アドバンテスト<6857>、ディスコ<6146>などは年初来高値を更新した。年初来高値とはいえ東エレクもディスコも昨年来の下げトレンドを考えれば、まだ山麓に位置している状況にあり、それほど特筆されるようなものでもない。

 ただし、アドバンテストは別格でリーマンショック前の2007年以来約12年ぶりの高値圏にある。そして、そのアドバンテストがきょう発表した4~6月期決算は最終利益が前年同期比13%減の120億円と2ケタ減益だった。ここまで4日続伸で、きょうの決算を先回りして上値を買われた印象が強い同社株だが、果たしてあすの値動きがどうなるかに注目が集まる。要は市場コンセンサスに対してどういう決算内容だったかが重要であり、一概に減益だから売りというわけではない。ひとつ注目しておきたいのは信用取組で直近の信用倍率が0.49倍と大幅に売り長であること。ちなみに日証金では逆日歩が付いた状態。仮にミニ踏み上げ相場的な動きとなれば、半導体セクターに対するマーケットの見方も変わってくるのではないか。

 中国関連で注目されたのは日本電産。こちらの決算も厳しかった。中国景気減速の影響が直撃して営業利益は4割減。株価の位置はちょうど中段で26週移動平均線絡みにあり、ここからどちらに放れるかは注目となる。

 きょうのマーケットでは、半導体関連の中小型株も強かった。そのなか、栄電子<7567>が前日に続き連日のストップ高と気を吐いた。小型株で抜群の脚力を持つが、資金の回転も速く上ヒゲをつけやすい特性を持つ。きょうはストップ高まで駆け上がったあと何度も剥がれたが、結局、値幅制限上限に収まり買い物を残して着地した。同社株のこの動きは半導体関連セクター全般の風向きを暗示しているようにも見える。

 あす以降、当面どういうスタンスで相場に臨むべきか。個別材料株も四半期決算発表前は手掛けづらさがある。決算数字によって波動が乱され需給主導の相場とはなりにくいからだ。ただし、これには抜け道もあって、例えば決算月が3の倍数ではない銘柄。つまり、2月決算や4月決算、あるいは1月決算銘柄などは、この一連の波に飲まれない。実際に2月決算銘柄などをみると強い動きを継続しているものが多く、投資資金を誘引する背景に"決算発表が絡まない"ということが、この時期の銘柄選別における一つのアドバンテージとなっていることがうかがわれる。

 例えば、IT活用を強みとする総合コンサルティング会社で、経営戦略の策定や組織改革を支援するベイカレント・コンサルティング<6532>は2月決算企業。今月12日に19年3~5月期決算を発表しており、営業利益は前年同期比2.1倍と急拡大した。株価は好決算を受けマドを開けて上放れたが、その後も利益確定の売りを吸収し23日には未踏の5000円台乗せ、上場来高値に買われた。2016年9月の上場で、ニューフェイスだけに高成長期待を潜在させている。躊躇することなくAI・IoT分野のコンサルティングに傾注していることも、株価の上値余地を意識させる。

 このほか、急騰後調整を入れ25日移動平均線をサポートラインに踏みとどまっているアゼアス<3161>なども面白い存在。同社株は4月決算銘柄だ。

 日程面では、あすは6月の企業向けサービス価格指数が発表となる。2年国債の入札も行われる。海外では、韓国の4~6月期GDP、米6月の耐久財受注が発表される。そして、欧州ではECB定例理事会が予定されている。(中村潤一)

出所:みんなの株式(minkabu PRESS)

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