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2015年11月02日16時29分

パイプドHD Research Memo(7):新たな3ヵ年中期経営計画で高い目標にチャレンジ


■新中期経営計画と今後の事業戦略

パイプドHD<3919>は昨年度を初年度とする新しい中期経営計画2017【次世代ITベンチャーへと革新する3ヵ年】を発表している。数値目標は、下図のように来年度の2017年2月期に売上高9,200百万円(2014年2月期実績比約3.7倍)、営業利益2,800百万円(同約5倍)を計画している。今期(2016年2月期)の予想に比べてかなり高い目標ではあるが、クラウド型の事業モデルであることから、まったく不可能とは言い切れない。この目標を達成するために、同社では既存事業の拡大に加えて「積極的なM&Aや提携による事業拡大」を重要な戦略の1つに掲げており、以下のような施策を実行している。

(M&A、子会社設立や業務提携による事業拡大)
同社では、M&Aや事業提携も重要な事業戦略と位置付け常に候補企業を探しているが、この上半期には以下のような事業提携や出資、子会社設立などを行った。

○パイプドビッツ総合研究所の設立
地方政府の政策評価、ICTの利用・活用による地域活性化や課題解決に関する調査研究及び政策企画人材を育成することを目的としてパイプドビッツ総合研究所を2015年3月に設立した。

パイプドビッツ総研を設立した真の目的は、地方政府関連の政策調査などを行うことで同社の事業を公共分野へ広めるためであり、将来の事業領域拡大のための先行投資と言える。

○カレンの第三者割当増資引き受け
セールスプロモーション、Webサイト構築、Mobile&O2Oを主力業務とし、日産自動車<7201>、サンスター(株)、博報堂<2433>、ユニバーサル・ミュージック(同)等の大手顧客を抱えている(株)カレンの第三者割当増資(30百万円、議決権39.02%)を引き受けた。カレン社は元々同社の「SPIRAL(R)」のユーザーであったが、財務的な安定が必要であったことから増資を引き受け、両社の関係を強化することで今後も「SPIRAL(R)」の更なる拡大を目指していく方針だ。

○Sprinklr, Inc.への出資
同じく事業拡大の一環として、2015年2月に米国Sprinklr, Inc.の日本法人であるSprinklr Japanへ出資した。(500百万円、持分17.5%)Sprinklr Japanは、企業がSNSを利用して事業展開を図る際に、そのSNS上のシステムを構築・提供することを主たる事業としている。日本ではまだ企業がSNSを自社の事業拡大のために利用することは少ないが、米国では既に多くの企業がSNSを広告やマーケティングに利用しており、Sprinklr Japanは企業によるSNS利用拡大の一翼を担っている。

同社がSprinklr Japanへ出資した狙いは主に2つある。まずSprinklr Japanのサービスを同社顧客に紹介することで、同社の顧客層を拡大することができる。2つ目の効果は、同社製品(「SPIRAL(R)」等)とSNSを利用したSprinklr Japanのシステムを連携させることで、より高度なサービスを提供することが可能になる。このSprinklr Japanへの出資はすぐに売上高に貢献するものではないが、日本でも企業のSNS活用が進めばいずれ同社の収益に寄与してくるものと思われる。

加えて2015年3月にはSprinklr Japan本体への出資(400万ドル、約478百万円)を行った。この出資の目的はSprinklr Japanとの関係をさらに強化すること、及び純投資目的(キャピタルゲイン)であり、出資は投資有価証券として計上されている。

○(株)MAKE HOUSEの設立
全国約500店の工務店を通して「SE構法」を展開する(株)エヌ・シー・エヌ(以下、NCN)とペーパレススタジオジャパン(株)(同社の子会社、PLS)により合弁会社MAKE HOUSE を設立した。(結果、MAKE HOUSEは同社の孫会社になる)

「SE構法」とは、従来、鉄骨造やRC造において主流であったラーメン構法(柱や梁そのものを互いに剛接合し、強固な構造躯体をつくり上げる構法)を、日本の木造住宅に取り入れたもので、NCNはこのSE構法におけるパイオニアであり多くの構造テンプレートを有している。これら木造住宅に関する大量のデータをMAKE HOUSEがBIM(Building Information Modeling)化することで、BIMとSE構法の普及促進を図っていく計画だ。

○ソフトブレーン社との連携
SFA(営業支援ソフト)に強みを持つソフトブレーン<4779>と業務提携した。同社が持つ「SPIRAL(R)」とソフトブレーンが持つeセールスマネージャーが連携することで、両社それぞれが対応できる案件が増える。これによって結果として「SPIRAL(R)」の利用者が増加することになる。

○パブリカの設立
オープンデータはマイナンバーと並び国や地方自治体の電子行政の重要政策になっており、オープンデータの利活用により、行政の効率化と透明性の強化、さらには新たな ビジネスの創出など日本経済の発展に寄与することが期待され、国や自治体での推進が加速されつつあるが、未だ具体的なビジネスモデルの確立には至っていないのが現状である。

特に自治体が住民向けに情報発信する広報オープンデータについては、一般社団法人オープン・コーポレイツ・ジャパン(所在地:東京都中央区、代表者 中島洋(なかじまひろし)氏、以下「OCJ」)がかねてより着目し、東京都23区(特別区)及び大阪市24区(行政区)などの広報担当の協力を得ながら、自治体広報紙オープンデータの利活用に関する実証実験を展開してきたが、この活動を通して、一般的にもインターネットを通じた広報紙の配信に大きな社会的な意義と事業性があると認められつつある。一方で同社も、かねてよりインターネットによるオープンデータの利活用の取り組みを通した社会の課題解決を重要な経営戦略の1つと捉えて事業活動を行ってきた。その結果、この自治体広報オープンデータの事業化を実現していくに当たり、OCJのこれまでの研究ノウハウと当社のIT技術や課題解決力を融合させ、持続的で有益性の高いサービスを自主的に展開、発展させていくことを目的に新会社であるパブリカを設立した。(同社出資額30百万円、議決権90.9%)

パブリカでは、OCJにおいて50以上の自治体での利用実績がある広報紙オープンデータを活用したアプリケーション「マイ広報紙」を正式に事業化するとともに、他社が開発したオープンデータサービスに対して事業化のためのノウハウ支援を行っていく。なお、設立新会社の役員には、オープンデータの有識者としてOCJ常任理事を務め、「マイ広報紙」の事業企画・開発に従事している2名が就任し、経営へ参画することとなった。同社とパブリカの有する経営資源の有効活用により、オープンデータを活用したITサービスの開発と普及を通じて、行政のBPR(Business Process Re-engineering)やコスト削減を実現し、官民協業による行政イノベーションと新たなビジネス創造に寄与していく計画だ。

以上のように同社は、この半期で多くの子会社設立や業務提携を発表した。これらの業務提携や子会社等はすぐに業績に寄与するものではないが、いずれの内容も同社の主力製品である「SPIRAL(R)」に関連するものである。言い換えれば、これらの提携等を通じて「SPIRAL(R)」がより多くの分野で利用・活用され製品の認知度・知名度を上げることになる。その結果として、中長期的に同社の業績への寄与が期待される。

(執筆:フィスコ客員アナリスト 寺島 昇)

《HN》

 提供:フィスコ

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