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7521 ムサシ

東証S
1,823円
前日比
-16
-0.87%
PTS
-円
業績
単位
100株
PER PBR 利回り 信用倍率
18.4 0.43 1.97
時価総額 145億円
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決算発表予定日

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ムサシ Research Memo(2):16/3期は減収減益で着地


■2016年3月期決算

(1)決算の概要

ムサシ<7521>の2016年3月期決算は、売上高357億9百万円(前期比4.1%減)、営業利益9億25百万円(同34.8%減)、経常利益11億89百万円(同28.4%減)、当期純利益7億53百万円(同31.3%減)と減収減益で着地した。同社は第2四半期決算に際し、通期の利益見通しを上方修正したが、ほぼその線での決算となった。

詳細は後述するが、2016年3月期は国政選挙が行われず、前年の2015年3月期において衆院選が実施されたことの反動減で、単体ベースの選挙システム機材部門の売上高が前期比17億91百万円の減収となった。また、紙・紙加工品セグメントの売上高も、印刷用紙等の需要減により減収となった。情報・印刷・産業システム機材セグメントや金融汎用システム機材部門の増収では補いきれず、全社の売上高は前期比4.1%減となった。

選挙システム機材部門の減収は、期初から想定されていたことだ。むしろ、年度初めの統一地方選挙や大阪府知事選、その他の地方選挙からの需要が予想以上に強く、期初予想売上20億円を大きく上回る24億76百万円での着地となった。国政選挙のない年度の売上高としては過去最高を更新した。

営業利益は、採算性の高い選挙システム機材の減収に加え、印刷システム機材販売での競争激化の影響などもあり、前期比34.8%の減益となった。営業外収支においては、受取補償金1億55百万円が計上されたこともあり、ネットの営業外収支は2億65百万円と、通常ペースの1億円~1億50百万円の水準を大きく超えた。ただしその前年の営業外収支も高水準であったため、経常利益の減益率は28.4%となった。

(2)事業セグメント別動向

a)情報・印刷・産業システム機材セグメント
情報・印刷・産業システム機材セグメントは売上高246億40百万円(前期比2.3%増)、営業利益2億64百万円(同33.5%減)となった。

この中の情報・産業システムでは工業用非破壊検査装置が若干落ち込んだものの、スキャナー等の電子化機器の増収でカバーした。印刷システム機材はCTP機器やPOD機器が順調に推移したほか、印刷検査装置なども売り上げが伸びて増収を確保した。しかし、機材の単価下落と、消耗品材料販売の競合激化で収益性は低下した。

このセグメントで成長事業と期待されるメディアコンバート(文書デジタル化)事業は、民間からの受注拡大により、売上高は44億38百万円(前期比10.9%増)と順調に伸びた。セグメント営業利益が減益となったのは、印刷システム機材の収益性悪化によるものだ。

b)金融汎用・選挙システム機材セグメント
金融汎用・選挙システム機材セグメントは、売上高50億82百万円(前期比23.6%減)、営業利益5億7百万円(同44.8%減)と大幅な減収減益となった。

このうち、金融汎用システム機材は、金融機関のセキュリティ機器の更新需要増と、貨幣処理機の販売が伸びたことで、売上高は25億89百万円(同8.6%増)となった。選挙システム機材は、その前年に衆院選があったことの反動減が響き、統一地方選や大阪府知事選などの地方選挙ではカバーしきれず、売上高は24億76百万円(同42.0%減)にとどまった。セグメント営業利益が減益となったのは、好採算事業である選挙システム機材の減収が主因だ。

c)紙・紙加工品セグメント
紙・紙加工品セグメントは、売上高57億67百万円(前期比8.4%減)営業利益13百万円(前期は7百万円の営業損失)となった。売上は、印刷用紙、感光材料包装紙の販売減を他の製品で吸収できず、減収となった。利益面では経費節減に取り組んだ結果、黒字転換を果たした。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 浅川 裕之)

《HN》

 提供:フィスコ

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