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2ケタ成長「とんかつ・かつ丼」市場“春の陣”、勝者はいずこへ <株探トップ特集>


―第2の柱求める外食チェーン、443億円市場が主戦場に―

 いま、「とんかつ」「かつ丼」業態が注目を集めている。外食産業は競争が激化するなか、とんかつで閉塞感を打ち破ろうとする動きが進展している。ワンコイン(500円)から比較的高単価な商品まで、続々と大手企業が新規参入、熱い戦いを繰り広げている。なぜ、いまとんかつ店なのか、もうすぐ春風吹くスタートの季節、「とんかつ春の陣」その行方を探った。

●第2の柱模索する外食産業

 「外食チェーンは“第2の柱”を求めて模索している」と語るのは、ある飲食業界関係者。幅広い業態を持つ外食産業だが、「もうひとつの主役探しを進めるなかで、大人から子供まで万人に愛される、とんかつ・かつ丼の専門店という業態が浮上した」(同)という。

 市場調査会社の富士経済によると、「とんかつ・かつ丼」の市場規模は2016年(見込み)は前年比16.4%増の443億5000万円と試算。また、17年も7.3%増の476億円と拡大傾向が続くと予測している。同社では、手頃な価格で楽しめることに加え、認知度向上により利用数が増加していると分析する。

 それを裏付けるかのように大手外食チェーンが続々と参入している。牛丼チェーン「松屋」を展開する松屋フーズ <9887> もその1社だ。同社は、第2の主力業態として、とんかつ業態の「松のや」と「松乃家」で出店攻勢をかける。価格も「ロースかつ丼」で490円(税込み)からと低価格な商品も揃える。競争が激化するなか、とんかつで勝ちに行く姿勢を強めている。持ち帰りメニューも豊富で、さまざまなニーズにも対応している。株価は、きょう31日に一時4120円まで買われ昨年来高値を更新、悪地合いのなか強調展開が続いている。

●「濱かつ」で攻めるリンガーハット

 長崎ちゃんぽんが主力のリンガーハット <8200> は、もはや老舗ともいえる「とんかつ濱かつ」を展開している。また、ガストをはじめ多くの外食チェーンを運営する、すかいらーく <3197> も黙っていない。ワンコインからカツ丼などを楽しめる「とんから亭」を昨年スタート。同社では、とんから亭について第3四半期の決算説明資料のなかで、「今後さらなる成長に期待」と位置付けている。そのほか、トリドールホールディングス <3397> が「豚屋とん一」で攻勢をかける。

●ダスキン「かつアンドかつ」は“受験にかつ弁当”

 ダスキン <4665> は、ファミリーでの利用を唱えるとんかつレストラン「かつアンドかつ」を展開している。「カツを食べて受験に勝つ!!」と銘打って3月31日までの期間限定で「受験にかつ弁当」(税込み1490円)を発売。ゲン担ぎ満載の弁当で、受験シーズン真っ盛りのなか話題を呼びそうだ。

 前述の飲食業界関係者は「とんかつ市場は着実に拡大しており、その伸びしろを狙って参入が相次いでいる格好だ。ただ、競争も激化しており、価格だけでなく他社との差別化が重要になる」という。

●受けて立つ「かつや」のアークランドサービス

 受けて立つ側は、この状況をどう見ているのだろうか。「とんかつ業界」のチェーン展開で先駆するのがアークランドサービスホールディングス <3085> 傘下の「かつや」だ。国内約350店舗に加え、海外でも約30店舗を展開している。アークランドサービスでは「大手企業の参入については、競合になり得る存在と認識しており危機感は持っている。ただ、これまでも行ってきた商品のブラッシュアップの継続に加え、他社との差別化もさらに進めることで対抗していきたい」(広報部)という。同社の株価は1月18日に直近安値2811円を付けたあと、ここにきて上げ足を速めている。

●“ちょい飲み”も狙うコロワイド

 一方、低価格路線が主流となるなか、単価が1000円前後の「とんかつ 神楽坂 さくら」で参入したのがコロワイド <7616> 。同社では「ターゲット層を30~50代の女性連れの顧客などを見込み、落ち着いた店構えにした。日本酒やつまみメニューを揃えるなど“ちょい飲み”需要も取り込む事を考えた単価となっている。とんかつ人気は高まっているものの個店は減少傾向にあり、加えて家庭での(とんかつの)調理が減少するなか、揚げたてはコンビニとの大きな差別化ともなり、勝機があると考えている。今後は、店舗数3ケタを狙えるチェーンを目指したい」(広報室)。居酒屋「甘太郎」なども展開する同社だが、2月24日からスタートするプレミアムフライデー(毎月月末の金曜日)関連株の一角としても注目を集める可能性がある。

 群雄割拠のとんかつ・かつ丼業界、はたして「勝つ」のは、どこなのか。「とんかつ春の陣」から目が離せない。

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