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7539 アイナボHD

東証S
1,254円
前日比
-8
-0.63%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
10.0 0.60 3.51 464
時価総額 146億円
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アイナボHD Research Memo(3):2018年9月期第2四半期は粗利率悪化と経費増で営業利益は2ケタ減益


■アイナボホールディングス<7539>の業績動向

1. 2018年9月期第2四半期の業績概要
(1) 損益状況
2018年9月期第2四半期は売上高で32,972百万円(前年同期比1.5%増)、営業利益で998百万円(同32.0%減)、経常利益で1,093百万円(同30.2%減)、親会社株主に帰属する四半期純利益で691百万円(同29.3%減)となった。売上高が社内目標を下回ったことに加え、新システムへの移行の影響等により売上総利益率が1.0ポイント悪化、一方で販管費が6.6%増となったことから営業利益は大幅減益となった。セグメント別では、戸建住宅事業は11.0%の減益であったが、大型物件事業の利益は子会社温調技研の不調もあって48.3%減となり全体の足を引っ張った。

営業利益の増減を分析すると、増収によるプラス効果が52百万円、一方でマイナス要因としてはシステム刷新に伴う費用増153百万円、粗利率の低下(1.0ポイント)による影響310百万円、その他販管費の増加等による影響が58百万円であった。その結果、営業利益は前年同期比で470百万円減少した。

(2) セグメント別状況
セグメント別及びサブセグメント別状況は以下のようであった。

a) 戸建住宅事業
戸建住宅事業の売上高は29,702百万円(前年同期比1.7%増)、セグメント利益は1,350百万円(同11.0%減)となった。サブセグメント別の売上高は、外壁工事が7,930百万円(同3.9%増、同295百万円増)、住設工事が11,064百万円(同16.1%減、同2,119百万円減)、建材販売が5,572百万円(同13.9%増、同682百万円)、住設販売が5,134百万円(同46.4%増、同1,629百万円増)となったが、今期から住設工事と住設販売の集計区分をが変えたことの影響が出ている。変更がなかったと仮定した場合の増減額は、外壁工事が356百万円増、住設工事が272百万円減、建材販売が73百万円増、住設販売が329百万円増であった。

いずれにしろ主力である住設工事の売上高が減少したことが大きく影響し、セグメント売上高は低調に推移した。さらに新システムへの移行に伴い、仕入れ等が甘くなり原価管理が徹底できなかったことから売上総利益率が低下した。さらに経費面では、物流や廃棄のコストが予想以上に上昇し、セグメント利益は2ケタの減益となった。

b) 大型物件事業
大型物件事業の売上高は3,269百万円(同0.2%減)、セグメント利益は176百万円(同48.3%減)となった。サブセグメント別では、タイル工事が1,273百万円(同7.5%増)、住設工事が1,996百万円(同4.5%減)となった。セグメント利益が大きく減少した要因は、前年度に計上した引当金の戻り(約100百万円)が消失したことに加え、比較的大型のビル空調工事やリニューアル工事を行う温調技研(子会社)の業績が不振であったことによる。

(3) 重点課題の達成状況
同社が「重点課題」とした各課題の達成状況は以下のようであった。

商材別の重点課題の状況を見ると、各商材ともに前年同期比では伸びているが、達成率は必ずしも高くはない。ただしこの達成率は、あくまで同社が独自に定めた社内目標に対してのものなので、未達だからといって直ちに懸念される内容ではない。

重点分野の状況を見ると、これらも達成率は必ずしも高くはないが、商材別と同様に同社が独自に定めた社内目標に対してのものなので、未達だからといって直ちに業績に影響が出るものではない。但し、新規顧客開拓は将来の売上増につながるものなので重要な指標だ。この第2四半期の結果は、件数としてはまずまずであったが、金額が大きく減少している、つまり1件当たりの受注が小型化しているので、今後の動向は注視する必要がありそうだ。


財務基盤は強固。手元のネットキャッシュは79億円
2. 財務状況
2018年9月期第2四半期末の財務状況を見ると、流動資産は25,071百万円(前期末比292百万円増)となった。主要科目では現金及び預金1,037百万円減、受取手形・完成工事未収入金等1,505百万円増、未成工事支出金26百万円増などであった。固定資産は8,504百万円(同287百万円増)となったが、内訳は有形固定資産が5,674百万円(同24百万円減)、無形固定資産788百万円(同111百万円増)、投資その他資産2,042百万円(同201百万円増)となった。この結果、資産合計は33,576百万円(同579百万円増)となった。

流動負債は13,441百万円(同134百万円増)となったが、主な変動は支払手形・工事未払金等の増加500万円、ファクタリング未払金の増加100百万円などであった。固定負債は1,375百万円(同20百万円減)となった。この結果、負債合計は14,816百万円(同113百万円増)となった。純資産は18,760百万円(同466百万円増)となったが、主に親会社株主に帰属する四半期純利益の計上による利益剰余金の増加472百万円による。

2018年3月末現在で、現金及び預金8,602百万円に対して長短合わせた借入金は630百万円にとどまっており、手元のネットキャッシュ(現金及び預金-借入金)は7,972百万円に達しており、財務基盤は強固である。

3. キャッシュ・フローの状況
2018年9月期第2四半期のキャッシュ・フローを見ると、営業活動によるキャッシュ・フローは579百万円の支出となった。主な収入は税金等調整前四半期純利益の計上1,093百万円、仕入債務の増加574百万円等で、主な支出は売上債権の増加1,422百万円などであった。投資活動によるキャッシュ・フローは426百万円の支出となったが、主な支出は無形固定資産の取得137百万円、投資有価証券の取得(ネット)249百万円など。財務活動によるキャッシュ・フローは31百万円の支出となったが、主に長短借入金の増加による収入193百万円、配当金支払いによる支出219百万円などによる。この結果、現金及び現金同等物は1,037百万円減少し、期末残高は8,602百万円となった。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《MH》

 提供:フィスコ

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