貸借
証券取引所が指定する制度信用銘柄のうち、買建(信用買い)と売建(信用売り)の両方ができる銘柄
日経平均株価の構成銘柄。同指数に連動するETFなどファンドの売買から影響を受ける側面がある
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7751 キヤノン

東証P
4,540円
前日比
+39
+0.87%
PTS
4,541.2円
09:48 03/29
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
14.7 1.34 3.30 8.49
時価総額 6553億円
比較される銘柄
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ソーバル Research Memo(3):新規顧客開拓も順調、既存では富士通グループなどの受注が伸長


■2016年2月期第2四半期連結決算

(2)業績の分析

(a)売上高
増収要因は主に以下の2点である。

○新規顧客の開拓と既存顧客からの受注増
まず、新規顧客の増加と既存顧客からの受注の増加が挙げられる。新規顧客に関しては、5 月に買収が完了した、車載システム・生産ライン及び物流搬送設備の制御システム開発・製造のアンドールシステムサポート(以下アンドール社)の顧客が加わった。アンドール社には、トーヨーカネツ<6369>、椿本チエイン<6371>といった大手企業の顧客もあり、新規顧客獲得という側面で早くもM&A効果が出たと言える。

既存顧客からの受注増では、主要顧客の第3位である富士通グループが拡大した。もともと富士通グループは子会社の(株)コアードが主な取引先としていたが、コアードが受注を伸ばしたのに加え、ソーバル本体の受注も拡大した。受注内容としては、ファームウェアだけでなく、業務系システムの開発も増えた。その結果、富士通グループの売上高構成比率は2015年2月期比0.9ポイント増の9.4%になった。さらに、顧客別売上高構成では「その他」に位置付けられている東芝<6502>グループ、リクルート<6098>グループからの受注も増加した。その結果、新規顧客及び東芝グループ、リクルートグループなどの入る「その他」の売上高構成比率は同3.0ポイント増の15.6%と大きく伸びた。

「その他」や富士通グループからの受注の伸びによって売上高が拡大したことによって、同社が事業リスク低減のために推進している「キヤノングループ以外の顧客からの受注拡大」がさらに進んだということも大きな注目点と言える。同社の売上高に占めるキヤノン<7751>グループ向けの売上高の比率は、2015年2月期比2.3ポイント減の61.0%まで低下した。ただ、これはあくまでも売上高構成比率であって、実際の売上金額は、従来どおり横ばいで安定的に推移していることも理解しておく必要がある。

なお、キヤノンと富士通グループ以外の主要顧客に関しては、キヤノンに次ぐ大口顧客であるソニー<6758>グループからの受注は同0.9ポイント減の11.0%、第4位のNTT<9432>グループは同0.7ポイント減の3.0%となった。ただ、これら大口顧客に関しても、キヤノングループと同じく、売上金額は従来どおり横ばいで安定推移している。

○新卒社員の早期貢献
売上高増加の大きな要因としては、今春入社の新入社員が予想以上の早さで売上に貢献できるまでに成長したということも挙げられる。同社によれば、72人の新卒者のうち、第2四半期終了までに40%近くが売上に貢献できており、これは、今までにないほどの早い成長ぶりだという。さらに、同社では9月末には新卒者の50%が売上に貢献できるようになると予測している。

ソーバル<2186>は人材採用に当たり、数合わせではなく、顧客との交渉力といったヒューマンスキルを含む技術者としての高い能力を最も重視する方針を堅持している。2015年春の新卒採用も80人を予定していたが、未達となった。しかし、厳選して採用した人材によって、このような早期の売上貢献が実現したと言える。また、新卒者の収益への早期貢献は、売上高ばかりでなく、利益増に貢献している点も忘れてはならない。通常ならば、新卒者はコスト要因となるはずだからである。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 柄澤 邦光)

《HN》

 提供:フィスコ

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